【加筆内容】アンブレラレビューを見てみよう! その18「ビタミンCと心血管疾患(CVD)リスク要因」
ビタミンCは心血管疾患(CVD)のリスク要因と関係があるのか系統的レビューとメタ分析のアンブレラレビューで調べてみた…!
2019年のニューカッスル大学の研究によると、ビタミンCは心血管疾患(CVD)のリスク要因と関係があるのか系統的レビューとメタ分析のアンブレラレビューで調べてみたそうです。
ご存知の通りビタミンCは果物や野菜に多く含まれておりまして、抗酸化作用・抗酸化物質が高いことで有名かと思います。またメラトニン同様、活性酸素種(ROS)と活性窒素種(RNS)という酸化ストレス物質を直接除去しているんですな。
そんな抗酸化作用のあるものを摂取すると心血管疾患のリスク要因が減る事も先行研究により分かっております。そしてコホート研究では、ビタミンCの摂取量が多いと心血管疾患のリスク要因にプラスの影響がある事も出ていたりするんですよね。しかし一方で大規模なRCTではその効果は確認されなかったって話もあったりします。
じゃあ結局、効果があるの…?ないの…?ってことで、今回その辺をはっきりさせるべくアンブレラレビューを行ってみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2018年2月までに発表されている該当研究をMedline、Embase、Scopus、コクランという4つのデータベースで検索してみたそうな。続いて検索にヒットした研究を該当基準と除外基準に照らし合わせて精査していったらしい。
最終的に選ばれた研究は10件の系統的レビューとメタ分析でして、総サンプル数は6,409人とのことでした。
これらをアンブレラレビューしてみた結果、
- 3件中2件の系統的レビューでビタミンCにより内皮機能に有意な結果が出ていた。但し3件とも結果のばらつきが激しかった
- 1件の系統的レビューで血圧、血糖値、LDLコレステロール、中性脂肪に有意な改善が見られた
- 動脈硬化やインスリン濃度、総コレステロール、HDLコレステロールに効果はなかった。但し、サブグループの結果によりBMIが高い人、血糖値やコレステロールが高い人、ビタミンC濃度が低い人には有意な改善が見られた
みたい。
効果はありそうなものの、ちょっとベースとなる研究のエビデンスレベルが弱いみたいですな。
個人的考察
ビタミンCで心血管疾患リスク要因が下がるかはもしかしたらあるかも…!今後の研究に期待…!って感じですね。