先週の続きです。
前回までアスレティック・ビルバオ(スペインのサッカークラブチーム)のレビュー論文を見てみました。ディトレーニングによる心肺機能と代謝について勉強になりましたね~。
んで今回から、2001年に発表された2つ目のレビュー論文を見ていきます…!



アスリートや運動経験者を対象にトレーニングを中止した場合の筋肉への影響について先行研究結果をまとめてみた…!

2001年のアスレティック・ビルバオレビュー論文によると、アスリートや運動経験者を対象にトレーニングを中止した場合の筋肉への影響について先行研究結果をまとめてみたそうです。


筋線維におけるディトレーニング

ということで、まずは筋線維とディトレーニングの関係のポイントから見てみましょう。

  • 運動を中止した場合における筋線維への影響は、その中止した期間の長さに依存する。
  • アスリートマラソンランナー6名を対象にした研究によると、7日間歩行用ギプスを装着し、その後さらに8日間ランニングを控えた結果、筋線維への影響はなかった。つまり、15日間サボっても筋線維への影響はなかった
  • また、サッカー選手4名を対象に3週間トレーニングをしなかった研究や、アスリート12名を対象に14日間筋トレをしなかった研究でも、筋線維への影響はなかった。つまり、14日間~21日間サボっても筋線維への影響はなかった
  • 一方で、マラソンや自転車は筋線維タイプII(タイプII筋線維:速筋線維と呼ばれ筋力・筋瞬発力に関係している)のシフトが見られた。具体的には、FTa線維(速筋線維の一種。筋瞬発力と筋持久力のバランスが取れている筋線維)からFTb線維(速筋線維の一種。筋瞬発力が非常に高く、持久力が低い筋線維)へのシフトが見られ、56日間のトレーニング中止後FTb線維が5%から19%に増えていた
  • ボート選手4人を対象にした研究によると、競技から引退した後の4年間で筋線維タイプI(タイプI筋線維:遅筋線維と呼ばれ筋持久力に関係している)が14~16%も減っていた
  • 一流パワーリフターを対象にした研究によると、筋トレを7か月間行わなかった結果、筋持久力に関する筋線維が1.4倍増えていた
  • 一流ボディビルダーを対象にした研究によると、筋トレを13.5か月間行わなかった結果、速筋線維が66%から60%に減っていた
  • 一方で、14~15歳のサッカー選手を対象にした研究によると、4~8週間トレーニングを行わなかったが、筋線維に変化はなかった
  • 女性ダンサーのグループを対象に32週間トレーニングを中止した研究でも筋線維に変化はなかった
  • 男性サッカー選手を対象に3週間トレーニングを中止した研究によると、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の筋線維の太さが7%減っていた。この変化は主に速筋線維が12.4%(6022μm2から5278μm2)減ったことが原因だった。
  • ウェイトリフティング選手12人を対象にした研究でも14日間のサボりで速筋線維の太さが6.4%減っていた
  • 一方で、持久力ランナーを対象に14日間サボってもらった結果、ほとんど変化が見られなかった
  • トレーニングの中止期間が長くなると、アスリートの速筋線維・遅筋線維・筋線維の太さ・筋肉量が軒並み減少していた。
  • ラグビー選手を対象にした研究によると、速筋線維の太さは遅筋線維の太さよりも大幅に減少しており、シーズン終了時には速筋線維が23%も増加していたのに6週間のトレーニング中止でわずか9%の増加になってしまった。また体重が79.8kgから76.0kgに減少しており、筋肉量が減ったものと推測された。
  • パワーリフターに筋トレを7か月間中止してもらった研究によると、全筋線維タイプで平均37.1%も減っていた
  • 一流ボディビルダーを対象にした研究でも13.5か月のサボりで、除脂肪体重が9.3%、太ももと腕の太さが0.5%、太ももと腕の周囲が11.7%、平均筋線維面積が8.3%減っていた
  • 筋トレ指導を受けたアスリートを対象に8週間サボってもらった結果、速筋線維と遅筋線維の面積比が1.11から1.04に減少し、筋肉量も減少した。また12週間のサボりでも速筋線維と遅筋線維の面積比が減少していた
  • サッカー選手のシーズン終了後、4~8週間のサボりで速筋線維と遅筋線維の太さが減少していた。
  • 一方で、女性ダンサーが32週間トレーニングを中止したところ、筋線維面積の大幅な増加が見られ、持久力向きの形になっていた
  • 男性6名にエアロバイクを漕いでもらった研究によると、8週間のトレーニング後で遅筋線維が44.2%から38.1%に、FTa線維が36.8%から39.6%に、FTb線維が19.1%から22.2%にシフトしていた。また、遅筋線維の断面積が105.2%、FTa線維の断面積が104.5%、FTb線維の断面積が104.9%増加した。その後4週間サボってもらうと、遅筋線維の断面積が99.0%、FTa線維の断面積が98.9%、FTb線維の断面積が96.5%に戻り、8週目までに遅筋線維の断面積が93.3%、FTa線維の断面積が98.6%、FTb線維の断面積が94.3%と減少してしまった。
  • 10週間トレーニング→12週間のサボり研究でもFTb線維の断面積が18%増加→12%減少という結果だった。
  • 7週間トレーニング→7週間のサボり研究では、若い女性の除脂肪体重(≒筋肉量)が1.1kg増加→スタート時に戻った。

バーッと見てきましたが、ざっくりまとめると、

  • 運動を中止した場合における筋線維への影響は、その中止した期間の長さに依存する…!
  • 14日間~21日間のサボりなら筋線維への影響はなさそう…!
  • それ以上サボっていくと、徐々に筋線維がシフト(適応)していく…!
  • トレーニングの中止期間が長くなると、アスリートの速筋線維・遅筋線維・筋線維の太さ・筋肉量が軒並み減少する…!
  • トレーニング期間とサボり期間が大体同じだと筋線維は元に戻る…!
  • 女性や10代の若者だと筋線維の減少が少ないのかも…?

といったところでしょうか。
いや~参考になりますね~。



個人的考察

今回はここまで。
続きは来週です。



参考文献

最後にご紹介します。