【加筆内容】運動・トレーニングをサボる(ディトレーニング)の研究を見てみる! その9
代謝におけるディトレーニング:呼吸交換比・インスリン感受性・GLUT4・リポタンパク質リパーゼ・血中乳酸濃度・筋肉グリコーゲン濃度
今度は代謝におけるディトレーニングについて見ていきます。
具体的には、呼吸交換比・インスリン感受性・GLUT4・リポタンパク質リパーゼ・血中乳酸濃度・筋肉グリコーゲン濃度ですね。まぁ、これらについては、ざっくりでよろしいかと思いましたんで、軽く以下にまとめました。
- 呼吸交換比:呼吸交換比はRERとも訳され、呼吸時に体内に取り入れた酸素量と体外に排出する二酸化炭素量の比率のことを言う。これが高いと、酸素の消費量<二酸化炭素の排出量となる。そして高いと体内で炭水化物が使われている、低いと脂質が使われているということになる。呼吸交換比は短期のディトレーニングでも高くなる。つまり体内で脂質が使われなくなり代わりに炭水化物が使われるようになった。
- インスリン感受性とGLUT4:インスリン感受性はインスリンの効きの良さのことを言う。グルコーストランスポーター4はGLUT4とも訳され、インスリンや運動の刺激に反応して、血中グルコースを筋肉や脂肪細胞に取り込めるよう運ぶタンパク質のことを言う。これらはアスリート・トレーニング初心者に関わらず、インスリン感受性・GLUT4が低下した。つまりインスリンの効きが悪くなり、血中グルコースも運ばれなくなった。結果、体内のグルコースの貯蔵量も減少していた。
- リポタンパク質リパーゼ:リポタンパク質リパーゼは刺激し活性化することで中性脂肪の代謝を促進する効果がある。ディトレーニングによって、脂肪のリポタンパク質リパーゼの活性化が顕著に増加し、一方で筋肉のリポタンパク質リパーゼの活性化が低下した。つまり、脂肪の蓄積に有利な状態になった。
- 血中乳酸濃度:血中乳酸濃度は乳酸の生成量と利用量の差のことを言う。普段は生成量=利用量だが、運動すると生成量>利用量となり、乳酸利用が追い付かなくなる。結果、血液中の濃度が上がる。そのため、運動による疲労度の指標として用いたりする。そしてアスリートの場合、短期のトレーニング中止で同じ強度でも血中乳酸濃度が高くなりやすくなる。つまり疲労が蓄積しやすくなったと言える。一方でトレーニング初心者は影響を受けない様子。
- 筋肉グリコーゲン濃度:筋肉グリコーゲン濃度は骨格筋に貯蔵された運動エネルギー源となる糖質量のことを言う。ディトレーニングによって、筋肉グリコーゲン濃度は急速に減少し、数週間以内に運動していない状態に戻ってしまうとのこと。但し、その状態でも運動していない人よりも濃度は高いそう。因みに研究者曰く、トレーニング初心者のディトレーニングにおける筋肉グリコーゲン濃度に与える影響については研究がないらしい。
まとめ
最後にざっくりまとめてみるとこのような感じではないでしょうか…?
【有酸素運動におけるアスリートのディトレーニング】
- アスリートはトレーニング初心者よりもディトレーニングで短期間のうちに急激に心肺機能が減少していく。代謝にもマイナスの影響が出る。
- んがしかし、その後減少は緩やかになり最後は横ばいになる。
- 横ばいになった時点でも運動していない人やトレーニング初心者よりは心肺機能が高かったり、代謝も良かったりする。
- ディトレーニングは(サボるなら)、10日から2週間ぐらいまでにしておくと良さそう…!
【有酸素運動におけるトレーニング初心者のディトレーニング】
- トレーニング初心者はアスリートと違い、短期間のディトレーニングによって
- 心肺機能が減少しないか緩やかにしか減少しない。代謝のマイナスの影響も出づらい。
- んがしかし、そのままずるずるいくと最後には完全に元に戻ってしまう(10週間のトレーニング→10週間のディトレーニングみたいなパターン)…!
- ディトレーニングは(サボるなら)、4週間ぐらいまでにしておくと良さそう…!
有酸素運動をサボる際の良い指標になりそうですね(笑)
個人的考察
次回からもう一つのアスレティック・ビルバオのレビュー論文を見てみます。
参考文献
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11252068
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E3%81%A8%E5%BF%83%E8%87%93/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E5%BF%83%E8%87%93
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tairyoku-kiki/nyusan-ikichi.htmlhttps://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-%E5%BF%83%E8%A1%80%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E3%81%A8%E5%BF%83%E8%87%93/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E5%BF%83%E8%87%93
