世界各地に狩猟採集民は存在しておりますが、そんな中でも有名な部族の一つがキタバ族。
詳しくは、「人類最古のお友達「衛生仮説・旧友仮説」入門」のキタバ族の部分をお読みいただくとよろしいかと思いますが、キタバ族はパプアニューギニアに住んでおり、畑での自給自足や漁師を行っているそうな。また、電機や電話、自動車といったものは1990年にはまだなかったそうです。
そんなキタバ族をずーっと調べていたのがスウェーデンプライマリーヘルスケアセンターやルンド大学に所属していたリンデバーグ博士(Staffan Lindeberg)なんですな。残念ながら2016年に亡くなっているんですが、狩猟採集民の西洋化が進みつつある現在、リンデバーグ博士が当時調べた研究はまだ西洋化が進んでいないか進み出した頃だったんで、非常に貴重なんですよ。
それもあって実は当ブログでもリンデバーグ博士の研究はたまに出てきておりました。

に載っている研究ですね。
んで、今回から更にリンデバーグ博士の狩猟採集民のキタバ族研究を見ていこうかと思います。因みにまだ「パレオダイエット」という言葉がなかった頃ってのもポイントですね。
そしてリンデバーグ博士が亡くなった後もルンド大学ではキタバ族研究が続いていますんでそちらも最後に見てみます。



キタバ族の脳卒中・虚血性心疾患リスクについて調べてみた…!

リンデバーグ博士の1993年の研究によると、キタバ族の脳卒中・虚血性心疾患リスクについて調べてみたそうです。
パプアニューギニアのミルン湾州にあるトロブリアンド諸島の一つキタバ島というサンゴ礁の島には、西洋スタイルの食習慣の影響を受けなていない自給自足の生活様式が今も維持されている部族がおります。
その狩猟採集民はキタバ族と呼ばれておりまして、主食が、


なんですな。
そんなキタバ族の全人口のうち1,816人が3歳以上、125人が60~96歳と推定されたらしい。
今回はそんなキタバ族の脳卒中・虚血性心疾患リスクについてチェックしてみることにしたんだとか。
この研究は20~96歳のキタバ族の成人213名を対象にしたもので、それぞれに聞き取り調査を行い、突然死や運動関連による胸の痛み、片麻痺、失語症、突然の平衡障害の頻度を評価したというもの。
併せて、キタバ族の男性119人、女性52人に協力をお願いし、心電図検査(ECG)も行い、安静時の心電図もチェックしてみたそうな。
最後に集まったデータを基に傾向を見てみたそうです。
結果、

  • 聞き取りを行った20~96歳のキタバ族の成人213名中、脳卒中や突然死、狭心症に該当した人は0人だった…!
  • 心電図検査を行ったキタバ族の男性119人、女性52人中、脳卒中・虚血性心疾患と認められる人は0人だった…!

とのこと。
つまり、キタバ族は現在病である脳卒中や虚血性心疾患の兆候すらなく、無縁な暮らしを送っていたってことですね。スゲー。



個人的考察

狩猟採集民の生活に興味が出た方は、併せて、


などの記事もご覧いただくと面白いかと思います。



参考文献