「障がい種別ごとの基本を抑えよう!」シリーズの続きです。
今回は、「知的障がい」編です。
それでは早速見ていきましょう。



知的障がい(知的障害)ってなに…?

知的障がいとは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるものを言います。
そして以下のいずれにも該当する方を知的障がいとするんですな。

  • 知的機能の障害:標準化された知能検査(ウェクスラーによるもの、ビネーによるものなど)によって測定された結果、知能指数がおおむね70までのもの。
  • 日常生活能力:日常生活能力(自立機能、運動機能、意思交換、探索操作、移動、生活文化、職業等)の到達水準が総合的に同年齢の日常生活能力水準のいずれか(常に介助が必要、多くの場面で介助が必要、時々・一部介助が必要、おおむね自立しているが一部支援が必要=最重度、重度、中度、軽度)に該当するもの。

因みに知的障がいの判定に使用される知能検査ってのはいくつか種類がありまして、

  • ビネー式知能検査:世界初の個別式知能検査。田中ビネー式(日本で広く普及)や 鈴木ビネー式がある
  • ウェクスラー式知能検査:青年・成人用(16歳0ヶ月〜90歳11ヶ月)のWAIS(ウェイス)、児童用(5歳0ヶ月〜16歳11ヶ月)のWISC(ウィスク)、幼児用(2歳6ヶ月〜7歳3ヶ月)のWPPSI(ウィプシー)と別れており、これらをまとめて「ウェクスラー・ファミリー」と呼ぶこともある

って感じとなっております。
それと知的障がいの原因は未だ分かっておらず、遺伝子異常、出産前後における仮死状態・窒息・脳内出血・脳挫傷・感染症・アルコール・薬物・中毒・タバコ、高齢出産、子供時代の脳外傷・感染症、脳出血など、様々な可能性が指摘されております。



療育手帳ってなに…?

厚生労働省の「療育手帳制度の概要」によれば、

  • 療育手帳とは、知的障害児・者への一貫した指導・相談を行うとともに、これらの者に対して各種の援助措置を受けやすくするため、児童相談所又は知的障害者更生相談所において知的障害と判定された者に対して、都道府県知事、指定都市市長又は児童相談所を設置する中核市の市長が交付する

物としています。
つまり、知的障害がある方に交付される手帳ってことですね。そして手帳の更新については、5年や10年、更新なしって人もいる感じです。因みに療育手帳は地域によっては「愛の手帳」と呼ばれる場合もあったりします。

次に療育手帳の判定について見ていきましょう。判定は、主にA判定とB判定からなりまして、具体的には以下のような感じとなっております。

【A判定(重度)】
  • 知能指数が概ね35以下であって、次のいずれかに該当する方を言う。
    • 食事、着脱衣、排便及び洗面等日常生活の介助を必要とする。
    • 異食、興奮などの問題行動を有する。
  • 知能指数が概ね50以下であって、盲、ろうあ、肢体不自由等を有する者

【B判定】
  • A判定(重度)のもの以外

因みに自治体によっては更に細かく分けているところもございまして、例えば、最重度・重度(A判定)と中度・軽度(B判定)って感じです。
また、知的障がいの重症度の分類(障がいの程度)・IQ・精神年齢についてやその他の手帳情報については下記の記事をご覧ください。




知的障がいの方への支援のポイントと配慮事項

知的障がいの方といっても、程度によって支援のポイントや配慮事項はかなり変わってきます。ここではそれらも踏まえつつ、共通事項をバーッと書いておきます。

  •  抽象的な言い方は避けて具体的に伝える。
  • 長すぎる説明は避けて、単語、短文、端的に伝える。
  • 分かりやすい言葉を使う。
  • 一度にたくさん指示をしない。
  • 伝え方を統一しておく。
  • 口頭で伝える際は、落ち着いた声で、ゆっくりと話す。
  • 口頭や文字(手順書等)のみでの指示が難しければ、イラストや図、写真、動画、見本やお手本などを提示する。
  • システマティック・インストラクションを意識する。
  • ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きで理解が難しくなっていないか確認する。
  • 数を数えられるか、いくつまで数えられるか確認する。
  • デジタルの時計(12時表記・24時表記)、アナログ時計が読めるか確認する。
  • 作業プロセスや内容を、分かりやすくシンプルに整理して見ただけで何をすればいいか分かるようにしていく(構造化・視覚的構造化)
  • なるべく決まった作業手順になるよう固定する。
  • 作業が難しい場合は治具を取り入れる。
  • 1日の流れ・スケジュールを作る。
  • スモールステップを意識する。
  • ミスで注意する場合は声を荒立てたり、強く叱責せず、どこを間違ったのか、正しい方法はどうなのか穏やかにゆっくりと伝えていく(注意しても理解できないと、ただ「怒られた」ってことしか残らない)
  • ミスを指摘する場合は、時間を空けずにすぐ伝える。
  • 時間がかかっても焦らず、繰り返し練習してもらう。
  • 本人や家族と連絡ノートでやりとりする。
  • 周囲に迷惑をかけない休憩時間の過ごし方を決めておく。
  • 遅刻や早退、欠勤時の連絡の仕方を練習する。
  • 求人票の内容理解が難しければ、優先順位(給与、職務内容、勤務時間、福利厚生、通勤など)から話し合っていき、わかりやすく伝える。
  • 必要な応募書類(履歴書、職務経歴書、自己PR書、就労パスポートなど)がわからない、作れない場合は一緒に作成する。
  • 面接に同行する。
  • 通勤の練習をする。
  • 慣れるまで短時間勤務、固定した作業量や少なめな作業量にしてもらう。



個人的考察

本人のアセスメントを取りつつ、障害特性を踏まえた支援をしていきたいですね~。



参考文献