今回は、「治具(じぐ)」の話を軽くしておきます。



治具(じぐ)ってなに…?

障がい者の就労支援では、障がい特性上(障がいの特徴上)、難しい作業ってのがあります。
分かりやすい例で言うと、

  • 字が読めないので仕分け作業が出来ない
  • 片麻痺のため、片手で物を押さえて、もう片方の手で作業がしにくい

みたいな感じですな。
こんな時、無理だと諦めるのではなく、

  • 字が読めないので仕分け作業が出来ないなら、色分けした箱を用意し出来るようにする…!
  • 片麻痺のため、片手で物を押さえて、もう片方の手で作業がしにくいなら、重りを用意して物を押さえられるようにする…!

みたいなことを考え、利用者に試してもらいながら試行錯誤していきます。
個人的には、支援者のアイディア勝負、腕の見せ所って思っていたり…。

んでタイトル通り、このようなことを障がい者の就労支援で皆やっているんですが、実はちゃんと名前があるんですな。
それを治具(じぐ)って言います。治具(じぐ)とはサポート道具やガイドのことを言いまして、作業を正確に行ったり、簡単に行うための補助具や固定器具のことを言うんですな。
そして治具ってのは障がい者の就労支援だけでなく、広く一般に存在するんですよ。
例えば、パッと見で分かるように、色分けした箱を用意する、なんてのは結構いろいろなところでやっているじゃないですか。
スーパーとかで精算前のカゴと精算後のカゴの色を変えているのとかも治具の一種と言えましょう。他にも物の陳列とか、バスの色が違うとか、物を入れやすいよう下敷きを使うとか…世の中治具だらけと言っても過言ではないかと。
つまり治具を使えば確かに障がいのある方は働きやすくなるけど、障がいがなくても働きやすくなるんですな。そのため、障がい者雇用を機に、働きやすい整備が進むなんてこともあったりします。
因みに私が片麻痺の人用に考えた治具の一例は以下な感じ。


片麻痺の人がパソコン作業中「Shift」や「Ctrl」を押しながら作業を行いたかったが、難しかった。
釣りの重り(下みたいなの)を買ってきて、角をつぶし、これの両面に滑り止めシートを貼った。色々探したけど、「Shift」や「Ctrl」に置くくらいのちょうどいい重りは、釣りの重りの六角型25号だったんですな。




片麻痺の人が字を書こうとするが紙が押さえられず紙がずれてしまう。
紙がずれないようにバインダーを使った。但し普通のバインダーだと片手で挟めるのが難しかった。そこで挟める部分が開いたままロックできるリヒトラブのバインダー(下記)を用意した。
これで挟められるが机によってはバインダーがすべるので下に滑り止めシートをボンドで貼った。




片麻痺の人が字を消そうとしたが片手で消しゴムを使うのが難しかった。
色々試した結果、ペン型の消しゴム(下記みたいなもの)だと消しやすいことが分かった。




あくまで身体障がいの方に行った一例なんですが、こんな感じで、色々考えてどうやったら仕事がしやすくなるか本人と行っていくのって結構楽しいんですよね(笑)



個人的考察

他にもサイズごとにジャンバーや軍手、ハンガーの色を変えるとか、野菜の袋詰めをしやすいように下敷きを使うとか、秤はデジタルとアナログのどちらも用意するとか、秤の数字が読めなくても付箋を貼ってそこに合えばOKにするとか、クリアファイルをくりぬいてシールを貼りやすくするガイドを作ったりとか、色々な方法があるかと。
そういえば、最近うちのスタッフが半側空間無視(左右どちらかの空間が見えているけど注意がいかず認識できないこと。左側の場合が多い)の方が、左右で行う作業が出来なくて上下に替えて行えるようにしたら出来るかも…!となって試行錯誤していましたね。良い支援しているな~と思いました。