障がいを開示して働くべきか非開示に働くべきか?オープン・クローズのメリット・デメリットを見てみよう!
就労移行支援を筆頭に就労系サービスでは、目標の一つとして、一般就労を目指すという物がございます。
その過程の中で、よく悩まれるのが障がいを企業に伝えて働くか、障がいを企業に伝えないで働くかです。
巷では、
- 開示・非開示
- オープン就労・クローズ就労
などと呼ばれたりしますな。
んで、就職活動を支援している際に、それぞれのメリットデメリットって何があるの…?と聞かれるわけですよ。
また良く聞かれることとして、
- クローズ(非開示)で就職してもバレることってあるの…?
- バレたら、クビになるの…?
って質問もされたりしますな。
障がいを開示して働くべきか非開示に働くべきか…?オープン・クローズのメリット・デメリットを見てみよう…!
それでは早速見ていきましょうか。
まずは障がいを開示(オープン就労)した場合のメリットです。
- 障がい者求人への応募が出来る…!:ハローワークでは「障害のある方のための求人」という障がい者専用の求人がありまして、障がい者として登録しておくと応募が可能となります。もちろん「一般求人」と書かれている方も応募は可能です。更に最近では民間の求人サイトでも障がい者枠の求人は増えておりますので、それらに応募できるのもメリットと言えましょう。
- 自分の障がい特性を説明できる…!:求人応募を行う際に書類や面接の段階で企業に自分の障がい特性を説明できることはメリットの一つ。内定をもらって入社した後、こんなはずじゃなかった…!ってのをお互いに防げますからな。また企業も配慮事項や対策をまとめて、本当に働けるか吟味し、また、長く働ける準備が出来るのも大きいかと。
- 障がいがバレたらどうしよう…という不安がない…!:障がいを隠して就職したら場合、バレたらどうしよう…って不安が常に付きまといます。このメンタルへの影響、慢性ストレスはなかなかバカにできないんですな。また、これにより新たに精神障がいを発症するなど二次障害リスクも高まるので、それと無縁な就職を希望する方は開示(オープン)で就職されるのがよろしいかと。
- 通院や服薬、突然の体調不良について配慮が得られる可能性が増す…!:障がいをお持ちの方の中には、定期的な通院や服薬のある方がおります。また、突然の体調不良による、欠勤、遅刻、中休憩、早退が起こることもあるんですな。これらが頻回すると、障がいがバレるかも…という不安につながることも。それらを回避するために開示(オープン就労)して就職するのはアリかと思います。
- 障がい特性の理解を得られ長所を活かせる…!:障がいを開示して就職した場合、障がい特性に合わせて仕事の割り振りや切り出しなどをしてもらえる可能性が高まります。また、苦手なことへの配慮も得られることもメリットの一つかと。
- 障がいの配慮が受けられる…!:上記と被る部分はありますが、働く上での様々な障がいの配慮が受けられるのも魅力の一つ。例えば柔軟な働き方や作業内容など、企業と一緒に考え、調整していけるにはオープン就労の大きなメリットですね。また上司や同僚などからフォローを受けられるのも大きいかと。
- 様々な支援制度が受けられる…!:障がいをオープンにしていた場合、例えば、オープンで就労移行支援から就職したとすると、職場定着支援を受けられ、一定期間後、就労定着支援を受けられ、更に一定期間後、障害者就業・生活支援センター(なかぽつ・中ぽつ・しゅうぽつ・就ぽつ)を受けられるといった感じで、長く働けるよう、支援者のフォロー・サポートを受けられるのは魅力的かと。また、ジョブコーチ支援を受けられるのも魅力の一つ。
- 職場定着率が高い…!:JEED(ジード)の報告にもあるように障がいの非開示に比べ、開示した場合の職場定着率は高いという特徴がございます。長く働ける可能性が高まるのも魅力の一つですね。
- 産業医に相談しやすい…!:大きな企業になると産業医が常駐しております。そして開示していると産業医に相談しやすくなるんですな。そこから上司などに連絡が行き、働き方の調整が出来るパターンも。
- 年末調整で「障害者控除」が受けられる…!:年末調整には「障害者控除」ってのがありまして、これを申請すると、住民税や所得税の優遇を受けられるんですな。税金を少なく払うだけで済むってのは嬉しい話かと。
- 「傷病手当金」が申請できる…!:休職した時に受けられる申請として「傷病手当金」がございます。この傷病手当金を申請する時、申請書に医師の診断名が記載されるんですな。実はこれで会社に障がいがバレる可能性があるんですよ。そんな不安と無縁に働け、何かあった時に安心して傷病手当金を申請できるのはメリットかと思います。
- 助成金制度を利用できる可能性がある…!:これは本人ではなく企業のメリットになるんですが、法定雇用率達成や様々な助成金を受けられる可能性があります。
次は障がいを非開示(クローズ就労)した場合のメリットを見てみます。
- 求人の絶対数が多く就職しやすい…!:ハローワークの一般求人と障がい者求人の数を見た時に圧倒的に多いのは一般求人です。特に地方都市や田舎に行けば行くほど、その差にビックリする事でしょう。また正社員の求人も一般求人が非常に多く、対して障がい者求人は非常に少ない感じです。そのため求人の選択肢が広がるのはクローズ就労の魅力の一つかと。因みに民間求人でも同じく一般求人の方が圧倒的に多い形となっております。そして求人数が多い為、自ずと就職しやすいと言うメリットもございます。目標達成が一気に近づくのは魅力的ですよね。
- 職種・業種などが多い…!:求人数が多い為、自ずと選べる職種・業種も多くなります。障がい者求人はその性質からどうしても特定の職種・業種になりがちですからね。そんなことを気にせず選びたい方にはおすすめかと。
- 色々な仕事を行える…!:上記と被りますが、障がいがあると、どうしても無理させられない、この仕事は厳しいか…などと思われ、もっとこういう仕事がしたい、出来るという気持ちが採用されないってことがございます。こういった時に障がいの枠にとらわれず、他の方と同様に仕事を与えられるのは魅力的かと。
- 給与や待遇などの幅が広い…!:残念ながら障がい者求人よりも一般求人の方が、圧倒的に給与面や待遇面、福利厚生面が良い場合が多いのが実情です。そのため、このような選択肢が広いのもクローズの魅力と言えましょう。
- 障がいを知られずに済む…!:当たり前ですが、クローズ就労の場合、就職先の企業や上司、同僚などに障がいが知られることはありません。知られたくない人にとっては大きな魅力かと。
- 障がいの配慮なしで働ける…!:障がいの配慮がなくても働けるという自信がある方にとっては魅力的と言えましょう。なんせ他の人と同様の仕事や待遇が受けられますからな。
続いて障がいを開示(オープン就労)した場合のデメリットを見てみますかー。
- 就職が決まりづらい…!:障がい者求人は少なく、また職種や業種も限られるため、希望の求人は自ずと少なくなります。結果、希望の求人が出るまで時間を要する場合がございます。また、その中で応募し内定を得なければいけない為、就職活動で苦戦することは多くなるんですな。更に就職活動が長期化するとモチベーションの低下や焦りにもつながるため、この辺はデメリットと言えるかと。
- 仕事内容が限定される…!:障がいを開示している場合、どうしても仕事内容が限定しがちになります。また、同じ仕事をすることが多く、新しい仕事、難しい案件にどんどん挑戦していきたい人にとっては、手持ち無沙汰になることも。
- 障がいを知られる…!:障がいを開示して就職する為、当然、企業や上司、同僚は障がいを知ることとなります。知られたくない…!って方はデメリットになるかと。
- 障がい者・障がい者雇用での特別扱いをされるかも…という不安がある…!:難しいもんで、障がいを開示して就職した場合、障がいの理解を得られ、安心できるものの、その代りに、障がい者・障がい者雇用での特別扱いをされるかもという別の不安が浮上する事もあります。どっちの不安を取るかは人それぞれの為、これがデメリットになる事もあるかと。
最後に障がいを非開示(クローズ就労)した場合のデメリットを見てみます。
- 障がいを隠していることへのストレスに常にさらされる…!:障がいを隠して就職していること自体、違法ではなく、問題はないんですが、バレたらどうしようという不安は常に付きまといます。そしてそれは慢性ストレスとなり、心身ともにダメージを与え続けるんですな。このダメージは結構ヤバいんでデメリットと言えましょう。
- 障がいを知られた時に対応が必要…!:クローズ就労は障がいを隠しているため、知られた際の対応策を考えておく必要があります。バレることなんてある訳ないじゃん…!って思うかもしれませんが、実際、苦しくて自分から言ってしまう、隠している罪悪感で言ってしまう、申請や手続きでバレてしまう…なんてパターンがあるんですな。そのため対策は必須かと。
- 通院や服薬がしづらい…!:定期的な通院による休み希望や服薬をしていると、上司や同僚に聞かれる可能性があります。結果、障がいの事を話すことになるパターンがございます。そこから関係がギクシャクしちゃうなんてことも。
- 疲労や休憩など障がい特性上の配慮が受けられない…!:障がいを隠している為、当然、開示した場合の配慮は全て受けられません。どんなに辛くてもやるしかないというプレッシャーはきついかと。
- 残業や休日出勤、夜勤などの指示がある場合も…!:繁忙期を含め、他の人が残業や休日出勤、夜勤をしているときには、自ずと行わなければいけません。障がいを開示している場合、理由を伝えておくとその辺の配慮を受けられる可能性が高まりますが、非開示ではそれが出来ないのも痛いところ。
- 難しい仕事もやらなければいけない…!:障がい特性上難しい仕事でもやらなければいけないことが起きます。業務内容も選べず配慮も得られません。そして出来ない場合、障がい特性を伝え、理解してもらうこともできません。結果、二次障害になるケースもあるんで注意が必要かと。
- 障がいの理解者・サポートや相談相手がいなくて孤独を味わう…!:クローズ就労のきついところの一つとして、職場には誰一人理解者はいない、故にサポートも受けられないし、相談もできない…という孤独感に苛まれます。そして問題が起きても自力で解決する必要も出てくるんですな。「友達・友人はどれだけ大事なのか?孤独・孤立はどれだけヤバいのか?」の記事でも書いた通り孤独感ってのは相当ヤバいんでこれと働きながら闘っていくのは相当な覚悟が必要かと。
- 職場定着率が低い…!:再掲になりますが、JEED(ジード)の研究によると、いずれの障がい種別においても「障がい者求人による就職」→「一般求人での障がい開示による就職」→「一般求人での障がい非開示による就職」の順に職場定着率が低くなっているんですな。つまりクローズ就労は最も離職率が高いんですよ。就職は短距離走というよりはマラソンなんで、長く続けることが大事と考えると、この結果もデメリットと言えましょう。
- 年末調整で「障害者控除」が受けられない…!:こちらも再掲になりますが、年末調整には「障害者控除」ってのがございます。これを申請すると、管理している担当者に障がいがバレます。そこから上司に報告が行き…って感じで連鎖的にバレるんですな。そのため、会社に知られないよう、年末調整では申請せず、確定申告で自ら還付手続きを行う必要があるかと。余談ですが昔、労働局の方とお話したとき、このパターンって意外と多いんですよね~と言ってました。
- 「傷病手当金」が申請できない…!:こちらも再掲になります。休職した時に受けられるのが「傷病手当金」です。ただ、こちらを申請する際、申請書に診断名が記載されるんですな。また傷病手当金と障害年金は同時に全額を受け取ることが出来ない決まりになっており、支給額の調整が入るため、そこから管理している担当者に障がいがバレます。結果、上司に報告が行き…って感じで連鎖的にバレるんですよ。以上から「傷病手当金」の申請には相当の注意が必要であり、休職して心身ともに疲れているときに、気を回すことになるのはデメリットと言えましょう。
もちろんこの他にもメリットデメリットはあるでしょうし、異論がある方もいることでしょう。その辺も踏まえてお読みいただけると幸いです。
就職する場合の障がいの開示(オープン就労)・非開示(クローズ就労)とメリット・デメリット一覧表
上記をまとめた「就職する場合の障がいの開示(オープン就労)・非開示(クローズ就労)とメリット・デメリット一覧表」を作りましたんで、欲しい方は下記からダウンロードしてください。PDFが見られん…!って方は以下の画像をどうぞ(クリック又はタップで拡大できます)
よろしければ支援でお使いください…!
個人的考察
クローズ就労をして障がいがバレたからといって、それのみを理由にクビになることはありません。
但し、信頼や信用ってのは確実に落ちますし、残念ながら、業務の成果などによってはそれを理由に異動や退職になるケースもございます。
また、私の体験ながら、上記の通りクローズ就労は、オープン就労に比べて圧倒的に職場定着率が低いんですな。その為、個人的には開示して就職をおすすめしております。
因みに障がいを開示して就職する場合、障がいの自己理解、障がい特性の説明や配慮事項をまとめておくことがポイントになるかと。
具体的には、厚生労働省の就労パスポートが使えると思いますんで、気になる方はリンクからクリック又はタップして見てみてください。
それと最後に非開示で就職する方は、それの対策を事前に作っておくのが効果的。具体的には、
- 障がい特性の対応策を決めておく
- コミュニケーションスキルを上げておく
- ストレス対策をしておく
- クローズでも安心できる福利厚生のある企業を選ぶ
- 無理しないで働ける、柔軟な働き方が出来る企業を選ぶ
- 希望休や有給休暇の取得がしやすい企業を選ぶ
などを行っておくとよろしいかと。
繰り返しになりますが、大変なんでオススメはしませんがね…。
参考文献
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm

