いよいよ少しずつコロナワクチンの接種が浸透しつつある昨今。感染もなかなか収束しないのでやっとこさ自分の番がきたか…!って人は多いのではないでしょうか…?
…っとここで、皆さん気になるのがコロナワクチンの副反応でしょう。無症状に近い方もいれば、重い反応で何日も動けない方もいるみたいで、人によって反応さまざまでなかなか不安になりますよね…。
そこで、今回は過去30年間のワクチン接種の研究を見直して、なるべくコロナワクチンの有効性を高め、副反応を軽減するための効果的な心理的&行動的対策を調べた研究についてご紹介しておきます。
因みに時間がない方は下の方にある「コロナワクチン接種前にここだけは見て実践してほしい…!」だけでも見ておくとよろしいかと思います。



過去30年間のワクチン研究を応用してコロナワクチンの有効な心理的対策と行動的対策を考えてみた…!

2021年のオハイオ州立大学レビューによると、過去30年間のワクチン接種の研究49件を選んで見直しして、なるべくコロナワクチンの有効性を高め、副反応を軽減するための効果的な心理的&行動的対策を調べてみたそうな。
B型肝炎やインフルエンザウイルス、肺炎球菌、腸チフス、C型髄膜炎、A型肝炎などのワクチン接種研究を見直しして、有効な心理的対策と行動的対策を新型コロナウイルスのワクチン接種にも応用できないのかと考えてみたわけですね。
これは是非ワクチン接種前に押さえておきたい…!
では早速見ていきましょう…!



ワクチンによる抗体獲得を邪魔する最大の要因は慢性ストレス…!

まずはコロナワクチンの抗体獲得を邪魔する要因から見ていきましょう…!
まずワクチンってのは自分の体になるべく無毒化したウイルスを入れ抗体を獲得してもらうのが主な目的なんで免疫が下がる行為はNGとなっております。つまり、少しの苦痛で体が逆に元気になるホルミーシスを使うわけですね。
んで、レビューによれば、ストレス、うつ病、孤独、不安などは、ワクチンに対する免疫系の反応を損なう可能性がかなり強いとのこと。更に高齢者などは特にその効果が高いそうなので、要注意みたい。
レビューに載っていた研究をいくつか挙げておくと、

  • 1992年のB型肝炎ワクチンの免疫反応を調べた研究では、参加した医学生全員が最終的に抗体を獲得した。しかし抗体獲得までの時間はストレスや不安の大きい人の方が長くかかった
  • 1996年の長期認知症の配偶者の介護者とそうでない介護者のインフルエンザウイルスワクチンの反応を比較した研究では、24時間のケアを必要とする認知症の介護者はそうでない介護者に比べ、慢性ストレスにより、抗体反応を示す割合が低かった=抗体ができにくかった(24時間介護者が38%に対し、そうでない介護者は66%が反応した)
  • 2000年の肺炎球菌ワクチンの研究では、認知症のケアなどで慢性ストレスがある人は、ワクチン接種後、3ヶ月~6ヶ月で相対的な低下を示し、抗体レベルを維持できなかった=抗体反応が低下した

といった感じ。
因みにこの心理的要因は、ワクチン関連の副反応の発生率と重症度にも関係しており、調査結果は多くのワクチン研究に共通していたので、おそらく、コロナワクチンも同じじゃないかと研究者は考えているようです。
更に研究者は​​「コロナフォビア」と呼ばれるコロナへの恐怖心が、うつ病や不安障害を引き起こしており、また、パンデミックも不安や抑うつを引き起こしやすい。これらのストレス要因は、免疫システムに悪影響を与え、抗体獲得・維持や感染症を回避する能力を下げる可能性があるとしており、コロナによる恐怖心やパンデミックが更なるうつ病や不安障害を引き起こして、ワクチンの邪魔をしてしまう可能性があるんだということ。
でも、これはどうしようもないですね…。


そして、孤独の免疫機能を損なう力もかなりヤバいよ…!と研究者は申されております。レビューでは2002年のC型髄膜炎ワクチンの研究を取り上げておりまして、なんでも孤独な学生はそうでない学生に比べ、抗体レベルの低下がみられたそうなんですよね。理由は孤独を感じた人はストレスを感じてしまい、それが抗体反応の低下を起こしているんだそうです。以前に当ブログでも取り上げたとおり、孤独や孤立ってのはかなりヤバいんですが、まさかそのストレスがワクチンの抗体獲得にまで影響するとは何とも難しいですね…。



コロナワクチンの有効な心理的対策・行動的対策

ワクチン接種に於いて、ストレスや不安対策が重要だってのが分かったところで、まず、研究者は第一に健康的な生活を心がけましょうとおっしゃっております。
慢性ストレスのある人は、

  • 喫煙
  • 質の低い食事(ジャンクフード・加工食品など)
  • 質の低い睡眠
  • 座りがちな生活や運動の頻度
  • アルコールの乱用

など、健康的な行動をしていないことが多いそうです。


喫煙

例えばタバコについては2016年のメタ分析を紹介しており、喫煙者は非喫煙者と比較して、B型肝炎ワクチンに反応しないリスクが1.53倍だったり、2017年の研究から慢性炎症は、喫煙とワクチン反応の低下に関係性がありそうだとしています。なるべくワクチン接種の何日間だけでも禁煙した方が良さそうですね(ストレスは増えそうですが)


質の低い食事

食事の栄養面についてはワクチンの反応にほとんど影響を与えないかもしれないが、加工食品による慢性炎症や肥満による免疫系の能力の低下もあるため、気を付けた方が良いということでした。因みに食物繊維の摂取は、抗体反応を高めることができるそうなんで、野菜を積極的に食べていくのも対策になるかもしれないそうです。


質の低い睡眠

睡眠の免疫機能への影響は超大きいということで、ここは絶対落とせない対策ポイントの一つだと研究者は申されております。定期的な睡眠不足や睡眠障害と抗体反応の低下には関係性があり、2002年の研究では睡眠が1時間増えるごとに、抗体レベルが56%増加したなんて報告もあるそうです。そのため、ワクチン接種の前後はしっかり睡眠をとっておくのが重要と言うことでした。


座りがちな生活や運動の頻度

座りがちな生活や運動の頻度もワクチン接種の抗体獲得には超重要ポイントとのこと。研究者も運動は強力な免疫システムとより良いワクチン反応を促進すると太鼓判を押しております。例えば、

  • 2004年の研究では、少なくとも2年間、週3回以上定期的な有酸素運動を行った年配の男性は、過去2年間定期的に運動しなかった人と比較して、抗体反応が高かった
  • 2002年の研究では、週3回以上激しい運動(会話がやや困難になるぐらいの運動)を20分以上行った62歳以上の成人は中等度の活動性または座りがちな高齢者と比較してインフルエンザウイルスワクチンに対する抗体や免疫の獲得が多かった

ということで、運動もかな~り対策として良いみたいです。


アルコールの乱用

適度なアルコール摂取は、ワクチンに対する免疫応答を弱めることはないそうですが、だからといってたくさん飲むのはやめた方が良いみたいです。アルコールの乱用は免疫機能に害を及ぼすそうなんで、睡眠の質と合わせて考えるならワクチン接種の前後は飲まない方が良いでしょうね~。



コロナワクチン接種前にここだけは見て実践してほしい…!

ということで、研究者は特に、ワクチン接種の前に

  • 十分な睡眠をとる…!
  • 会話がやや困難になるぐらいの運動をする…!

の2つをおすすめしておりました。ワクチン前日に睡眠と運動を意識して対策するだけで免疫反応が良くなる可能性があるそうで、これらを行うことにより、ストレスを下げ良い状態でワクチン接種を迎えられるそうです。
また、研究者は他にもストレス対策として、


もストレス対策に超有効だから良いよ…!とオススメしております。



個人的考察

色々みてきましたが、研究者はワクチン接種前後に個人でできることはあると話しております。例えば、ワクチンの効果を下げるストレス対策は個人で可能ですし、研究では、心理的介入や行動的介入によりワクチンの反応が改善する可能性があるとしています。また、短期的な対策法の実践であっても効果が出るケースもあるということで、できるところから対策していくとよろしいのではないかと…。
少しでもコロナワクチンを受ける方の助けになれば幸いです。