日本が昔から食べてきたものの一つに大豆製品・大豆の発酵食品ってのがございます。
例えば、先週紹介した豆腐がそうですし、味噌や納豆などもそうでしょう。
ではこれらの健康効果は如何に…?ってことで今回日本の国立機関が調べた研究がありますんでチェックしておきます。



大豆製品・大豆の発酵食品は健康に良いのか…?

2020年の国立がん研究センター前向きコホート研究によると、大豆製品・大豆の発酵食品と死亡リスクの関係について調べてみたそうです。
皆さんもご存知の通り、伝統的な日本食ではよく大豆製品・大豆の発酵食品が食べられます。例えば、納豆とか味噌とか豆腐とか油揚げなんかですね。これらが全死亡リスクや原因別の死亡リスクと関係あるのか今回チェックしてみたんだとか。
この研究は2つの実験を行っておりまして、内容はこんな感じ。

【実験1】
  • 1990年に開始、1995年に追跡調査
  • 最終的に2012年12月31日(例外として1つの地域のみ2009年12月31日)まで追いかけ続けた
  • 日本全国にある保健所から選ばれた5か所
  • 対象者の年齢は45歳から64歳

【実験2】
  • 1993年に開始、1998年に追跡調査
  • 最終的に2012年12月31日(例外として1つの地域のみ2009年12月31日)まで追いかけ続けた
  • 日本全国にある保健所から選ばれた6か所
  • 対象者の年齢は45歳から74歳

また両方の実験で参加者にアンケートを行い、食事スタイルやライフスタイル、健康状態なんかを聞きつつ、死亡日・海外移住日・追跡期間最終日まで追跡したみたい。因みに大豆製品・大豆の発酵食品については、総大豆製品、大豆の発酵食品(納豆と味噌)、大豆の非発酵食品、豆腐の摂取量をチェックしております。
総サンプル数は92,915人(男性42,750人、女性50,165人)でして、そのうち亡くなった方は13,303人(男性8,370人、女性4,933人)、平均追跡期間は14.8年ということでした。
これらのデータを統計処理した結果、全死亡リスクとの関係は以下な感じになったそうです。

  • 年齢と地域で調整後、男女別に見てみたが、両方とも総大豆製品の摂取量と全死亡リスクはわずかに逆相関していた。但し有意差はなかった。
  • 総大豆製品の摂取量が最も多かった男性たちは最も少なかった男性たちに比べて、全死亡リスクが2%(HR0.98)低かった。
  • 総大豆製品の摂取量が最も多かった女性たちは最も少なかった女性たちに比べて、全死亡リスクが2%(HR0.98)低かった。
  • 年齢と地域で調整後、男女別に見てみたが、両方とも大豆の発酵食品の摂取量と全死亡リスクは逆相関していた…!
  • 大豆の発酵食品の摂取量が最も多かった男性たちは最も少なかった男性たちに比べて、全死亡リスクが10%(HR0.90)低かった…!
  • 大豆の発酵食品の摂取量が最も多かった女性たちは最も少なかった女性たちに比べて、全死亡リスクが11%(HR0.89)低かった…!
  • 年齢と地域で調整後、男女別に見てみたが、両方とも大豆の非発酵食品の摂取量と全死亡リスクは有意な関係がなかった。
  • 男性における大豆製品(納豆、味噌、豆腐)の摂取量と全死亡リスクは有意な関係がなかった。
  • 納豆の摂取量が最も多かった女性たちは最も少なかった女性たちに比べて、全死亡リスクが16%(HR0.84)低かった…!
  • 味噌の摂取量が最も多かった女性たちは最も少なかった女性たちに比べて、全死亡リスクが11%(HR0.89)低かった…!

次に原因別の死亡リスクとの関係は以下な感じになったそうです。

  • 総大豆製品の摂取量と、がんによる死亡リスクに有意差はなかった。
  • 納豆の摂取量が最も多かった男性たちは最も少なかった男性たちに比べて、心血管疾患による死亡リスクが24%(HR0.76)低かった…!
  • 納豆の摂取量が最も多かった女性たちは最も少なかった女性たちに比べて、心血管疾患による死亡リスクが21%(HR0.79)低かった…!
  • 大豆の発酵食品の摂取量が最も多かった男性たちは最も少なかった男性たちに比べて、心血管疾患による死亡リスクが18%(HR0.82)低かった…!
  • 大豆の発酵食品の摂取量が最も多かった女性たちは最も少なかった女性たちに比べて、心血管疾患による死亡リスクが11%(HR0.89)低かった。但し有意差はなかった。

つまりざっくりまとめると、

  • 大豆製品と死亡リスクは関係なさそう…。
  • 納豆や味噌など大豆の発酵食品は良さそう…!

って感じ。



個人的考察

こうなると大豆製品は健康に関係なくて、発酵食品が健康に良い…!って感じがしますね。



参考文献