今回は目標の立て方について書きたいと思います。


目標は大きく分けて2種類ある

目標は大きく分けて2種類あることを皆さんご存知でしょうか?
一つはアプローチ目標と言われるものです。もう一つは回避目標と言われるものです。
それぞれの要点をまとめると、

  • アプローチ目標→新しいものを手に入れる為の目標
  • 回避目標→嫌な事を避ける目標

となります。因みに、回避目標は達成し辛いためオススメできません。また、回避目標を選ぶ方はうつになりやすい人に多いので注意です。まず、目標を立てたい場合はアプローチ目標を立てるようにしましょう



目標の決め方

ハーバード大学のマクレランド教授の研究によると目標を決めるときは10個の目標を作り、優先順位をつけて2個のみに絞るのがいいそうです。
また、目標を立てるときは、

  • 現状把握してから目標を立てる
  • 達成:未達成=50%:50%にすると一番やる気が出る

とするといいそうです。つまり、現状把握後、最大・最小を決めて中間を取ると目標のモチベーションが一番上がるということですね。因みに目標を当てにかかって決めた場合は燃え尽きるパターンが多いんだとか。ひえ~。



目標は曖昧の方が良い…! 目標<プロセス…!

ここまで目標について書いてきましたが、そもそも目標って大事なのって話をしようと思います。よく自己啓発系で目標を「しっかり持て!」とか「はっきりした目標が大事だ!」なんて言いますがあれって実際どうなのでしょうか…?

2011年のユタ大学の研究によると、ラボ内で実験を2つ、準フィールドで実験を1つ、行ったそうで、目標に対して内受容感覚(呼吸や痛みなどの感覚)の鋭さや体力、ダイエットなどのパフォーマンスがどう影響するのかを調べたとのこと。結果は目標は曖昧な方が良かったんだそうな。
研究者曰く、人は曖昧な目標より正確な目標を好む。なぜなら正確な目標は安心感を与え、予測がしやすいからだ。しかし、実際には、正確な目標よりも曖昧な目標の方が個人のパフォーマンスを向上させることが分かった。
曖昧な目標は順応性が高く、自分が考える方向に解釈することが可能なため、ポジティブな感情を生み出し、パフォーマンスを向上させることができるからだとのこと。
バイアスを感じますな~。

つまり、目標は曖昧でOK、むしろプロセスを明確化するのが重要となりますね。また、目標を作ることに一生懸命になるよりも、プロセスを作る(ステップを作る)方が大事だとも言えます。プロセスをなるべく具体的にすることによってパフォーマンスが向上、更にモチベーションもアップするということですからね~。
因みにプロセスを明確化(具体化)して手を付けるのを早くすると、

  1. やらなくていい作業をとばせるので作業スピードがアップ…!
  2. 仕事が終わるスピードがアップ…!
  3. 楽にできる場所・方法に気付ける…!
  4. モチベーションがアップ…!
  5. 更に仕事が終わるスピードアップ…!

と、なっていきます。すばらしい…!
因みに遅くなる原因としては、プロセス(ステップ)が明確でないため、迷っていたり、悩んでいる時間が長くなってしまうからです。その結果、誘惑(スマホとか)に手を出してしまい、作業が遅く、スピードもダウン、モチベーションもダウンといった流れになってしまうのです。このことから目標よりプロセスに時間をかけていくのが大事だと言えます。



目標設定のコツ

2003年のミズーリ大学などの研究によると、目標を上手に設定するには以下を踏まえると良いそうです。

  • 目標と自分との関連はちょっとで良い…!
  • 重要度が自分にとってそれほど高くない…!
  • 具体的な目標はダメ。抽象的な目標にすべし…!
  • コンフリクト(目標の矛盾)に注意する…!
  • ゴール=お金にしない…!

ってことで、やりがちな方法は全て裏目に出るってことですね。



目標設定で気を付けるべき4つのポイント

ハーバードビジネススクールのエイミー・カディ教授が2014年のビジネスインサイダーに目標設定で気を付けるべき4つのポイントを載せておりました。
まず、カディ教授は冒頭で目標設定について以下のように述べられております。

  • 目標設定はメリットよりもデメリットを及ぼす可能性が十分にある。私たちは合理的な目標設定するのが本当に苦手だ。そして、不合理な目標を達成できないときは、不安になり、自尊心も下がってしまう

ということです。
目標設定は難しくて、失敗すると不安や自尊心に悪影響が出るなどデメリットが多いって話ですね。
んで、カディ教授は目標設定の効果に関する研究を行い、人々が目標設定で気を付けるべき4つのポイントをまとめたそうです。
これは参考になりそうですねー。では早速見ていきましょう…!


1. 目標設定は具体的過ぎても抽象的過ぎてもダメ…!

例えば、週3でジムに行く…!のような目標設定はあまり良くないそうです。というのもインフルエンザなどの病気にかかってしまい数日から1週間寝込む可能性があるってことなんですよ。
つまり何が言いたいのかというと、予定通りいかないことや邪魔が入り、目標や計画が狂ってしまう可能性があるってことです。そして、それに対応できない目標は成功率が低いのでやめた方が良いよーということでした。
一方で、就職する…!などのような漠然とした遠い目標を立てるのも、役に立たないので意味はないとのこと。
つまり、目標設定は具体的過ぎても抽象的過ぎてもダメってことですねー。


2. 回避目標ではなくアプローチ目標にせよ…!

カディ教授によると、私たちは目標設定をするとき、ついつい、自分自身の変えたいところや自分自身の嫌いなところに集中する傾向があるそうです。
しかし、これを目標にしてしまうと、自分自身のネガティブな感情が引き出されてしまうんだとか。結果、ほとんどの場合でやる気が下がってしまうみたいです。
例えば、ジャンクフードを食べるのをやめる…!みたいな目標だとダメだそうで、それよりも、より健康的な食事をする…!のような目標の方がやる気と楽観的な姿勢を維持できて良いということ。
つまり、回避目標ではなくアプローチ目標にした方が良いってことですねー。


3. 結果よりプロセスが大事…!

3つ目に気を付けるべきこととしてカディ教授は、例えば100マイルを歩くことに集中していて、常にその100マイルという距離だけ気にしていたら、進捗状況に意識を取られてしまい、結果、ほとんどの場合、意気消沈してしまうので気を付けましょう…!とおっしゃっております。また、自分が今いる場所とゴールを比較してしまうので、失敗のように感じてしまうそうです。
プロセスではなく、結果にばかり意識が言ってしまうのはやる気がなくなるのでダメってことですねー。
つまり、結果よりプロセスが大事で、そのためにも小さなゴール設定(セーブポイントは小まめに用意する)のが有効みたいですねー。


4. 自分の力でどうにかなる目標にする…!

最後に気を付けることとして、例えば、自分が仕事で昇進するつもりだとしたら、自分のパフォーマンスに関連することに沿った目標にした方が良いそうです。これは上司の考え方や社内の業務の変更など、自分でどうにもならないことは目標に含めないようにしようということです。
つまり、自分の力でどうにかなる目標にした方が良いってことですねー。


まとめとして、カディ教授は、大きな目標よりも小さな目標を設定し、常にプロセスに気を配るのが大事だと申されております。そして、あまりストレスを引き起こさない目標から始めるのが良いともおっしゃっておりました。
確かにおっしゃる通りだと思います。

因みにカディ教授の当時の目標の1つが、距離やタイムを避けて、「ランニングに夢中になる」というものにしたんだそうな。そして、楽に会話ができるぐらいのペースから走り始めたそうです。
その結果、無理なく行え、自然とランニングのペースが上がっていったんだとか。また、目標が上手くいかず恥じることもなかったそうです。
一つ参考になる事例ではないでしょうか…?



組織の目標設定は「イメージしやすいか」が大事…!

2014年のペンシルベニア州立大学の研究によると、組織の目標を上手く作るコツについて調べてみたそうです。この研究では、まず、カリフォルニアにある病院を調べて病院内での目標ってどのようなものがあるのかを調査したらしいです。結果、目標はイメージしやすいものとそうでないものの2種類に分けることができたそうな。
その後、目標と病院の業績を比較してみると、

  • イメージしやすい目標設定の病院の方がイメージしづらい目標設定の病院よりも景気が良かった…!

とのこと。
理由は、業務に対する考え方が変わるそうで、なんでも、イメージしやすい目標は業務についてやるべき具体的なイメージが持てるらしく、結果、仕事に集中できるようになるんだとか。更に、この研究では目標設定の注意点も分かりまして、専門用語や数字は使わない方が良いそうです。
これらも合わせて覚えておきたいですね~。
ここで気を付けるべきは目標に数字は使わない方が良い…!って話でして計画や計画が順調に進んでいるか、前に進んでいるかなどをチェックする際はかなり有効です。この当たりは、ゲーミフィケーションのところやモチベアップには前に進んでいる感覚が大事…!ってところで書いた通りなんで、誤解のないよう、よろしくお願いします。



個人的考察

目標を作ることに時間がかかったり、やった気になったり、これが決まらないせいで先に進めなかったり、手を付けるのが遅くなったりするのは良くある話です。
ざっくりさっと目標を決めたらプロセスに時間をじっくりかける、そしてすぐ行動を起こすのがいいと思います。
因みに詳しい目標設定のデメリットを知りたい方は下記からご覧ください。