皆さん、支援をしている時このようなことに出くわしたことはありませんか…?

  • 精神障がいの方で自分が言われると傷つくことを他人に言ってしまう人がいる…。

これ、当事業所でもたまにあるのですが、なぜ起こるのか理由を知っていると支援の役に立ちます。
ということで、今回は精神障がいとコミュニケーションが上手くとれないことの関係性について書きたいと思います。



鬱症状は鈍感力が高まってしまう…!

先程挙げたようなことがなぜ起こってしまうのか…。結論からいうと鬱症状で鈍感力が高まってしまうからです。もちろんこの鈍感力は良い意味ではなく悪い意味での鈍感力です。鬱症状により他人の感情への対応が鈍ってしまう。簡単に言えば他人のことまで気が回らなくなってしまうということです。
これだけならいいのですが、実際は皆さんご存知の通り。
ここから他人を巻き込んで本人も鬱症状が悪化していきます。
何故かというと、

  1. 自分が言ったことで他人をネガティブにさせる
  2. 空気が読めない発言などで徐々に人間関係で孤立していく(しやすい)
  3. 自分は皆に嫌われていると考えてしまう
  4. 鬱症状悪化…!
  5. 更にネガティブな状態になって鈍感力が高まる
  6. 1に戻る

という悪循環が発動してしまうのです。これは辛い…。
更に大変なのは脱出しようとしてもがいてもなかなかこの負のループから抜け出せないということ。というのも、

  1. 鬱症状の人はデフォルトモードネットワークが小さい(メモリが小さい・空き容量不足
  2. 創造力が低下している
  3. 問題解決できない
  4. 悩む
  5. 結果、堂々巡りになる

と言った感じで要は反芻思考(ネガティブループ)なんですが、一人で悶々と考えているといつまでも結論がでなかったり、変な結論に至ってしまうのもそのため。
個人での解決はかなり難しいし、周りに助けを求めようとしても孤立してしまっているので求められないんですよね~。う~ん。やっぱり辛い…。



抜け出す方法はあるのか…?

鬱症状の悪化は性格やプライドなどの要因も混ざってくるのでなかなか難しいのが現状ですが、できることは、

  1. メタ認知(客観視)
  2. セルフコンパッション(あるがままを受け入れる)
  3. 上記を分かった上で支援者がバーンアウトにならない程度に継続的な支援をしていく(孤立させない)

ってところでしょうね~。自分自身での対策が1,2で、支援者ができるのが1,2を本人に進め、3を行っていくって感じです。3は特に重要でやっぱ支援者も人間なので傷つく事を言われると腹が立ったりとかもちろんするので(笑)こういう理屈が分かっていると、あ~これこれ。こんな感じで孤立するんだよな~って自分の怒りから一歩引けるんですよね~。要は支援者もメタ認知できるきっかけになります。



個人的考察

メタ認知には脱フュージョンが有効だと思いますので下記も合わせてご覧ください。