立って勉強したり、仕事をしたりすると良いって話があります。
いわゆる「アクティブワークステーション」ってやつでして、色々なメリットがあると言われているんですな。
そしてその中の一つにトレッドミルデスクと言うものがございます。
トレッドミルデスクはウォーキングマシンとスタンディングデスクを組み合わせた物のことを言いまして、1989年の研究によれば1988年に発明されたそうです。ただ2007年のメイヨークリニックの研究によると、商用として製造されたのは2007年以降とのことで、割と最近になって普及したみたい。
そんなトレッドミルデスクですが2012年のマイアミ大学の研究では理想的な速度は時速2.25kmとなっており、また以前に紹介した研究では時速3.2kmとなっておりました。おそらく歩きながら行う作業(仕事)に支障が出ないスピードであれば良くて、大体これぐらいのスピードが該当するんでしょうね。
では、その効果はどうなんだろう…?ってことでトレッドミルデスクの研究を見てみましょう。



時速3.2キロで歩きながら作業をすると生産性が10%アップし、コミュニケーションにも良い効果がある…!

ミネソタ大学の研究によるとトレッドミルデスクを使用して時速3.2キロのスピードで歩きながら作業(仕事)をしてもらうと、生産性が10%アップし、更に、同僚とのコミュニケーションにも良い影響が出たんだそうな。
10%はすごいですよね~。だって1時間で6分の生産性アップなんで6時間=7時間分の作業効率ってことですよね…!これはすばらしい発見…!更にコミュニケーションにも良い効果が出るなんてすごい…!
因みにこの実験では40名に協力してもらい1年にわたって調べたそう。サンプル数が多いか少ないかや期間については皆さんで判断してもらいたいところですが、個人的にはこれを初めて知った時導入してみたい…!って思いました(笑)



トレッドミルデスクでモチベ・覚醒度アップ…!退屈度・ストレス度ダウン…!

2014年のインディアナ大学RCTによると、デスクワーク中の「ながら運動」が心理面やパフォーマンスにどのような影響を与えるのか調べてみたそうです。
この研究はラボ内で行われたもので、参加者180人を以下の4グループにランダムに振り分けたんだとか。

  1. 座ってデスクワークを行う。
  2. スタンディングデスクでデスクワークを行う。
  3. エアロバイクでデスクワークを行う。
  4. トレッドミルデスクでデスクワークを行う。

併せて、退屈度、モチベーション、ストレス度、覚醒度、パフォーマンスをチェックしたみたい。またBMIや運動頻度も調べてみたそうな。
結果、

  • トレッドミルデスクでデスクワークを行うとモチベーションと覚醒度が高く、退屈度とストレス度が低かった…!
  • エアロバイクでデスクワークを行うとモチベーションとパフォーマンスが低かった…。
  • 上記はBMIや運動頻度に関係なかった…!

とのこと。
どうやら歩きながらデスクワークを行うと心理面に良い影響が出るみたいですね。逆に謎なのがエアロバイクがダメだったことでしょうか。勝手な想像ですが意識がデスクワークよりもエアロバイクに持って行かれるんですかね…?



トレッドミルデスクで記憶力・注意力がアップした…!

2015年のHECモントリオールの研究によると、トレッドミルデスクの使用による脳機能への影響について調べてみたそうです。
具体的にはトレッドミルデスクの使用後における、仕事のパフォーマンスに重要な記憶力と注意力についてチェックしたとのこと。
因みにトレッドミルデスクってのは以下のようなウォーキングマシン+スタンディングデスクの事を言います。


この研究は大学生18名を対象にしたもので、以下の2グループに分かれて電子メールを受信しながら読書課題に取り組んでもらったそうな。

  1. 座って課題に取り組む(9名)
  2. トレッドミルデスクで歩きながら課題に取り組む(9名)

課題終了後、参加者全員に座って記憶力と注意力のテストを行ってもらったみたい。
最後にデータを統計処理したそうで、結果、

  • トレッドミルデスクの人たちは座っていた人たちよりも記憶力が34.9%も高かった…!
  • 課題中の注意力に対する自己認識も有意に高かった…!

とのこと。
どうやらトレッドミルデスクは記憶力・注意力ともにプラスの影響があるみたいですね。



一方でトレッドミルデスクで記憶力・注意力がアップしなかった…って話もある…!

2015年のブリガムヤング大学の研究によると、トレッドミルデスクによる認知機能とタイピングへの影響について調べてみたそうです。
そもそもトレッドミルデスクを使うと、

  • 身体活動が大幅にアップ…!
  • カロリー消費量がアップ…!
  • 座り時間がダウン…!

って感じで、健康に良さそうなんですな。
また、スタンディングデスクやバランスボールといった他の物よりもカロリー消費量が多いみたい。
そんなトレッドミルデスクですが、認知機能とタイピングへの影響はよく分からない感じです。そもそも研究数が限られているという弱点がある上に、数学や読書のパフォーマンス、タイピングタスクが低下したって先行研究があるんですよ。一方で認知機能やタイピングに影響なし…!って先行研究もあって矛盾しているわけですな。ということで今回、トレッドミルデスクでの注意力、学習、記憶力、タイピング速度をチェックしてみることにしたらしい。
この研究は76人の健康な方が参加したもので、以下の2グループにランダムに振り分けたと言うもの。因みにパソコンの故障で1人がドロップアウトしております(かわいそう)

  1. 座りグループ:38人(うち女性17人)
  2. トレッドミルデスクグループ:37人(うち女性23人)

トレッドミルデスクのスピードは時速2.4km(時速1.5マイル)でして、両グループ共に認知機能テストとタイピングテストを行ってもらったそうな。因みにかかった時間は約45分だったそうです。
さて気になる結果を見てみましょうか。
トレッドミルデスクグループは座りグループに比べて、

  • 学習テストの成績が有意に悪かった…。
  • 但し短期及び長期の記憶力は差がなかった。
  • 処理スピード、注意力、ワーキングメモリのテストの成績も有意に悪かった…。
  • タイピングテストの成績も有意に悪かった…。

とのこと。
う~ん。こっちの研究では勉強や仕事のパフォーマンスに関してデメリットしか見当たらなかったみたいですね。残念。
但し研究者曰く、

  • トレッドミルデスクは座っている場合と比べて、一部の認知機能や微細運動のパフォーマンスをわずかに低下する可能性を示していた。しかし、パフォーマンスダウンは一般的な平均範囲内にとどまっている

とのこと。
許容範囲内なら過度に気にする必要はないですね(まぁパフォーマンスアップも期待できなそうですが)



スタンディングデスクとトレッドミルデスクの効果について系統的レビューを行ってみた…!

2015年のプリンスエドワード島大学の研究によると、スタンディングデスクとトレッドミルデスクの効果について系統的レビューを行ってみたそうです。
具体的にはスタンディングデスクとトレッドミルデスクを使った場合、肥満や糖尿病、心血管疾患などの慢性疾患リスクの予防や改善に効果があるのか、心理面への影響はあるのかをチェックしたらしい。
ということでまず研究者たちは、2013年6月までに発表されている該当研究をMedline、PubMed、PsychINFO、SPORTDiscus、CINAHL、コクラン、EMBASEで検索してみたそうな。続いて検索にヒットしたものを該当基準と除外基準に照らし合わせていったみたい。
すると23件の研究をピックアップできたんだとか。
この23件の研究の内訳は、


って感じで、あんまり質の高い研究はなかったそうです。まぁ、この手の研究だと仕方ないですな。
んで、先行研究の結果をまとめてみたポイントはこのようになっておりました。

  • スタンディングデスクとトレッドミルデスクはどちらも、定期的に使用することで健康リスクの予防・改善が期待できた…!
  • 但し、トレッドミルデスクの方がスタンディングデスクよりも効果が高かった…!
  • 具体的には、食後の血糖値、善玉コレステロール、体重などの結果がより改善していた…!
  • これはトレッドミルデスクの方がスタンディングデスクよりも、より長く立っていられるから、ただ立っているよりも歩く方が負荷が大きいからの可能性があった…!
  • 但し、スタンディングデスクもトレッドミルデスクも仕事のパフォーマンスにはほとんど影響がなく、幸福感の改善に関してはバラバラな結果だった…!

やっぱり立っているより歩いている方が健康効果を受けられやすいみたいですね。それとこの系統的レビューでは生産性への影響はほとんどなかったみたい。



各アクティブワークステーションのメリットについて系統的レビューを行ってみた…!

2019年のモントリオール大学の研究によると、各アクティブワークステーションのメリットについて系統的レビューを行ってみたそうです。
アクティブワークステーションってのは仕事中などにながら運動が出来るようにしたもので、スタンディングデスクやトレッドミルデスク、デスクバイクなんかのことを言います。
…と言ってもなじみのない方にはよく分からんと思いますので、下記に参考画像を挙げておきますね。


んで、先行研究によりこれらを使うことで、

  • 座りっぱなしの時間を減らせる…!
  • 仕事の生産性(パフォーマンス)を維持できる…!
  • カロリー消費量を増やせる…!
  • 高血圧を予防・改善できる…!
  • 腰痛を予防・改善できる…!
  • ポジティブになれる…!
  • 認知機能を高められる…!

かもしれないんですな。
そんなアクティブワークステーションですが、それぞれの違いによる効果についてはあんまりよく分かっていないらしい。そこで今回、デスクバイク・トレッドミルデスク・スタンディングデスクそれぞれの効果についてメリットをまとめてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2018年3月13日までに発表されている該当研究をCentral、Embase、PubMed、Web of Scienceで検索しまくったそうな。すると2,102件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複している物を除きつつ、基準を満たす質の高い研究をピックアップしていったらしい。
最終的に12件の研究が基準を満たしたそうで、これらの研究結果を各アクティブワークステーションごとにまとめてみたそうです。
では結果を見ていきましょう。
まずはデスクバイクからです。

  • デスクバイクを20~30Wで漕ぐとスタンディングデスクよりMETs(代謝当量)の2倍カロリー消費量がアップしていた…!
  • 他の研究ではデスクバイクはスタンディングデスクよりカロリー消費量が10%アップしていた…!
  • デスクバイクで肥満と高血圧予備軍の成人の歩行時の血圧がダウンしていた…!
  • デスクバイクで拡張期血圧(最低血圧)がダウンしていた…!
  • デスクバイクを20~30Wで漕ぐと心血管代謝にプラスの影響があった…!
  • デスクバイクを1時間中10分間漕ぐだけでは座りっぱなしのデメリットを上回れなかった…。
  • デスクバイクはスタンディングデスクよりも覚醒度をアップさせ、退屈さを大幅にダウンさせていた(=生産性がアップしていた)…!
  • デスクバイクはスタンディングデスクやトレッドミルデスクよりも短期記憶と注意力をアップさせる可能性があった…!
  • デスクバイクはスタンディングデスクやトレッドミルデスクよりも単純作業の処理スピードがアップしていた…!

次にトレッドミルデスクのメリットを見てみましょう。

  • トレッドミルデスクの時速が1.6~2.5kmの時、スタンディングデスクや座りっぱなし(1.5METs)よりも約1METsカロリー消費量が高かった…!
  • 更に強度を上げると(時速3.2km)、デスクバイクを30Wで漕ぐのと同じカロリー消費量になった…!
  • 但し時速3.2kmになると不快感が出てきた…。
  • トレッドミルデスクで収縮期血圧(最大血圧)はダウンしたが、拡張期血圧(最高血圧)は変化がなかった。
  • トレッドミルデスクはスタンディングデスクに比べて、作業ストレスの軽減、覚醒度のアップ、退屈さのダウン、作業の満足度がアップしていた…!
  • トレッドミルデスクを使うとタイピングやマウスの操作パフォーマンスがダウンしてしまった…。
  • トレッドミルデスクの時速が3.2kmの場合、スタンディングデスクやデスクバイクよりも腕の筋肉活動が大きくなっており、これは姿勢と歩行を安定させるために体幹や腕の筋肉を使っている為であった。そしてこれがパソコン操作への悪影響をもたらしていると考えられた…。

最後はスタンディングデスクのメリットになります。

  • スタンディングデスクで座り時間が減りそうだった…!
  • 結果、血糖値や血圧が改善していた…!
  • スタンディングデスクは座りっぱなしの腰痛予防になっていた…!
  • スタンディングデスクはトレッドミルデスクと違い、タイピングやマウスなどのパソコン操作パフォーマンスに悪影響をもたらさなかった…!

細かく見てみると、結構効果に違いがありそうですねー。
では研究者によるまとめを見てみましょう。

  • デスクバイク、トレッドミルデスク、スタンディングデスクの効果は違う可能性があった…!
  • デスクバイクとトレッドミルデスクはスタンディングデスクよりも、短期的な運動効果、健康効果が大きいっぽい…!
  • デスクバイク、トレッドミルデスク、スタンディングデスクは短期的な生産性向上効果があるっぽい…!
  • 但しトレッドミルデスクはタイピングやマウスなどのパソコン操作パフォーマンスに悪影響がありそう…。

より運動っぽさが増えるほど運動効果は高くなって、生産性は落ちていくみたいですね。まさにトレードオフ。その中でデスクバイクは一番バランスが良いみたいですな。
因みに認知や作業パフォーマンスがアップする理由は、立ったり、歩いたり、漕いだりする→脳に酸素が行きわたるって流れからとのこと。やっぱ運動は脳に良いんですね~。



個人的考察

勉強や仕事などのパフォーマンスアップ、生産性アップに使えるのかは謎ですが、とりあえず健康効果はあるのは間違いなさそうなんで、座りがちな人は使っても良いかもと思いました。

トレッドミルデスクは15~30万円ぐらいする高価な代物なんですよね~。う~ん。ほしい…。

因みに自分はトレッドミルデスクを持っていないのですが、調べ物をするときやブログについてどうしようか考えるときなどはジムのトレッドミルの上でスマホをいじって色々やるんですよね~。疑似トレッドミルデスクです。もちろん時速は3.2キロ(笑)

会社で仕事の効率を上げたいんで導入したいんですが、怒られそうなんで、せめてスタンディングデスクを導入できないかな~なんて思う今日この頃でした。