【まとめ】食べてよし、塗ってよしの万能オイル、それが「ココナッツオイル」!
肌に塗ると良い…!
2004年のマカティ・メディカル・センターの研究によると軽度から中度の皮脂欠乏症(乾燥肌)の方、34人を対象に二重盲検のRCTを行ったんだそうな。実験では乾燥肌に5mlのココナッツオイルを塗ったそうで、結果はミネラルオイルやオリーブオイルよりもココナッツオイルの方が肌の保湿力がアップしたということ。乾燥する今の季節にとって、ココナッツオイルは強い味方となりそうです。
更に2008年のフィリピンの研究によるとアトピー性皮膚炎の方にココナッツオイルを塗ったら、他のオイルを塗った方よりもはっきりと肌の状態が改善したという結果も。乾燥での肌荒れだけでなく、アトピーの方に効くのもうれしいですね~。
コロナでマスクを常用するようになり、季節もあって顔の肌荒れに悩む方も多いと思いますんでココナッツオイルを塗ってみてはいかがでしょうか…?
ダイエットに効果がある…!のかは微妙…。
ココナッツオイルはダイエットに最適…!って謳っていることも多いのですが、実際みてみると何とも微妙な感じなんです…。というのも、1999年のマギル大学の研究によるとココナッツオイルを7日間飲んだら代謝量がアップしたそうなんですよ。これだけみると、おぉ…!ってなるんですが、実はこの話には続きがございまして、14日間飲み続けた場合は特に変化はなかったって結果がでたそうなんですよね。う~ん。微妙…。
更に2007年のボストン大学の観察研究によると毎日18gのココナッツオイルを90日間飲んでもらったんだとか。その結果は、
- インスリンの効きが良くなったので糖尿病の改善に役立つかも…?
- 善玉コレステロールがちょっぴり増えたので、コレステロール値の改善に役立つかも…?
- 中性脂肪は変化なし…!
という、これまた微妙な結果だったご様子。まぁ、観察研究なんで可能性程度の証拠ですが…。
一応、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸(MCTオイル)には、ホルモンバランスを保つ機能があるので、体脂肪を減らす可能性があったり、悪玉コレステロールを減らしてくれる可能性はあるんですが、なんだかパッとしない結果ですねー。
因みに短鎖脂肪酸にも似た機能があるので、ギー(バター)やレジスタントスターチの豊富な食材、アボカドなんかでも同様の効果が得られる可能性があったりします。
因みに短鎖脂肪酸にも似た機能があるので、ギー(バター)やレジスタントスターチの豊富な食材、アボカドなんかでも同様の効果が得られる可能性があったりします。
中鎖脂肪酸で脳力アップ…!
2004年のワシントン大学の研究によると、アルツハイマー病の人は、ブドウ糖を使う脳の能力が落ちているみたいだけど、中鎖脂肪酸(中鎖トリグリセリド=MCT)を飲んだら、ケトン体レベルが増えるから、高齢者の認知機能が改善するんじゃないか…?ってのを調べたそうです。この研究では、アルツハイマー病又は、軽度認知症のある患者20名を対象にしたそうで、以下のどちらかを飲んでもらったとのこと。
- 中鎖脂肪酸を含む飲み物を飲む
- プラセボの飲み物を飲む
結果、中鎖脂肪酸を含む飲み物を飲んだ患者さんたちの、ケトン体レベルがはっきりと増えたそうな。因みにこれは飲んで90分後にみられたそうです。
つまり、中鎖脂肪酸を含む食材を積極的に取り入れれば、ケトン体レベルがアップ、更に脳力アップ又は改善も見込める…!ってことですねー。これは素晴らしい…!
因みに中鎖脂肪酸は、
- ココナッツオイル
- MCTオイル
に多く含まれておりますんで、是非とも積極的に食べていきたいところです。
抗酸化作用・抗炎症作用がある…!
2014年のセント・トーマス大学の動物実験によると、ラットを使いココナッツオイルの抗酸化作用・抗炎症作用を調べてみたそうです。
この研究は、ラットに注射をしてわざと関節炎を起こしつつ、ヴァージンココナッツオイルを使ってみたそうな。
21日経過後に様子を見てみると、
- ヴァージンココナッツオイルの高いポリフェノール成分がパワーを発揮し、関節炎を和らげていた…!
- TNF-α(腫瘍壊死因子)やIL-6(インターロイキン6)、CRP(C反応性タンパク)といった炎症性サイトカインの発現も減少していた…!
- 抗酸化酵素が増加していた…!
とのこと。
ココナッツオイルの高い抗酸化・抗炎症力は慢性炎症対策に非常に使えそうですね。
髪のトリートメントにはココナッツオイルだ…!
2003年のMarico(インドの会社)の研究によると、ココナッツオイルはトリートメントとして使えるのか…?について調べてみたそうです。というのも先行研究で、いろんなタイプのくしで髪をとかしてもココナッツオイルを使えばダメージが減る…!って結果が出ているんですよね。なら、トリートメントにも使えるんじゃないかと調べたのが今回の研究になります。
具体的には以下の3つのオイルを使って比較してみたそうです。
- ココナッツオイル
- 鉱物油(石油由来の油)
- ヒマワリ油
因みに鉱物油とヒマワリ油が選ばれた理由は以下な感じ。
- 鉱物油(石油由来の油):インドで広く普及しているから(日本でも普及している)。べたつかない、安いから。
- ヒマワリ油:ヘアオイル業界で2番目に多く使われているから。臭いがないから。
んで、結果はこのようになっておりました。
- ココナッツオイルの保湿効果は、鉱物油やヒマワリ油よりも明らかに大きかった…!
- ココナッツオイルをトリートメント前後に使った場合、ダメージのない髪、ダメージのある髪の両方のタンパク質の減少を唯一大幅に減らしていた…!
- 鉱物油やヒマワリ油では、髪のタンパク質減少を抑えるのに全く役に立たなかった…!
つまり、ココナッツオイルの圧勝…!ってことですね。
そもそも髪の成分はほぼタンパク質なんで、こいつのダメージを如何に減らしつつ、減少を抑えられるかが髪にとって超大事なんですよ。
研究者もそこん所が勝敗を分けたと考えているみたいで、このように述べられております。
- これらの結果の違いはそれぞれのオイルの仕組みの違いによる可能性がある。ココナッツオイルはラウリン酸のトリグリセリドであり、毛髪のタンパク質との相性が非常に高く、分子量も低い直鎖状であるため髪の内部に浸透可能である。
- 対して、鉱物油は炭化水素であり、タンパク質との相性が悪い。そのため髪の内部に浸透してより良い結果を得ることができないだろう。
- ヒマワリ油の場合は、リノール酸のトリグリセリドではあるが、二重結合の場合が多く、髪の繊維に浸透しづらい。結果として、タンパク質の減少に良い効果を与えられない。
ということでトリートメントにはココナッツオイルを使ってみてはいかがでしょうか…?
因みに髪の長さによって使う量は変わりますが、短い人は小さじ4分の1ぐらい、長い人は小さじ半分ぐらいが基準になりそうです。但し、髪のダメージがひどい人は、短い人が小さじ1杯ぐらい、長い人は小さじ2杯ぐらいを基準にしてみると良さげ。
ダメージがある人は特に1〜2時間置いてから洗い流すと良いみたいなんで、髪の毛と相談しつつ使ってみると良いかもしれません。
その他の効果
この他にも、- 水虫に効くかも…?
- 乾癬に効くかも…?
- 虫歯の予防になるかも…?
って話もあったり。
個人的考察
一応書いておくと、ココナッツオイルは食べても体に悪いってことはなく、植物油よりはずっと良い物なんでそこは勘違いしないようにお願いします。あくまでダイエット効果はそれほど期待しない方が良いよ~程度の話なんで…。
それを踏まえると、ココナッツオイルのアジアンテイストな味や風味が好きな方は別として、やっぱ「食べる」に関して言えば、オリーブオイルのご使用をおすすめしたいですね~。
それと個人的に激しくおすすめしたいココナッツオイルの使い方はやっぱ肌に塗る方。余計な物が入っていない天然の保湿剤なんでココナッツオイルは超おすすめです(化粧品や市販の保湿剤はあやしい成分の宝庫)
因みに塗ってみると最初はココナッツオイルの香りがするんですが、時間が経つと香りはしなくなりますんで、臭いについても気にする必要はないかと思います(敏感な人は別ですが)。べたつきやテカリも私は気になりませんでした。
乾燥肌やアトピーなど肌トラブルでお悩みの方は試す価値ありって感じです。
ということで個人的な考察まとめは、
- 食べる→オリーブオイル
- 肌に塗る→ココナッツオイル
って感じです。
因みに私が使用しているココナッツオイルは毎度おなじみコストコさんで購入しているカークランドの物。Amazon等でご購入できますんで、気になる方はどうぞ。
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