【まとめ】超加工食品ってなに?デメリットって何なの?って話
当ブログでは加工食品をたくさん食べない方が良いよーって話を書いております。
んで、ここ10年ぐらい前から言われ出したのが「超加工食品」はヤバい…!って話。ブログ内の記事では、加工食品と超加工食品を大体同じ感じでご紹介していたんですが(実際研究でも混ざっている物が多い)、せっかくなんで、今回、超加工食品について見ておこうかと。
超加工食品ってなに…?
まずは超加工食品ってなに…?ってところから見ていきます。
今回参考にするのが2019年のサンパウロ大学の研究でして、こちらには超加工食品の見分け方が詳しく載っているんですよ。
ということで、超加工食品がどんなものを指すのかと言いますと、
- 原料が低コストの商品
- 賞味期限が長い商品
- ブランドを強調した商品
- 便利ですぐに食べられる商品
- 嗜好の要素が高い商品
となっております。
これをみてパッと思いつく物が皆さんあるかと思いますが、パンや菓子類、ジュース(ソフトドリンク)、カップめん、インスタント食品全般、レンチン食品、ジャンクフードなどですね。
次に超加工食品の見極め基準ですが、
- 自宅で調理する際、全く使わない、又はほとんど使わない原材料が入っているか…?
になります。
具体的には、
って感じ。
併せて、
- 口当たりや見た目などを良くする食品添加物も入っているか…?
ってのもポイントでして、具体例としては、
- 香料
- 風味増強剤
- 着色料
- 乳化剤
- 乳化塩
- 甘味料
- 増粘剤
- 消泡剤
- 賦形剤(増量剤)
- 炭酸化剤(炭酸飲料の元)
- 発泡剤
- ゲル化剤
- 艶出剤
が使われているものとなります。
まとめると、自宅で使わない原材料や食品添加物、つまり成分表のところによく分からん言葉がたくさん書いていればいるほど、超加工食品ってことですね。
超加工食品はカロリー密度が高い割に栄養素が少ないのが特徴なんで、こればっか食べていると、栄養素は足りないのに太っているみたいな状態になってしまうんですな。恐ろしい…。
超加工食品はすんごいスピードで世界の食糧事情を変えた…!西洋の総カロリー摂取量の50%が超加工食品…!子どもや低所得者だと70%が超加工食品…!なんて話もある…!
そんな恐ろしい超加工食品ですが、生産量と消費量はすんごいスピードで世界の食糧事情を変えております。
例えば2013年のサンパウロ大学の研究によると、超加工食品は世界の食品の主流になりつつあるんだとか。
また2020年のディーキン大学の研究や2017年のアラバマ大学バーミンガム校の研究を見てみると、その理由は、超加工食品が未加工食品や最小限の加工食品よりも便利でおいしく、安いからみたい。
その結果、
- 西洋諸国の総カロリー摂取量の約50%が超加工食品…!
- 子どもや低所得者の総カロリー摂取量の70%が超加工食品…!
って感じだったそうな。
意識していないと超加工食品ばっか食べることになりそうな世の中ってことですね。
初めて系統的レビューとメタ分析を用いて、超加工食品の消費量と認知症の発症率の関係を調べてみた…!
2023年のリバプール大学の研究によると、超加工食品の摂取と認知症の関係について観察研究の系統的レビュー・メタ分析で調べてみたそうです。
そもそも先行研究により超加工食品と認知機能低下には関係がありそうと出ておりました。そこで今回、初めて系統的レビューとメタ分析を用いて、超加工食品の消費量と認知症の発症率の関係を調べてみることにしたそうな。
まず研究者たちは、2022年12月24日にMedlineとWeb of Scienceを用いて先行の該当研究を検索してみたそうな。すると7,560件の研究がヒットしたとのこと。続いてこの中から重複しているものや質の低い研究を除外していったそうで、最終的には10件の観察研究がピックアップされたみたい。
因みにこの10件の観察研究の内訳は以下な感じでした。
また、全ての研究は教育、総カロリー摂取量、BMI、心血管疾患、年齢、性別などの変数も調整済みだったそうです。
それと食事についてですが、NOVAっていう基準に基づいて4つのグループに割り振ったみたい。ざっくり書いておきますと、
- NOVA1:未加工食品・最小限の加工食品
- NOVA2:料理の材料(油とか調味料)
- NOVA3:加工食品
- NOVA4:超加工食品
って感じ。
では結果を見てみましょう…!
- 超加工食品を最も摂取している人たちと最も摂取していない人たちを比べてみたら、全ての認知症発症リスクが44%(RR1.44)も高かった…!
- 超加工食品をまぁまぁ摂取している人たちと最も摂取していない人たちを比べてみたら、全ての認知症発症リスクに有意さはなかった(RR1.12)
この研究によれば、超加工食品を大量に摂取する生活を送っていると認知症リスクが高まるみたいですねー。但し、適度に摂取する分には統計的な有意差まではなかったと。
超加工食品で肥満リスクが79%アップ…!ウエスト肥満リスクが30%アップ…!5.6年の間にBMI、ウエスト周りの長さ、体脂肪率が5%以上増えるリスクがアップ…!
2020年のサンパウロ大学の研究によると、超加工食品と肥満リスクの関係について前向きコホート研究を行ってみたそうです。
実験期間の中央値が5.6年ってことなんで、5年半の間に肥満・ウエスト肥満になった人がこれだけいたってことですね。
とのことでした。
軽く復習しておきますと、超加工食品とは見た目からでは原材料が分からなかったり添加物が大量に使われている食品のことを言いまして、ソフトドリンクやスナック、お菓子、シリアルや加工パン、加工肉、レンチン製品やインスタント製品なんかが該当します。超加工食品は総じて非常に口当たりがよく、便利で、大容量で販売され、積極的に宣伝されていたりもするんですよね。
このように超加工食品は手軽に簡単にすぐ食べられておいしいと良い事尽くしな感じがしますが、食べると太りやすい…!っていう弱点がありそうなんですな。
例えば、
って感じで、ブラジルやアメリカ、カナダの横断研究から、スペインとブラジルの縦断研究と近年、軒並み肥満の原因だ…!って出ているんですよ。ではイギリスの場合はどうなんだ…?ってことで今回調べてみることにしたんだとか。
この研究はUKバイオバンクっていう大規模コホート研究のデータセットを用いたと言うもの。UKバイオバンクは2006年から2010年の間に参加者を募り、40~69歳の502,536人が参加したもので、その後2012年から2013年と2014年から2019年に再度チェックをしております。スタート時とフォローアップ時のチェック項目は、基本情報からライフスタイル、健康関連についてで、これらを自己記入式のアンケートで答えてもらったんだとか。
因みに超加工食品の摂取量は、24時間で食べたものを思い出してもらったとのこと。これらを食品の加工度分類「NOVA」に当てはめていったそうな。また肥満計測については、BMI、ウエスト周りの長さ、体脂肪率で調べたらしい。最後にデータを統計処理したそうです。
それでは結果を見ていきます。
まずは参加者情報から。
- 22,659人の参加者(女性52.1%、男性47.9%)が参加していた。
- 肥満とウエスト肥満の発生率の分析については、ベースラインで肥満じゃない人18,218人、ウエスト肥満じゃない人17,113人のデータに基づいて行った。
- 参加者のスタート時の平均年齢は55.9歳だった。
次に超加工食品の占める割合です。
- 食事全体から見た超加工食品の占める割合は48.6%だった…!
- スナックとデザートの占める割合は33%だった(ペストリー、パン、ケーキ、ビスケット、お菓子、スナック、ゼリーやプリンみたいなデザート)
- 超加工パンとデザートの占める割合は21%だった(ベーグル、バンズ(ハンバーガー用のパン)、ロールパン)
- 冷凍・常温保存可能な超加工食品の占める割合は16%だった(フライドポテト、ソーセージ、ナゲット、フィッシュフィンガー(魚のフライ)、その他の加工肉製品、ピザ、レンチン食品、インスタント食品)
- 飲料の占める割合は15%だった(乳飲料、ソフトドリンク、フルーツドリンク、フルーツジュース、お酒、砂糖入りコーヒー飲料)
- 調味料、その他の超加工食品の占める割合は9%だった(マーガリン、ソース、ドレッシング、グレイビーソース、チョコレートやナッツバター、チーズバター、甘味料)
- 朝食用シリアルの占める割合は6%だった(コーンフレーク、オートクランチ)
食事の約半分は超加工食品…!ってのを見ると、すごい割合ですよね。でも確かにこれぐらいは行きそうですな。
続いて肥満になった人がどれぐらいいたか見てみます。
- 追跡調査中に肥満(BMI=30kg/m2以上のこと)になった人は947人いた…!
- 追跡調査中にウエスト肥満(男性102cm以上、女性88cm以上)になった人は1,900人いた…!
実験期間の中央値が5.6年ってことなんで、5年半の間に肥満・ウエスト肥満になった人がこれだけいたってことですね。
それでは本題である超加工食品と肥満リスクの関係の結果です。
変数を調整後、超加工食品の消費量に応じて4グループに分けた結果、最も超加工食品を食べていたグループは、最も超加工食品を食べていなかったグループに比べて、
- 肥満リスクが79%(HR1.79)も高かった…!
- ウエスト肥満リスクが30%(HR1.30)も高かった…!
とのこと。
また、
- BMIが5%以上増えた参加者は3,871人だった…!
- ウエスト周りの長さが5%以上増えた参加者は5,981人だった…!
- 体脂肪率が5%以上増えた参加者は3,340人だった…!
らしく、変数を調整後、超加工食品の消費量に応じて4グループに分けた結果、最も超加工食品を食べていたグループは、最も超加工食品を食べていなかったグループに比べて、
- BMIが5%以上増えるリスクが31%(HR1.31)も高かった…!
- ウエスト周りの長さが5%以上増えるリスクが35%(HR1.35)も高かった…!
- 体脂肪率が5%以上増えるリスクが14%(HR1.14)も高かった…!
と有意差があったみたい。
更に超加工食品の摂取量が10%増えると、
- ウエスト周りの長さが5%以上増えるリスクが6%(HR1.06)も高かった…!
- 体脂肪率が5%以上増えるリスクが3%(HR1.03)も高かった…!
とのことでした。
まとめると、超加工食品を多く含む食事、つまり西洋スタイルの食事は、肥満リスクを79%、ウエスト肥満リスクを30%と有意に上げるし、5.6年でBMI、ウエスト周りの長さ、体脂肪率を5%以上増やすリスクもアップするみたい。
そのため、生鮮食品や未加工食品、最小限の加工食品を意識してとると肥満防止、体型維持、ダイエット成功に近づきそうです。
具体的には、
- 慢性呼吸器疾患(CRD)による死亡リスク
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡リスク
- 肺がんによる死亡リスク
についてチェックしてみたんだとか。
この研究はPLCOっていうデータセットを使ったもので、PLCOは1993年11月から2001年9月の間に参加した55~74歳のアメリカ人154,887人を対象にしたと言うものになっております。んでPLCOから使えそうなデータをピックアップしていったそうで、最終的なサンプル数は96,607人となっておりました。
このデータを統計処理したそうです。
ということで、まずは参加者の特徴をチェックしておきましょう。
- 96,607人中50,803人(53%)が女性だった。
- 平均年齢は65.6歳だった。
- 1日の食事全体に占める超加工食品の割合は31.2%だった。
- 5グループに分けると、一番少ないグループの割合は13.4%、一番多いグループの割合は52.7%だった。
- 超加工食品を一番食べていたグループは一番食べていなかったグループに比べて、カロリー摂取量が多い、運動量が少ない、社会的・経済的地位が低い、健康的な食事が少ない、炭水化物・脂肪・飽和脂肪・コレステロール・トランス脂肪酸の摂取量が多かった。
- 超加工食品を一番食べていたグループは一番食べていなかったグループに比べて、クッキー、パイ、デザート、加工肉、ソーセージ、ソフトドリンク、ポテトを使ったお菓子、塩のきいたスナック菓子をめっちゃ食べていた。
超加工食品メインの食生活をしている方の特徴は、でしょうね~って感じですね。
では本題である超加工食品の摂取と呼吸器疾患の死亡リスクの結果を見てみましょう。
- 中央値16.8年の追跡期間中に死亡した方は28,700人で、そのうち慢性呼吸器疾患で4,092人、慢性閉塞性肺疾患で1,536人、肺がんで2015人が亡くなっていた。
- 超加工食品の摂取量が多いと慢性呼吸器疾患で死亡するリスクが10%(HR1.10)もアップしていた…!
- 超加工食品の摂取量が多いと、慢性閉塞性肺疾患で死亡するリスクが26%(HR1.26)もアップしていた…!
- 超加工食品の摂取量が多いことと、肺がんで死亡するリスクは関係なかった(HR0.97)
どうやら超加工食品の摂取は、慢性呼吸器疾患と慢性閉塞性肺疾患の死亡リスクを高めるみたいですね。
またこの研究では用量反応関係(どれぐらい食べるとどれぐらいリスクがアップするのか)もチェックしてくれておりまして、食事全体に占める超加工食品の割合が5%増加すると、
- 全死亡リスクが9%(HR1.09)アップした…!
- 慢性呼吸器疾患の死亡リスクが12%(HR1.12)アップした…!
- 慢性閉塞性肺疾患の死亡リスクが17%(HR1.17)アップした…!
- 肺がんの死亡リスクが8%(HR 1.08)アップした…!
とのこと。
わずか5%で死亡リスクがこれだけアップするのはすごいですね。
わずか5%で死亡リスクがこれだけアップするのはすごいですね。
個人的考察
これらを見ると、意識して超加工食品を減らし、未加工食品や加工度の少ない食品を積極的に食べていきたいですな。