【加筆内容】高血圧対策を考えよう!後編「タンパクが大事!では動物性と植物性に違いはあるのか?編」
引き続き高血圧対策について見ていきます。今度は、高血圧にタンパク質が良さそう…!って話とじゃあ、動物性タンパク質と植物性タンパク質のどっちが良いの…?って話をご紹介します。
タンパク質を積極的に摂取すれば動物性・植物性を問わず有意に血圧を下げることが出来る…!
2012年のテュレーン大学の研究によると、タンパク質の摂取と血圧の関係についてRCTのメタ分析で調べてみたそうです。
そもそも高血圧は世界的に発症率が高く、心血管疾患リスクも同時に増えてしまうため、健康リスクを考える上で大きな課題となっております。
そして多くの観察研究では、タンパク質の摂取量と血圧には強い逆相関関係があることが示されているんですよね。但し、効果がないって研究もあって実際のところ、よく分かっていない感じでした。
そこで研究者たちは、成人におけるタンパク質の摂取量と収縮期血圧・拡張期血圧の関係をRCTのメタ分析で調べつつ、更に動物性タンパク質と植物性タンパク質の比較もしてみることにしたんだとか。
ということでまず1950年1月1日から2011年4月1日までに発表された、タンパク質と血圧のRCTをMEDLINE、EMBASE、Cochrane Library、Web of Scienceで検索してみたそうな。併せて、専門家への問い合わせ、関連するレビュー・系統的レビュー・メタ分析の参考文献も手動でチェックしたらしい。
すると1,701件もの研究が見つかったそうです。続いてこの中から、重複している研究や質の低い研究を除外したそうで、最終的には40件の研究が基準を満たしていたみたい。
この40件の研究の中には、44件の比較が行われていたそうで、内訳は、
- タンパク質と炭水化物の比較:32件
- 植物性タンパク質と動物性タンパク質の比較:12件
って感じだったらしい。
更に40件の研究の概要もチェックしておきましょう。
- 総サンプル数:3,277人
- サンプル幅:7人~352人(中央値61人)
- 実験期間:1週間~1年間
- スタート時の収縮期血圧(最大血圧):7件の研究は問題ない人を対象(120mmHg未満)、28件の研究は高血圧予備軍を対象(120~139mmHg)、4件の研究は高血圧の人を対象(140~159mmHg)
- BMI:2件の研究は正常な人を対象(18.5~25未満)、16件の研究は過体重な人を対象(25~30未満)、18件の研究は肥満な人を対象(30以上)
- 研究の国:世界13か国で日本の研究はなし(中国は1件あり)
- タンパク質の摂取量:1日20~66g(中央値40g)
- タンパク質の割合:12.6%~95%(中央値27%)
ざーっとみていくと、高血圧予備軍・高血圧の人、過体重や肥満の人を対象にした場合が多かったみたいですね。またタンパク質摂取量の幅は結構ありますが、1日の摂取量から見てみると、意外と少ないような印象を受けましたね。
ではこれらのデータを用いてメタ分析にかけてみた結果を見てみましょう…!
- 総タンパク質摂取量:炭水化物と比較すると総タンパク質摂取量を増やすと収縮期血圧が平均-1.76mmHg、拡張期血圧が平均-1.15mmHgも有意に変化していた…!
- 植物性タンパク質:収縮期血圧が平均-2.27mmHg、拡張期血圧が平均-1.26mmHgも有意に変化していた…!
- 動物性タンパク質:収縮期血圧が平均-2.54mmHg、拡張期血圧が平均-0.95mmHgも有意に変化していた…!
- 植物性タンパク質と動物性タンパク質を比較したが、血圧低下に有意差はなかった…!
つまり、タンパク質を積極的に摂取すれば動物性・植物性を問わず有意に血圧を下げることが出来ると…。動物性も植物性も差がないので考えず高タンパク…!って行けるのは良いですね。
個人的考察
ということで高血圧にお悩みの方は、主治医に相談しつつ、炭水化物をタンパク質に置き換えてみてはいかがでしょうか…?