前回は経緯の確認として、先行研究の結果からゲーミフィケーションでクリエイティブ性がアップするかも…!って話を見てみました。
しかしこれまでの研究では弱点もあったよ~ってことで今回、そこを踏まえた研究となっております。
それでは続きを見ていきましょう…!



クリエイティブ性の定義、6つのアイディア法、階層分析法(AHP)

実験の説明の前に、この研究でのクリエイティブ性の定義、6つのアイディア法、階層分析法(AHP)について見ておきましょう。まずは、この研究でのクリエイティブ性の定義ですが、

  • 斬新で有用なアイディアや製品を思いつく能力

としております。ここは皆が思うイメージ通りですね。
続いて、6つのアイディア法ですが、

  1. 拡散的思考
  2. バルーンコンテスト
  3. 焦点オブジェクト方法(MFO)
  4. 強制関係法
  5. SCAMPER法
  6. マンダラ思考

となります。
それではどんな方法か見ていきますかー。

  1. 拡散的思考1967年の南カリフォルニア大学の研究によると、拡散的思考はクリエイティブ性の重要な要素であり、評価するために広く使用されているのが代替用途テスト(AUT)なんだとか。また、2020年のライデン大学の研究では、この拡散的思考が多くのアイディアを生み出す思考スタイルを象徴しているらしい。因みに代替用途テスト(AUT)ってのは、ある物(ペンやクリップなど)の別な使い方を可能な限り考え多く挙げるみたいな感じ(よくある定番のアイディアが思い浮かぶかのテストですな)
  2. バルーンコンテスト:この研究のために今回オリジナルで考えた方法とのこと。座れる風船の椅子を考えてもらい、学生の創造力を刺激するようにしたんだとか。具体的には、限られた時間内に与えられた材料を使って特定の荷重に耐えられる風船オブジェクトを作るみたいな感じ。
  3. 焦点オブジェクト方法(MFO)1958年の書籍に出てくる焦点オブジェクト方法(MFO)は想像力や連想力、創造的思考力を高めるための方法とのこと。具体的には、メインとなるオブジェクトを決め、それと全く関係のない別のオブジェクトをランダムに選択し、それと組み合わせて新たな物を作る感じ。ブルートシンク法に近い考え方ですな。
  4. 強制関係法:強制関係法とは2016年のピッツバーグ大学の研究に載っている方法。強制関係法は焦点オブジェクト方法(MFO)と似ているが、メインとなるオブジェクトがない。つまり、無関係な2つのオブジェクトの特徴をランダムに関連付けて、新たなアイディアを生み出す感じ。こちらもブルートシンク法に近い考え方ですな。
  5. SCAMPER法1972年の研究によると、SCAMPER法は、S(substitute)代替、C(combine)組み合わせる、A(adapt)適応させる、M(modify)修正する、P(put to another use)別の用途に使う、E(eliminate)除去する、R(rearrange)並べ替える、の各頭文字をとったもので、新しいアイディアを生み出すための異なる方法を表しているそうです。また2015年のイスタンブール大学の研究により、SCAMPER法で創造的思考を刺激することが証明されているそうな。更に2017年のアジア開発銀行の研究を見てみると、学生は1つ又は複数の方法を使用するだけで、多くのアイディアを生み出すことができたらしい。
  6. マンダラ思考2021年の国立台湾師範大学の研究ではマンダラチャートと呼ばれ、また2014年の国立台湾師範大学の研究では9マスマンダラと呼ばれていたものがマンダラ思考です。当ブログでも過去に登場しましたよね。マンダラ思考は創造性を高めるための人気の方法でして、3×3マスの中段中央にトピックを書き、次に周囲の8つの3×3マスそれぞれに関連する内容を書き込んでアイディアを生み出す方法となります。因みに大谷翔平選手が書いたマンダラチャートはこのサイトでみられます。17歳でこれを書くなんてすばらしい…。

最後に階層分析法(AHP)についても見ておきましょう。

  • 階層分析法(AHP)1980年の研究を見てみると、階層分析法(AHP)は1971年にピッツバーグ大学のトーマス・L・サーティ教授によって開発されたものなんだそうで、多基準意思決定分析っていう、いろんな評価項目で複数の案を評価していき一番良い案を決める方法のことを言うそうな。因みに意思決定の場面で広く使われており、学生が使用するのに適したシンプルで効率的な意思決定方法とのこと。

バルーンコンテストを除き、5つのアイディア法はいずれも定番のテクニックなんで、アイディアが欲しいときの為に、ぜひとも覚えて使っていきたいですね~。また階層分析法も名前は知らんけど使ったことがある…!って方はいるのではないでしょうか…?



個人的考察

ということで今回はここまで。



参考文献

最後にまとめて掲載します。
気になる方は各リンクからどうぞ。