今回は別の対策を見ていきます。
実は当初、さらっと記事を書いて終わりにしようと思っていたのですが、近年、ここからの歪みが結構問題視されているんで「歪んだボディイメージとSNSの関係について見ていきましょうか」として、ご紹介していきます。



日本の小学生を対象にSNSとボディイメージの関係を見てみた…!

2025年の筑波大学横断研究によると、日本の小学生を対象にSNSとボディイメージの関係について調べてみたそうです。
そもそもSNSの利用が急速に拡大したことによって理想のボディイメージってのが大きく変わったそうな。なんでもSNSが流行る前の2000年代には、ボディイメージの情報源は主に、家族・友達、従来のメディアだったとのこと。例えば、家族や友人との会話やダイエット行動の影響、テレビやファッション誌なんかでスリムなモデルや芸能人が出てくるみたいな感じですな。
しかしSNSでそれらが一変したんだとか。確かにSNSにより、ボディイメージに焦点を当てたコンテンツやネガティブな投稿を見る機会が爆発的に増えましたし、アルゴリズムの関係で一度見るとそんな内容ばっかが表示され、結果、どんどん視野が狭くなってきてボディイメージが歪む可能性が増えたように感じますよね。
また2016年のフリンダース大学の系統的レビューによると、友人やテレビやファッション誌のモデルと比較するよりも、SNS上の他者で比較する方が痩せている理想のボディイメージを持ちやすい…!って出ているんですな。
そしてSNSの使用がボディイメージに与える影響は、特に女性が大きく、SNSの利用頻度も高かったりします。
一方で現在、日本人の子どもにおける実際の体型が健康的に問題なのかというとちょっとズレがありそうな感じ。例えば文部科学省の2024年度学校保健統計調査によれば、8~9歳の男子の1.3%、10~12歳の男子の2.6%が痩せ型に分類される、8~9歳の女子の1.6%、10~12歳の女子の2.8%が痩せ型に分類されるらしく、これは1977年以降、低体重の女子の割合は安定している一方で、男子の割合は増加しているそうな。またモバイル社会研究所の2023年度親子調査によれば、小学4~6年生(9~12歳)の子どもの98.1%がデジタルメディアを利用しており、58%がSNSを利用しているとのこと。因みにSNSの内訳は、LINEが48%、TikTokが31%、Instagramが9%、Xが2%らしい。
更にこの年齢層の1日あたりの平均スクリーンタイムは167.7分らしく、そのうちの41.4%が1日3時間以上もデジタルデバイスを見ているみたい。
ただ、SNSの利用による子どものボディイメージへの影響を調べた研究はいくつもあるものの、そのほとんどは青年期に焦点を当てているそうです。そこで今回、もうちょい下の年齢層、つまり小学生を対象にチェックしてみることにしたんだとか。
この研究は、日本の小学校に通う8~12歳(平均年齢9.64歳)の3年生から6年生を対象にしたもので、男子611名、女子650名の計1,261名(女子52%)が参加しております。んで参加した小学生には性別ごとにSNS利用とボディイメージについて聞いてみたらしい。
具体的にはSNSの利用について以下のような質問をしてみたそうな。

【質問】
  • 自宅で最も頻繁に利用するメディアサービスを選んでください(宿題などの勉強時間は除く)

【回答の選択肢】
  • 通話、メッセージ/チャット(例:LINE、カカオトーク)、テレビ、ゲーム、動画(例:YouTube)、SNS(例:Instagram、X、Snapchat、Facebook)、検索、漫画、小説など。

その後、参加者をSNS利用者(LINE、カカオトーク、Instagram、X、Snapchat、Facebook)と非SNS利用者の2グループに分けたそうです。
次にスクリーンタイムについてです。

【質問】
  • あなたは普段、自宅でテレビ、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などを1日に何時間使いますか(宿題などの勉強時間は除く)

【回答の選択肢】
  • 1時間未満、1~2時間、2~3時間、3時間以上。これを平日と休日の別々で答えてもらった。

ここから1日の平均スクリーンタイムを計算したとのこと。
次はボディイメージについてです。
ボディイメージは1991年のフロリダ大学の研究の図を使ったらしく、そこから、自分のボディイメージと理想のボディイメージを選んでもらったみたい。
因みに以下の図から選ぶ感じ。


余談ですが、大人バージョンもありましてこんな感じ。


次は体の大きさの認識について見てみます。
参加者は自分の体型を以下の5段階で評価したそうな。

  1. 痩せ型
  2. やや痩せ型
  3. 標準
  4. やや太り気味
  5. 太り気味

これを基に、認識された体型と実際の体型を比較したとのこと。
最後は理想のボディイメージについてです。
なんでも参加者に理想のボディイメージの人がいるか聞いてみたとのこと。その際の選択肢は以下だったそうな。

  • 誰もいない
  • 家族
  • 親しい友人
  • クラスメイト
  • 著名人(芸能人、モデル、アイドル、アスリート、インフルエンサー、SNS上の人)

最後に集まったデータを統計処理してみたそうです。
その結果、

  • SNSを利用する子どもと利用しない子どもにおけるボディイメージへの不満に有意差はなかった…!
  • 但し、女子においてのSNSの利用は、体の大きさの認識にズレがあった…!
  • 更に男子女子ともにSNSの利用者は、友人やクラスメイトよりも著名人のボディイメージを褒めることが多かった…!

とのこと。
日本の小学生を対象にした研究では、とりあえずこの時点(8~12歳の時点)ではボディイメージに歪みは出ていないみたいですね~。但し、その兆しは見え隠れしていると言えそうな感じ…。


似たような研究として2025年のノルウェー科学技術大学横断研究もご紹介しておきます。
こちらの研究ではノルウェーの小学生209名(男子51%)を対象にボディイメージを調べたもので、SNSの利用は見ておりません。
ただ結果が似ていて、

  • ほとんど(67%)の男子女子が自分の体のサイズを過大評価していた
  • 男子女子ともに、低体重・平均体重を過大評価していた
  • 男子女子ともに、過体重を過小評価する傾向が最も高かった
  • 但し、理想のボディイメージと実際のボディイメージにズレは見られなかった

そうです。
やはり12歳ぐらいまではボディイメージの歪みはないか最小限みたいですね。
じゃあ、もうちょい年齢が高くなるとどうなるのか…?を次に見ていきます。



どうやら中学生ぐらいから徐々にボディイメージが歪むリスクが出てくるみたい…!

2024年の華中師範大学の研究によると、SNSの利用とボディイメージ・摂食障害の関係について中学生を対象に調べてみたそうです。
この研究は中学生の男女744人(女子51.6%、平均年齢12.87歳)を対象にしたもので、アンケートに答えてもらったというもの。
早速結果を見てみると、

  • 女子は男子よりも自分の体型に不満を持っていたり、摂食障害行動が有意に多かった…!

そうです。
どうやら中学生ぐらいから徐々にボディイメージが歪むリスクが出てくるみたいですね~。
但し、この研究によれば、受動的なSNSの利用が原因みたい。
つまり、SNSで理想体型ばっかずーっと見ているのがヤバいってことですね。なんとなく分かるような…。



大学生・20代になるとSNSでボディイメージが歪んでいるケースが見られる…!

2023年のレバノン現代経営科学大学の研究によると、SNSの利用とボディイメージの関係について大学生を対象に調べてみたそうです。
この研究は、レバノンの大学生292人を対象にしたもので年齢の中央値は22歳だったそうな。んで結論を書いちゃうと、

  • SNSの利用とSNSの利用頻度が高い人は、中~大程度、ボディイメージが歪んでいる可能性が高かった…!

とのこと。
また似たような研究として2025年のマーストリヒト大学の研究も一緒に見ておきましょう。
この研究は、平均年齢22.65歳の女性454名を対象にSNS(インスタグラム)の利用とボディイメージの関係を見てみたもので、やっぱり結果は似ていて、

  • SNS(インスタグラム)で理想体型を見ていると、自分の体型を受け入れにくくなり、ネガティブなボディイメージを持つことが多くなっていた…!

とのこと。
やはり、20代になるとSNSでボディイメージが歪んでいるケースが見られるみたいですね。


因みに面白いのが2025年のスウィンバーン工科大学の研究。こちらは199人の方を対象にオンラインアンケートに答えてもらい、SNSとボディイメージの関係をチェックしているんですが、

  • TikTokの利用時間のみ、自分の体型の不満と有意に関係していた…!

とのこと。
これらを見ると、おそらく今若者を中心に流行っているSNSがよりボディイメージを歪ませるのではないか…?と思っちゃうわけです。
そんなわけで次はSNSによるボディイメージの歪み度ってどれぐらい…?ってのを見てみます。



SNSによるボディイメージへの歪みの影響は小~中程度…!

SNSによるボディイメージの歪み度ってどれぐらい…?ってのを知るためにまずご紹介しておきたいのが2019年のライアソン大学のメタ分析になります。
このメタ分析では、2018年1月までに発表された該当研究をPsycINFO、Pubmed、Web of Science、ERICなどのデータベースで検索し、質の高い研究をピックアップしたとのこと。
最終的に選ばれた研究は63件でして、総サンプル数は36,552人ってことでした。
これらのデータをまとめた結果、

  • SNSと歪んだボディイメージの関係の全体的な効果サイズはr=0.169だった…!

そうです。
つまり、SNSとボディイメージの歪みの間には、小さいながらも有意な正の相関関係があったってことですね。

次にご紹介するのは2020年のマイアミ大学のメタ分析になります。
こちらは、SNSに限らず様々なメディアの種類を比較してボディイメージの歪みとの関連性を見てみたというものです。因みにメディアの種類ってのは、テレビのコマーシャル、テレビ番組、雑誌の広告、雑誌の記事、SNSって感じでした。
最終的にピックアップされた127件の研究をメタ分析にかけた結果、

  • ボディイメージの歪みとの関連性は、メディアの種類と結果の種類(感情への影響か、認知への影響か、行動への影響か)によって大幅に変わることが分かった…!

とのこと。
また、他にも分かったこととして、

  • 複数の国の全ての年齢層の男女の両方で、スリムな体型が理想的…!又はアスリートな体型が理想的…!とメディアが報じていた影響を受ける可能性があった…!
  • 商業目的のあるメディアは、商業目的のないメディアと比較して、ボディイメージへの不安を高める効果が低かった…!つまり、SNSの方がよりボディイメージへの不安を高める効果があった…!
  • 摂食障害とスリムな体型への影響力が最も高かったのはメディアへの露出だった…!つまり、SNSで、自分は太っているから痩せないと…!みたいな写真を投稿する人はボディイメージが歪みやすかった…!

って感じ。
これらによって歪み度は変わるみたい。確かにテレビや雑誌、SNSなどみてスリム体型が理想…!ってやっていたりしたら影響はありますよね。また、商業目的じゃない、つまり、一般人や一般人に近いインフルエンサーなんかはモデルよりも身近に感じちゃうんで、どうしても影響を受けやすいのかも…。更にSNSで体型の写真を載せつつ痩せないと、みたいに言うと、色々な返答(十分痩せているorもっと痩せた方がいい)があるんで、それによって縛られてボディイメージがどんどん歪んでいきそうですね…。パブリック・コミットメントとかも働きそうですし…。

最後にご紹介するのが2021年のマカオ大学のメタ分析になります。
このメタ分析ではSNSの利用と摂食障害行動の関係を見てみたそうです。
まず研究者たちは、2020年7月18日までに発表された該当研究をPsychINFO、PubMed、Web of Science、Communication and Mass Media Complete、ProQuest Dissertationsで検索してみたそうな。すると合計480件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複している研究や質の低い研究を除外していったらしい。
最終的に選ばれた研究は22件でして以下のような特徴があったんだとか。

  • 発表された年:2010年~2020年
  • 総サンプル数:13,301人
  • 男性の総サンプル数:5,031人(全体の37.82%)
  • 女性の総サンプル数:8,270人
  • 平均年齢範囲:11.19歳~30.53歳
  • 平均BMI:18.92~24.69kg/m2(つまり皆標準体型ですな)

んで気になる結果は、

  • SNSの利用と不規則な摂食行動の間には正の相関関係が見られた…!効果サイズはr=0.09だった…!
  • 大学生は他のサンプルと比べて、SNSと摂食障害行動の間の正の相関関係がより高かった…!効果サイズはr=0.089…!だった…!

とのこと。
つまりSNSにどっぷりハマっている人は摂食障害行動のリスクが高いみたいですね。



ボディイメージの歪みとSNSの関係 まとめ

以上をまとめると

  • SNSによるボディイメージの歪みは中学生ぐらいから始まる可能性が高いっぽい…!
  • SNSによるボディイメージの歪みは大学生の時、特に歪みやすい…!
  • SNSによるボディイメージの歪みは成人でも起こる可能性がある…!
  • SNSによるボディイメージへの歪みの影響は小~中程度…!
  • 歪んだボディイメージは摂食障害にもつながる…!

って感じでしょうか…。
これらは以前見た研究のベル型ともおおよそ合致していますんで、おそらく合っているのかと思います。



個人的考察

せっかくなんで最近話題のネタとの関係もご紹介しておきます。何かというと生成AI(Generative AI)とボディイメージの歪みとの関係です。実は2025年のビットリスエレン大学の研究でこの題材をレビュー論文としてまとめてくれているんですな。
んで、このレビューでは、生成AI(ChatGPT)の使用と摂食障害・ボディイメージに与える影響を見ているんですが、

  • 自分のボディイメージに悩む若年成人は、生成AI(ChatGPT)によって生成される情報に惑わされる可能性がある…!

としているんですよね。
確かに、生成AIはより高い理想・完璧な理想を再現できるんで、分からぬ話ではないかと…。これらも踏まえると、SNSだけに限らず生成AIも含め、超正常刺激のようなものが誘発されやすいんでしょうな~。
ということで、対策はもうお分かりでしょう。

  • ボディイメージの歪み対策は、SNSや生成AIから距離を置く…!

となります。
まさに「君子危うきに近寄らず」ですね。


最後に大事な対策を挙げておきます。
それは今の自分の体型で良い…!ほどほどで良い…!とあるがままの自分を認めることです。そう、セルフコンパッションですね。詳しいやり方は、「うつ病や摂食障害を軽減し人生の満足度を上げる「セルフコンパッション」の鍛え方」をご覧いただきたいのですが、親身に寄り添う友達や両親・祖父母のように自分に接してみるみたいな感じですね。
また、ボディイメージの歪みが認知の歪みとなっているパターンも多い為、スキーマを知る(認知療法のABC分析を知る)・認知再構成法なんかも有効でしょう。
更に大きく言えば認知行動療法は有効な物が多いかと思います。

以上、ボディイメージの歪みとその対策でした…!