4月に入って何日か経ちましたねー。
4月は入学や入社など、何かと新しい環境に入っていく方も多いのではないでしょうか…?
期待と不安が入り混じる…と言えば聞こえは良いですが、私なんかは不安が先行型なんで、上手くいくだろうか…?とか、やっていけるのだろうか…?って思っちゃうんですよね。たぶん…そういう方は多いはず…。
ということで私みたいな、ついつい新しい環境とか聞くと身構えちゃう不安な人への対策として「健全な不安を手に入れる方法」をご紹介しようと思います。
まず今回からは、不安や緊張を抑えるようなアドバイスは本当に良いのか…?ってところから見ていきます。
例えば、不安や緊張を感じた、感じている自分や他者に対して、

  • 落ち着け…!
  • リラックスだ…!
  • 堂々と…!
  • いつも通りに…!

といった感じで、とにかく不安や緊張を低くし、冷静になろうとするアドバイスですね。
このようなアドバイスが本当に効果的か調べた研究がありますんで早速チェックしていきましょう…!



不安・緊張が出てきたらリアプレイジング(再評価)して興奮・ワクワクしてきた…!と捉え直そう…!

2013年のハーバードビジネススクールの研究によると、不安・緊張が出てきたときの有効な戦略について調べてみたそうです。
そもそも誰でも、たくさんの人の前で話すとか、上司と会うといった重要なタスクの前に不安を感じます。そして作業の直前や作業中に不安を感じると、

  • 作業能力が低下する:作業能力や情報処理能力が低下し、目の前の仕事に集中できなくなる。また、心配や反芻といったことにワーキングメモリを使っちゃう
  • 自信が低下する:意思決定と行動に大きな影響を与えてしまう。例えば、不安な人が交渉すると、最初に提案する金額が低くなるので自ずと利益も少なくなっちゃう。また、不安な人は、アドバイスが明らかに悪いものであっても、アドバイスを求めるし、そのアドバイスを信じちゃう傾向にある。理由は自分の判断に自信がないから

といったパフォーマンスへの悪影響が出るんですよね。更に不安を感じることで失敗した結果も予想してしまいます。
そこで皆さんが良くとる対策が、

  • 落ち着こうとする

というもの。
落ち着け…!リラックスだ…!と思うことで不安を抑えようとするって感じですね。しかし実際のところ、不安を抑えたり隠したりしても効果がないことが多く、不安感情を減らすことは難しかったりします。
そこで今回研究者が考えた新たな対策が

  • 不安・緊張が出てきたらリアプレイジングして興奮・ワクワクしてきたと捉え直す…!

という戦略です。
リアプレイジング(Reappraising:再評価)は、見方を変える、別の角度から見てみるって方法で、不安状態を軽減する最も効果的な戦略と言われております。

ではなぜ研究者が不安・緊張→興奮・ワクワクに変換だ…!となったかと言いますと、不安・緊張と興奮・ワクワクってのは、パフォーマンスへの影響は真逆なんですが、起きる状況や体の反応が非常に似ているんですよ。
具体的に説明していきますと、まずパフォーマンスへの影響は、

  • 不安・緊張:パフォーマンスが低下するネガティブな感情。ネガティブなイメージや不確実性、コントロールの欠如といった特徴がある。不安を感じる人は、未来の出来事のネガティブな面にフォーカスする傾向があり、それが実際に起こる可能性が高いと信じている
  • 興奮・ワクワク:パフォーマンスが向上するポジティブな感情。ポジティブなイメージや楽観主義といった特徴がある。興奮している人は、未来の出来事のポジティブな面にフォーカスする傾向があり、それが実際に達成できると信じている

っと言った感じ。これは皆さんご存知の通りですね。
因みにこの研究者は不安の定義を、新しい状況や望ましくない結果の可能性を含む刺激に対して、苦痛や生理学的覚醒状態の反応をすることとしておりました。まぁ、難しく言っていますが、皆が思う不安のイメージですね。
それと、不安が出る場面ってのは大なり小なりありまして、生涯にわたってあるもんなんですよねー。例えば、

  • 生後12ヶ月の乳幼児は、親と離れて不安になる
  • 4歳前後の子どもは、怪物や幽霊が怖くて不安になる
  • 10歳ぐらいの子どもから大人は、人前で話すことに不安になる

って感じです。
更にいえば、ほとんどの人は毎日何度も不安な状態を経験しています。まぁ、超小さい不安とかもカウントすれば、そりゃ毎日不安はありますな。

話しを戻しまして…。不安・緊張と興奮・ワクワクは、パフォーマンス面では真逆でしたが、起きる状況や体の反応については不安・緊張と興奮・ワクワクのどちらも

  • 事前に起こるもの
  • 高い覚醒状態(高い心拍数)であること

という共通点がございます。言われてみれば確かに…!って感じですよね。
そして不安・緊張・興奮・ワクワクと落ち着いた状態・リラックスした状態ってのもまた違っておりまして、

  • 不安・緊張・興奮・ワクワク:高い覚醒状態(高い心拍数)という特徴がある
  • 落ち着いた状態・リラックス状態:低い覚醒状態(低い心拍数)という特徴がある

って感じなんですよね。
以上から研究者は、不安・緊張は似た状況・体の反応である興奮・ワクワクに移行しやすく、不安・緊張と違う反応である落ち着いた状態・リラックス状態は移行しづらいんじゃないか…?と考えたみたいです。



個人的考察

じゃあこの仮説が正しいのか…?ってことで、パイロット研究+実験4つの合計5つの研究を行い確かめております。