【加筆内容】新しい環境とか聞くと身構えちゃう不安な人への対策「健全な不安を手に入れる方法」その11
不安な人はヤバい事態に対して素早く助けを求めるのが上手
2012年のIDCヘルツリーヤの研究によると、愛着スタイルの不安型の強みについて調べてみたそうです。
愛着スタイルの不安型ってのは人との距離感が苦手なタイプで、相手に嫌われないようにしようとし過ぎる傾向のあるタイプのことです。
んで研究者たちは、その愛着スタイルの不安型の人は、
- 脅威(トラブル)に対する警告を素早く伝える(助けを求める)のが得意なんじゃないか…?
って仮説を立てたそうで、それを実際に調べたのが今回の研究になります。
実験は大学生80人(男性52人、女性28人)を対象にしておりまして、流れはこんな感じとなっておりました。
- まずは全員の愛着スタイルと性格(ビッグファイブ)に関するアンケートに答えてもらい、不安型かどうかをチェックした。
- 2週間後、参加者全員にもう一度集まってもらい、芸術の趣味についての研究であると嘘を伝えた。
- 参加者全員にパソコンの前に座ってもらい、画面に表示された様々な絵画を評価してもらった。
- しかし、3番目の絵画を見た後、パソコン画面にエラーメッセージが表示され、OKボタンをクリックすると、突然、パソコンのハードディスクを全消去するというコンピューターウイルスが起動し始めた。
- そこで研究者がヤバい感じを装って、コンピューター技術者にすぐ助けを求めてくるよう頼んだ。
- 参加者が助けを求めに行く途中の数分間で、4つの障害物を用意し、助けを求める目的から参加者の気を逸らさせようとした。4つの障害物は以下な感じ。
- ①助けを呼びに行く途中の廊下で短い調査を手伝うよう声をかけられた。
- ②助けを求めに入った研究室で、まずプリンタでコピーをとるよう頼まれた。
- ③コンピューター技術者がいるドアには、訪問者に待つよう求める張り紙があった。
- ④コンピューター技術者の部屋に案内された後、参加者は床に大量の書類を落とした学生の横を通り過ぎなければいけなかった。
如何に素早くコンピューター技術者にトラブルを伝えられるかを見てみた…!ってことですね。
では愛着スタイルと性格(ビッグファイブ)との関係についてどうだったか見てみましょう…!
- 愛着スタイルの不安型傾向が高い人ほど、周りを気にせず、すばやく助けを求めに行くことが出来た…!
- 上記結果は愛着スタイルの回避型、外向性や神経症傾向と関係がなかった…!
とのこと。
この結果に研究者曰く、
- 2011年のIDCヘルツリーヤの研究により、愛着スタイルの不安型の人は、一般的な不安気質の人と同様、脅威に対して素早く気付くことができるようだ。この新しい結果は、不安を抱く人は他人に助けを求めたり、警告を発するのが必要なとき、素早く反応できることを裏付けている
としています。
どうやら不安な人はヤバい事態に対して素早く助けを求める警戒機能に優れているみたいですねー。