【加筆内容】高タンパク食はダイエット効果だけでなくリバウンド防止にも使えるぞ!って話
ダイエットで体重が減るのは嬉しいですが、それを維持するのは至難の業。
減量をするのも大事ですが、リバウンドを防止するってのも同じぐらい大事なんですよね。
そこで今回は、リバウンド防止にこれを意識すると良いよーって話をご紹介します。
高タンパク食でリバウンドを50%も抑えられる…!
2004年のマーストリヒト大学の研究によると、タンパク質の摂取がダイエット後のリバウンド防止に役立つのか調べてみたそうです。
この研究は、男女148人(平均年齢44.2±10.1歳、BMI=29.5±2.5、体脂肪37.2±5.0%)の肥満な方を対象に行われておりまして、まずは全員に低カロリー食(1日2.1MJ)+運動を行ってもらったそうな。4週間続けて皆が痩せたところで、参加者を以下の2グループにランダムに振り分け、体重を維持するよう指示したらしい(1グループ73人)
- 高タンパク食グループ:1日当たり48.2gのタンパク質を食事に追加した。
- コントロールグループ:特に何も指示しない。
上記を3ヶ月間続けてもらい実験終了となっております。
最後に、スタート時、4週間後の減量直後、3ヶ月後の実験終了時にチェックした体重や体組成、代謝なんかのデータを見比べてみた結果、
- 高タンパク食グループは、コントロールグループに比べて、リバウンドが50%も抑えられていた…!
- 両グループともカロリー摂取量に違いはなかったが、高タンパク食グループは満腹感が増していた…!
とのこと。
どうやら普段の食事より20%程高いタンパク質量を摂取すると、リバウンドが50%も抑えられるみたいですねー。これはすごい。
高タンパク食によるリバウンド対策効果は半年間続く…!
2005年のマーストリヒト大学の研究によると、ダイエットのリバウンド対策にタンパク質が効くのか調べてみたそうです。
この研究は太り過ぎな113名(BMI=29.3、平均年齢45.1歳)が参加したもので、まずは全員に4週間、超カロリー制限食を食べてもらったそうな。皆が痩せたところで(体重が7.5%減少したそう)、参加者を以下の2グループにランダムに振り分けたらしい。
- タンパク質グループ:いつもの食事+1日30gのタンパク質を摂取する
- コントロールグループ:いつもの食事をしてもらう
上記の食事を6ヶ月間行いつつ、体重維持を目標に過ごしてもらったそうです。
結果、タンパク質グループはコントロールグループに比べて、
- タンパク質の摂取量が多かった(タンパク質グループ18%、コントロールグループ15%)
- リバウンドが小さかった(タンパク質グループは0.8kg元に戻った、コントロールグループは3.0 kg元に戻った)
- ウエストは更に細くなっていた(タンパク質グループ-1.2cm、コントロールグループ0.5cm)
とのこと。
なかなか良い結果ですねー。
因みにリバウンドについて、タンパク質グループの0.8kgは無脂肪量(≒筋肉量)のみだったそうです。それに対して、コントロールグループの3.0kgは脂肪量も増加していたんだとか。つまり、実質タンパク質グループはリバウンドをしていないことになりますね。
またこの他にもタンパク質グループにはメリットが見つかっておりまして、朝食前の満腹感が高かったそうです。
ダイエット後のリバウンド対策にタンパク質摂取量を増やすのは効果がありそうな感じ。
特に半年間も良い感じだったってのは心強いですね…!
高タンパク食のメリットについてレビューしてみた…!
2012年のマーストリヒト大学のレビュー論文によると、高タンパク食のメリットについて見直ししてみたそうです。具体的には、ダイエット効果やリバウンド防止などの効果について見てみたとのこと。
では早速ポイントを見ていきましょう…!
- 高タンパク食による満腹感の増加はダイエット・リバウンド防止にとって重要な要因だと言える。
- また高タンパク食によって、カロリー摂取量の減少や減量時の代謝効果といったメリットもある。
- 減量と体重維持の為に必要なタンパク質の割合は、少なくとも25~30%である。
- 72人の肥満な人を対象に4ヶ月間タンパク質量を変えた実験では、体重を大幅に減らす又は体重を維持し、体脂肪率を下げるには、少なくとも1日に体重(kg)×0.8gのタンパク質が必要だった。更に除脂肪体重(≒筋肉量)や安静時の代謝(平均カロリー消費量)のアップには、少なくとも1日に体重(kg)×1.2gのタンパク質を摂取する必要があった。
- 1日に体重(kg)×1.2gのタンパク質を摂取すると体組成のメリットだけでなく、血圧改善にも役立つ。
- 糖質制限ダイエットの成功の理由は、代わりに高タンパク質を摂取するようになったことだと考えられる。そのため、炭水化物を制限したこと自体がダイエット成功の原因ではない。
- タンパク質摂取がもたらすカロリー消費の影響は、主に睡眠時の代謝、起きているときのカロリー消費、基礎代謝、食事によるカロリー消費にメリットがある。
- 食事によるカロリー消費量(食事誘発性熱産生)は、脂肪0~3%、炭水化物5~10%、タンパク質が20~30%、アルコール10~30%となっている。
- 健康な方を対象に1日普段の食事(三大栄養素等が混ざっている食事)を食べてもらいつつ、食事によるカロリー消費量(食事誘発性熱産生)を調べてみたら、1日の総カロリー消費量の約10%に相当した。
- カロリー摂取量とカロリー消費量が等しくなるようにした場合も、カロリー消費量(食事誘発性熱産生)は1日の総カロリー消費量の約10%に相当した。
- 健康な女性を対象に高タンパク・高炭水化物食(タンパク質30%、炭水化物60%、脂肪10%)と高脂肪食(タンパク質10%、炭水化物30%、脂肪60%)を比べたRCT・クロスオーバー試験では、全ての参加者で高タンパク・高炭水化物食の方が食事によるカロリー消費量(食事誘発性熱産生)が高かった。
- 高齢の女性を対象にタンパク質量を10%から20%に増やした実験では、タンパク質による代謝が63~95%もアップした。このタンパク質による代謝アップ効果は、動物性タンパク質(ホエイプロテイン)で最大95%アップしたのに対し、植物性タンパク質(ソイプロテイン)では63%しかアップしなかった。
- 健康な人に対する高タンパク食の腎臓の問題はなかった。
個人的考察
ということで減量やリバウンド防止にぜひタンパク質の摂取量を意識してみてください。
因みにいろんな研究を見る限り、
もちろん、運動量によってもっと摂取した方が良い場合もありますし、余分なタンパク質は筋肉分解抑制効果に使われるという話もありますんで、最低ラインぐらいに押さえておくとよろしいかと思います。