2週間にわたって、不安対策を掘り下げてきましたが、いよいよ今回がラストです。
ということで、最後は「健康的な神経症傾向」のお話です。


不安の長所を更に生かすには誠実性をアップさせるのが良いみたい…!

2013年のロチェスター大学医療センターの研究によると、性格と健康の関係について調べてみたそうです。
そもそもなぜこのような研究をしようかと思ったかですが、ロチェスター大学医療センターのニコラス A. トゥリアーノ博士によれば、性格(ビッグファイブ)の誠実性と神経症傾向の両方が高いと、自分の行動の結果を比較検討する力が高く、不安になって危険な行動をとらないんじゃないか…?と思ったからみたい。
この仮説を検証する為、トゥリアーノ博士たちは、アメリカの中年の発達についての全国調査(MIDUS)のデータベースを使ったそうで、サンプル数は1,054人だったとのこと。
結果、

  • 誠実性と神経症傾向の両方が高い人は441人いた。
  • 誠実性と神経症傾向の両方が高い人ほど、インターロイキン6(IL-6:体内炎症)レベルが低かった…!
  • 更に誠実性と神経症傾向の両方が高い人ほど、BMIも低く、持病を持っている人も少なかった…!

とのこと。
つまり仮説通り、誠実性と神経症傾向の両方が高い人、つまり真面目にコツコツやるのが得意+不安・緊張しやすい人は健康的な人が多いみたい。
ではなぜこういった方々が健康的かと言いますと、

  1. 神経症傾向が高いために、病気などの不安から健康的な食事や定期的な運動を行う。
  2. 誠実性が高いために、健康的な食事や定期的な運動をまじめにコツコツ続ける。
  3. 結果、健康的になる…!

っていうことらしい。不安の長所を誠実性の高さが後押ししている感じですな。
トゥリアーノ博士たちはこのような誠実性+神経症傾向の両方が高い人たちのことを「健康的な神経症傾向」と呼んでおりました。まさに不安を更に活かすヒントになる話ですね。
つまり、不安の長所を更に生かすには誠実性をアップさせるのが良いみたいです。



個人的考察

これまで色々な不安のメリットをご紹介してきました。
不安な場合の注意点は、不安による恐れがその人自身の向上心をも台無しにしかねないことです。そして不安になること自体にネガティブになり悩んでしまう事も気をつけなければなりません。
そのため、不安による恐れが出たらまず調査・準備という行動を開始し、しっかり準備が出来たら挑戦しましょう。すると不安がワクワクに変わり、パフォーマンスもアップしますよー。



参考文献

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0889159112004825