【加筆内容】新しい環境とか聞くと身構えちゃう不安な人への対策「健全な不安を手に入れる方法」その6
今回も今まで同様2013年のハーバードビジネススクールの研究を見ていきます。
ここまでの情報のポイントをまとめておきますと、
- 不安に対して、落ち着こうとする・何もしないよりも、興奮として捉え直した方が良い…!
- 興奮として捉えると、ワクワクし、自信を持ち、パフォーマンスもアップすると、不安をパワーに変えることが出来る…!
- 心拍数が一度上がると(不安になると心拍数が上がる)、何をしても結局元に戻すのはほぼ無理…!
- 冷静・落ち着こう・リラックスと言ったアドバイスはムダ…!
といったところ。
なんで不安を興奮として捉え直すと良いのか理由を調べてみた…!
実験1~3によって、不安を興奮として捉え直すと様々なパフォーマンス(人前で歌を歌う、人前で話す、数学のテスト)がアップすることが分かりました。
そこで実験4では、なんで不安を興奮と捉え直すと良いのか、その理由を調べてみたそうです。
そこでまずご紹介したいのが2010年のニューヨーク大学の研究になります。
この研究は、数学のテストを、脅威ではなく挑戦として捉え直すことを指示したもので、結果、ステレオタイプ(数学って嫌だな~という固定概念や先入観)を減らし、その後の数学の成績がアップしたというんですよね。
つまり不安を興奮として捉え直すと似たような研究があり、効果も出たそうで、この共通点が効果がある理由につながると研究者は考えたみたいです。
これらを調べるために、研究者は実験3同様の数学テストを行ったそうです。参加したのは大学生218人(男性94人、女性124人、平均年齢21.85歳)で、基本的に実験の流れは同じ感じなんですが、参加者に数学テストを開始する前に
- 落ち着いてください
- 興奮してください
の2つを伝えつつ、更に数学のテスト前、又はテスト後に以下の質問について1まったくそう思わない~7非常にそう思うの7段階で答えてもらったそうな。
- IQテスト(数学テスト)は楽しむ機会です。
- IQテスト(数学テスト)は脅威というよりも挑戦です。
これでテストへの脅威(不安への脅威)とテストを受けるという機会の考え方(不安になることへの捉え方)も測定したんだとか。
まとめると全部で以下の4パターンになります。
- 落ち着いてください→脅威と機会の考え方の測定→数学テスト
- 興奮してください→脅威と機会の考え方の測定→数学テスト
- 落ち着いてください→数学テスト→脅威と機会の考え方の測定
- 興奮してください→数学テスト→脅威と機会の考え方の測定
結果、
- 不安を興奮として捉え直した参加者(3.42)は、不安に対して落ち着こうとした参加者(2.80)よりも数学のテストの点数が明らかに高かった…!
- 不安を興奮として捉え直した参加者(3.75)は、不安に対して落ち着こうとした参加者(3.36)よりも楽しむ機会・挑戦と捉えていた…!
- 数学テストの後に脅威と機会の考え方の測定をした参加者は、数学テストの前に脅威と機会の考え方の測定をした参加者よりも、数学テスト(不安)の脅威が少ないと感じていた…!
とのこと。
個人的考察
つまり、
- 不安を興奮として捉え直す
- 不安になる機会が楽しむ機会と捉え直す
- 不安への脅威を挑戦と捉え直す
- 結果、数学の成績(パフォーマンス)がアップする…!
ってのがメカニズムだってことですね。
自分自身の内面のリアプレイジングを行い、続いて状況のリアプレイジングを行うって感じです。