今回から何度かに亘ってギリシャのヨアニナ大学が発表したアンブレラレビューを見ていきます。
というのも、ギリシャのヨアニナ大学はアンブレラレビューが登場したころから注目し、発表していた大学なんですよね。その辺は2009年のヨアニナ大学の研究なんかを見ても感じるところでしょう。
ということで早速見てみますかー。



多発性硬化症と環境要因の関係についてアンブレラレビューを行ってみた…!

2015年のヨアニナ大学の研究によると、多発性硬化症と環境要因の関係について系統的レビューとメタ分析のアンブレラレビューを行ってみたそうです。
多発性硬化症は指定難病にも選ばれている病気で、脳や脊髄、目の神経に異常が出てしまいます。その結果、視力や視野に問題が起きたり、歩く、話す、食べるなどが上手くできなくなってしまったりするんですよね。そして免疫システムの異常(自己免疫疾患)の一つと考えられているんですよね。
そんな多発性硬化症の原因の一つとして環境要因の可能性があるんですな。そこで研究者たちは、アンブレラレビューを用いて本当かどうか調べてみることにしたらしい。
まず最初に2014年11月22日までに発表された該当する観察研究の系統的レビューとメタ分析をPubMedで検索してみたそうな。すると416件の研究が見つかったらしい。続いてこの中から質の高い研究をピックアップ、最終的に44件の研究が基準を満たしていたそうです。
これらのデータを基にアンブレラレビューを行ってみた結果、

  • 多発性硬化症に関係していそう…!と言われていた環境要因の多くの研究は、エビデンスがあやしかった…!
  • EBウイルス抗体検査、伝染性単核球症、喫煙の3つは最も強力で一貫したエビデンスを示していた…!

とのこと。
多発性硬化症と環境要因の関係って意外とあやしい感じだったんですねー。
まぁ、ウイルス感染やタバコが良くないのはなんとなく分かりますんで、ここは納得できますが…。