引き続き、眼疾患・視覚障害の方の平均寿命について見ていきます。



軽度視覚障害でも死亡リスクは2倍以上増加する

2001年のメルボルン大学の研究によると、視覚障害と死亡リスクの関係について調べてみたそうです。
この研究は、メルボルン視覚障害プロジェクトっていうコホート研究のデータを使ったもので、対象者はオーストラリアのメルボルンに住む40歳以上の方々となっております。始まりは1992年~1994年でして、1997年に5年間の追跡調査を開始したとのこと。
スタート時の参加者の人数は3,271人でして、その後5年間で231人(7.1%)の方が亡くなっていたそうです。また、残りの3,040人のうち、51人(2%)は転居してしまい、83人(3%)は追跡調査できず、312人(10%)は参加を拒否したとのことでした。そのため、亡くなっていない最終的な参加者は2,594人(85%)だったそうです。
それでは、視覚障害の方の死亡リスクをチェックしてみましょう。

  • 視力をマックスで矯正していた人は死亡リスクが有意に増加(OR2.34)していた。
  • 加齢による死亡リスク(OR1.09)、男性の死亡リスク(OR1.62)長期間の喫煙と死亡リスク(30年より多いとOR2.06)、長期間の高血圧と死亡リスク(10年より多いとOR1.51)、関節炎と死亡リスク(OR1.42)も有意に増加していた。

う~ん。リスクが2倍以上増えるってのはすごいですね。
この結果に研究者曰く、

  • 軽度視覚障害でも死亡リスクは2倍以上増加するようだ

とのこと。
理由は不明ながら今回の研究では視覚障害と寿命は関係ありそうな感じでした。