【加筆内容】プチ断食は特に優れたダイエット法ではないという悲しい研究結果のお話
…といっても、タイトルの通り、結果は悲しい感じでして、
- プチ断食は夢のダイエット法ではなかった…!
となっております。
プチ断食は特に優れたダイエット法ではないという悲しい研究結果のお話
2023年のブリストル大学の研究によると、プチ断食が食欲に与える影響について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
そもそもプチ断食にはいくつか方法がありまして、2015年のベイラー大学の研究によれば、多くは以下の3種類に分けることが出来るんだとか。
- 日替わり断食:2022年のイリノイ大学シカゴ校の研究によると、日替わり断食とは、完全に断食する日と自由に食べて良い日を交互に繰り返す断食方法のことを言う。
- 5:2ダイエット:2013年の書籍によれば、5:2ダイエットとは、週2日連続しない日に女性は500kcal、男性は600kcalにカロリー摂取量を制限する。残りの週5日は自由に食べて良い日という断食方法のことを言う。
- 時間制限断食:2023年の青島大学の研究によると、時間制限断食とは、毎日特定の時間内でのみ食事をし、残りの時間では食事をしない断食方法のことを言う。例えば、2013年の書籍に載っている16:8ダイエット(=リーンゲインズ)が該当しており、これは毎日8時間のみ食事がOKで、それ以外の時間(16時間)は食事をしないという方法となっている
しかし、これらが食欲に及ぼす影響は謎だったんだとか。
そこで今回研究者たちは、初の系統的レビューとメタ分析を行ってみることにしたらしい。
この研究は、2021年2月19日と2022年2月18日の2回に分けて該当研究がないか検索したと言うもので、使われたデータベースはMEDLINE、PsycINFO、EMBASE、ISI Web of Science、Scopusだったそうな。また未発表の研究を連絡して探したり、参考文献もチェックして探したみたい。その結果、4,390件の研究が見つかったんだとか。
次にこの中で重複している物を除外しつつ、更に質の低い研究も除いていったそうです。最終的に基準を満たした研究は17件のランダム化比較試験(RCT)だったそうで、その特徴は以下な感じだったとのこと。
- RCTの比較グループ:少なくとも2つのグループ(プチ断食グループとカロリー制限グループ)の介入からなるものだった。
- 使われていたプチ断食の種類:6件は日替わり断食、6件は5:2ダイエット、4件は時間制限断食、1件は3つ(日替わり断食と時間制限断食とカロリー制限ダイエット)が使われていた。
- 期間:2週間から12か月の間だった。最も多かった期間は12週間だった。
- 総サンプル数:1,111人だった。但しサンプルサイズは18人~271人と広範囲だった。
- 対象者:全ての研究で成人を対象にしていた。また17件中14件はBMIが24以上の人を対象にしていた。
- バイアスリスク:4件が中程度、13件が高かった(つまり質が低い研究ばかりだった)
- その他:日本の研究はなかった。
プチ断食って最近ようやく浸透してきたし、研究もまぁまぁ出揃ってきている印象でしたが、質の高い研究はほとんどないんですね~。
それでは結果を見てみますかー。
プチ断食とカロリー制限ダイエットと比べてみたところ、
- 空腹感にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 満腹感にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 食欲にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- カロリー消費量にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 体重にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 食事行動についてはメタ分析が出来なかった…。
- 身体活動にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 食事の遵守は同じか、カロリー制限ダイエットの方がプラスの影響があった…。
- ドロップアウトにプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
とのこと。これはまさかな結果ですな…。
この結果を見て研究者曰く、
- 私たちのメタ分析では、プチ断食が、カロリー制限ダイエットとは異なる形で、空腹感、満腹感、食欲、カロリー消費量などに良い影響を与えるという明確な証拠は得られなかった
とのこと。
つまりプチ断食は特に優れたダイエット法ではないということですね。
但し、わずかばかりの希望も残っておりまして、
- エビデンスレベルが非常に低いことが明らかになり、効果量にほとんど信頼が置けないことがわかった
そうなんで、今後、質の高い研究の結果によっては覆る可能性もございました。
個人的考察
因みにプチ断食を行う場合、女性は特に注意が必要だったりします。
というのも気を付けることが多いんですよ。代表的な事としては、キスペプチンってホルモンが減っちゃうことです。このホルモンは、生殖機能に関わっておりまして、女性の生理に深く関わっております。そのため、プチ断食で生理周期の乱れやそれに伴う代謝、食欲の乱れが起きる可能性がございます。しかもこのキスペプチンは女性の方が男性よりも多く、敏感さも強いんですよ。なんで、プチ断食のせいで反って食欲が暴走するパターンも有り得るんですな。
まぁ、この辺は女性のダイエット全般にも言えるんですが、以下の症状が出た時は、ちょっと一旦中止をして様子を見た方がよろしいかと。
- PMS(月経前症候群)が起きた
- 生理周期が乱れた
- 冷え性になった
- 気分の波が出てきた(激しくなった)
- お肌のトラブルが出てきた(乾燥肌やニキビ、肌荒れなど)
- 不眠が起きた
- 抜け毛が起きた
- お腹の調子が悪くなった(消化不良など)
プチ断食を含め、ダイエットは用法用量を正しく使うことが大事という感じです。
そのため、もしその辺を含め上手くダイエットされたい方は「女性らしいまま(女性ホルモンを乱さず)ダイエットを成功させるためにはどうすべきか?」の記事を併せてお読みいただくとよろしいかと思います。