前回は「シャワー効果」って、本当にあるのか…?について見てみました。
今回は、「シャワー効果」から導き出せるエウレカ発動のポイントをみていきたいと思います。



シャワー効果のポイントは「適度に魅力的な行動」であるから…!

2022年のバージニア大学の研究によると、シャワー効果でエウレカが起きる理由はマインドワンダリングなのは分かるけど、どのような心ここにあらずな事をしても起きるのか…?について調べてみたそうです。
まずシャワーを浴びているときや適度な運動(散歩やウォーキングなど)をしているときに良いアイディアってのは浮かびやすいですよね。これはなぜかと言うと、マインドワンダリング(心ここにあらず)の状態だからってのが大きいと言われております。
ではどんなことでもマインドワンダリングさえなれりゃ~良いんか…?って疑問が湧いたみたいです。
ここについては研究者曰く、

  • 例えば、問題に行き詰まったとしよう。あなたはどうするか…?たぶん、絵の具が乾くのを、ただじーっと見て待つような気の遠くなる、退屈なことはしないだろう。代わりに散歩やガーデニング、シャワーを浴びたりといった、自分自身が満足できる何かをするはずだ。このような行動は全て、適度に魅力的な行動である

とのこと。
つまり、シャワーやウォーキングは適度に魅力的な行動によるマインドワンダリングだから創造性がアップしている…!ってことですね。う~ん。面白い視点ですな。
ではこの仮説が本当なのか…?ってことで研究者は以下の実験を行ってみたそうです。
どんな実験だったかと言いますと、まず、参加者全員にレンガ又はペーパークリップの別の使い方を考えてくださいと伝えたそうです(余談ですが、レンガの別の使い方を考えるってのは創造性実験でかな~り良く使われる手法です)
次に参加者を以下の2グループに分けたそうです。

  1. 退屈なビデオグループ:3分間、退屈でつまらん映像を観た。具体的には男性2名がただ洗濯物を畳んでいるだけの動画(想像するとかなりシュールですな)
  2. 魅力的なビデオグループ:3分間、ちょっと魅力的な映像を観た。具体的には1989年の映画「When Harry Met Sally...」のワンシーンを観た。

上記のどちらかの動画をみつつ思いついたアイディアに基づいて、レンガ又はペーパークリップの別の使い方を書き出してもらったらしい。
最後に参加者全員に、動画の視聴中、自分がどれだけマインドワンダリング状態になったか…?についても聞いてみたんだそうな。
んで結果は、

  • マインドワンダリングは確かにクリエイティブなアイディアにつながる現象だった…!
  • しかし、クリエイティブなアイディアにつながるのは魅力的なビデオグループだけだった…!
  • 退屈なビデオグループは、より多くのアイディアや意味的に離れたアイディアを思いついていたが、これらの効果はマインドワンダリングとは無関係だった…!

そうです。
この結果に研究者曰く、

  • 人はシャワーを浴びたり、散歩をしているときなど、適度に魅力的な行動をしているときに、しばしば創造的なアイディアを生み出すようだ

とのこと。
つまり適度に魅力的な行動をしているときマインドワンダリングが起こり、良いアイディアが思いつく…!ってことですね。



個人的考察

昨日の研究で出てきたひらめきの起きた場面である、シャワー中や自宅にいる時、交通機関を利用している時、運動中、自然の中にいる時などは、なるほど確かに「適度に魅力的な行動」をしているときに該当していますな。
となると、ここがマインドワンダリングに入りやすいポイントと言えますね。つまり、意図的にマインドワンダリングを発動させようとするなら、「適度に魅力的な行動」を抑えておくと良さそうな感じです。
また個人的に思ったのが、上記の結果を踏まえるとシャワー効果ってのはシャワーでなくても、例えば湯船に浸かっていても同様の効果を得られそうだなーということ。現に私も、湯船で何をしたらいいのか色々試した結果、わざとマインドワンダリングを行うことをしていますし…。しかも結構良いアイディアが思いつくんですよね~。他にもトレッドミルで毎日歩いているとき、ふと良いアイディアが思いつくときがあるんで、上記の結果・ポイントには非常に納得いくものがありました。
皆様も良いアイディアが欲しいときは、シャワー効果を使ったり、適度に魅力的な行動をしてわざとマインドワンダリング状態になることを目指してみてはどうでしょうか…?



参考文献