先週の続きです。
今回は予告通り、若者における完璧主義と精神障がいの関係の研究を見てみます。



若者における完璧主義と精神障がいの関係について系統的レビューとメタ分析を行ってみた…!

2023年のカーティン大学の研究によると、若者における完璧主義と精神障がいの関係について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
今まで見てきたとおり、完璧主義ってのは、不安障害や強迫性障害、うつ病の発症や持続に関係するって感じです。ただこれらは成人を対象にしたものが多く、若者を対象にしたメタ分析はなかったんだとか。
そこで今回、若年層を対象に初のメタ分析を行ってみることにしたらしい。因みに今回のメタ分析では、若者の定義を6歳から24歳までとしたとのこと。
ということでまず研究者たちは、2022年5月22日までに発表された該当研究をMedline、Scopus、Proquest、PsycINFOで検索してみたそうな。すると合計4,927件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複している研究や質の低い研究を除いていったらしい。
最終的に残った研究は121件でして、以下の特徴があったんだとか。

  • 総サンプル数:41,824人
  • 平均年齢:17.70歳
  • 年齢範囲:7~24歳
  • 国・地域:アメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリス・その他のヨーロッパがほとんどで87件(72%)だった

因みに日本の研究も1件だけ選ばれており、2009年の跡見学園女子大学の研究でした。
それでは結果を見てみましょう。

  • 完璧主義的懸念と不安障害の間には有意な中程度の相関関係(r=0.37)があった…!
  • 上記の相関関係は、青少年や若年成人(r=0.41)よりも子ども(r=0.22)の方が小さかった…!
  • 完璧主義的努力と不安障害の間には有意だが非常に小さい相関関係(r=0.05)があった…!
  • 完璧主義的懸念とテスト不安の間には有意な中程度の相関関係(r=0.41)があった…!
  • 完璧主義的努力とテスト不安の間には有意な相関関係がなかった(r=-0.06)
  • 完璧主義的懸念とうつ病の間には有意な中程度の相関関係(r=0.40)があった…!
  • 完璧主義的努力とうつ病の間には有意な相関関係がなかった(r=0.01)
  • 完璧主義的懸念と強迫性障害の間には有意な中程度の相関関係(r=0.42)があった…!
  • 完璧主義的努力と強迫性障害の間には有意だが小さな相関関係(r=0.19)があった…!

上記の結果で書かれていないものについては、年齢や国の経済状況は関係なかったみたい。
因みにテスト不安ってのは、試験とかテストの本番で過度な緊張や不安に襲われ、身体的・心理的・行動的な不調が出てしまうことを言います。
ということで今回の結果をまとめると、若年層の場合、

  • 完璧主義的懸念は、不安障害、強迫性障害、テスト不安、うつ病と中程度の相関関係がある…!
  • 完璧主義的努力は、不安障害、強迫性障害と小さい相関関係がある…!

って感じですかね。
う~む…。完璧主義的懸念がまずい感じで、完璧主義的努力は数値を見るに気にしなくても良いような気がしますな。



個人的考察

但しこの研究には注意点もありまして、若者における完璧主義と精神障がいは関係ある感じなものの、その因果関係は良く分からないんですな。つまり精神障がいの若者に完璧主義が多いのか、完璧主義の若者は精神障がいを発症しやすいのかが謎って感じ。
この辺は今後の研究に期待ですねー。



参考文献