【まとめ】ファスティング・断食・プチ断食ってやるメリットってあるの?どうやればいいの?って話
ファスティング(断食)・プチ断食ってなに…?
ファスティング(断食)・プチ断食とは一定時間食事をしないことを言います。特にプチ断食は健康面で色々なメリットがあるみたいなんですよね~。
プチ断食でどのようなメリットがあるのかというと、
- ホルミーシスが発動する(疲れにくくなる)
- オートファジーが発動する(アンチエイジング効果がある)
- 遺伝子が寿命を延ばそうとする=寿命が延びる(2006年のニューオーリンズ大学などの研究)
- ガン予防が期待できる(2009年のルイジアナ州立大学健康科学センターニューオーリンズの研究)
- 肌が若がえる(成長ホルモンが分泌されるため)
- 運動を組み合わせるとタンパク質の合成能力がアップする≒筋肉量がアップする(2010年のボール州立大学の研究)
- 運動を組み合わせると代謝が良くなる(2011年のベルギーの研究)
- 効率良くダイエットができる(脂肪燃焼モードに入りっぱなしになり、痩せやすい、体脂肪率が下がりやすくなるため)
- 気分が良くなる
- 簡単に実践できる
- 加工食品のダメージを無力化できるかも
まぁ、良い事ばかりですね~。
プチ断食で酸化ストレスが軽減し、インスリンレベルも低下した…!
2015年のフロリダ大学の研究によると、プチ断食について調査してみたそうです。参加者は健康な24人の方々で、通常のカロリー摂取量の25%の食事の時と、通常のカロリー摂取量の175%の食事を3週間交互に試してもらったらしい。つまり、この研究は二重盲検・クロスオーバーデザインのRCTとなっております。
んで、早速結果を見てみると、
- 酸化ストレスが軽減し、インスリンレベルも低下した…!
とのこと。
人間を対象としたプチ断食の研究でアンチエイジング効果があったのは素晴らしいですね~。
ファスティングでFoxa2が活発化した…!
2009年のスイス連邦工科大学の研究によると、マウスにファスティングをしてみるとどうなるのか調べてみたそうです。すると、
- ファスティング中のマウスはFoxa2が活発化した…!
とのこと。
Foxa2は脳や肝臓にあるペプチドで、食欲や活力のホルモンを調節する機能があるそうな。
そして、Foxa2は、インスリンが分泌されると動かなくなってしまうらしい。
流れとしては通常、
- 食べ物を食べる
- インスリンが分泌される
- Foxa2が動かなくなる
- 食欲や活力のホルモン調節が弱まる
という感じになってしまうみたい。
しかし、実験でファスティングを行ったマウスは、Foxa2が活発的になり食欲と活力がアップ、結果、筋肉量が大幅にアップし、逆に体脂肪が大きくダウンしたそうな。因みにインスリン感受性も改善したとのこと。
う~ん。良い感じですねー。
Foxa2を活発化するためにも定期的にファスティングを取り入れるのは良さそうですねー。
5:2ダイエットは普通の食事制限ダイエットと同等の減量効果がある…!
2011年のマンチェスター大学の研究によると、ファスティングの効果を調べてみたそうです。今回実験に参加したのは20歳以降に体重が10kg以上増えており、BMIが24~40の女性107人(30~45歳)だったとのこと。
まず参加者はBMIや乳がんの家族歴、普段の活動量(座りっぱなし又は週に中等度の運動を行う)なんかを基に以下の2グループに分かれてもらったそうです。
期間は6ヶ月間で、体重や体脂肪、乳がん、糖尿病、心血管疾患、認知症リスク、インスリン抵抗性、酸化ストレス、レプチン、アディポネクチン、炎症マーカー、血圧、BDNF等の測定は開始前、開始1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後に行ったらしい。
気になる結果は、
- 低カロリー食グループ(平均-6.4kg痩せた)も5:2ダイエットグループ(平均-5.6kg痩せた)も同じように減量効果があった…!
- インスリン感受性や炎症マーカーなども同じような結果だった…!
そうです。
5:2ダイエットも普通の食事制限ダイエットも同じぐらいの効果があったってのは面白い結果ですよね。
この結果を踏まえて自分の得意な方でダイエットを行っていけばいいんじゃないのかな~と思いました。つまり、毎日少しの制限の方が楽な人は、いつもの食事から25%少ない食事を食べる、メリハリのついた方が楽な人は、5:2ダイエットで行くって感じですね。
それとこの結果を見た時に思ったのは、
- やっぱり地中海式ダイエットはおすすめだよな~
- やっぱり1日や1週間など区切ってみた時の総カロリー摂取量を減らせるかがダイエットの成功ポイントだよな~
ってことでしょうかね。
日替わり断食で痩せた…!
2013年のイリノイ大学シカゴ校の研究によると、肥満体型の人が日替わり断食を使うと痩せられるのか…?について調べてみたそうです。この研究はシカゴ地域から集められた肥満体型の女性35人を対象にして行われたそうで、年齢は25~65歳、BMIは30~39.9だったそうな。んで、参加者を以下の2グループにランダムに振り分けたらしい。
- 日替わり断食+高脂肪食(脂肪45%)グループ:17人
- 日替わり断食+低脂肪食(脂肪25%)グループ:18人
実験期間は、ベースラインの体重維持期間2週間+ダイエット実践期間8週間の全10週間で、最終的に32人が実験を終了できたとのこと。
結果、
- 日替わり断食+高脂肪食グループは、4.4±1.0kg減量に成功していた…!
- 日替わり断食+低脂肪食グループは、3.7±0.7kg減量に成功していた…!
- 日替わり断食+高脂肪食グループのアディポネクチンは、43±7%アップしていた…!
- 日替わり断食+低脂肪食グループのアディポネクチンは、51±7%アップしていた…!
って感じで、食事の脂肪量に関係なく、日替わり断食でダイエットに成功したみたいです。
気になる方は試してみてもよろしいかもしれませんね~。
ファスティング(断食)・プチ断食のやり方
ファスティング(断食)・プチ断食は闇雲にやっても危険なのはすぐに想像がつくことと思います。
そこで、いくつかのやり方を下記に書いていきます。
簡単なプチ断食ルール色々
まずは簡単なプチ断食ルールのものからご紹介。
- 1週間のうち、1日だけ何も食べない日を作る
- 1日のうち、一食だけ抜く
- 日替わり断食→1日に2,000キロカロリーを食べたら、次の日は完全に断食をする
- 5:2ダイエット→週5日間は好きなだけ食べて、週2日は500キロカロリー以下に抑える
ウォーリアー・ダイエット
ルールがいくつかあるプチ断食の一つ目は「アンチエストロゲン・ダイエット」で有名なオーリ・ホフメクラーさんが提唱しているウォーリアー・ダイエット。やり方は、
- 食事は夜中の一食のみ
- 満腹になるまで好きなだけ食べる
- 食事の時間は3時間以内に抑える
- 日中に空腹状態で運動を行う
- どうしても空腹が耐えられなければタンパク質を摂る
曰く、手軽に痩せたい時に便利なんだとか。
やり方は、
- 24時間何も食べない日(断食する日)を週1,2回作る
- 残りの5日間は普通に食べる
って感じ。先程紹介した5:2ダイエットの厳しいバージョンとでも言いますか…。
リーンゲインズ(16:8ダイエット)
リーンゲインズはスウェーデンの栄養コンサルタントであるマーティン・バークマンさんが提唱する方法。
やり方は、
- 1日のうち、8時間以内は好きなだけ食べる(タイミングはいつでもいい・タンパク質を多めに摂ると尚良し)
- それ以外の16時間は、何も食べない(女性は14時間でもOK)
- 断食中に水やお茶、コーヒーは飲んでOK(プロテインはダメ)
- 週3で筋トレをする
- 筋トレの日は炭水化物を摂る。脂肪を控える
- 逆に筋トレをしない日は炭水化物を控える。脂肪を摂る
なんちゃってファスティング
2015年の南カリフォルニア大学のRCTによると、マウスと人間を対象にして、なんちゃってファスティングの効果を調べてみたそうです。
今回実験に参加したのは健康な成人ボランティア38名(年齢18〜70歳、BMI=18.5以上)で、以下の2グループにランダムに分かれてもらったそうな。
- なんちゃってファスティングを行う:19名
- いつも通りの食事を行う(対照群):19名
その後、スタート時の状態を検査したらしい。
…っとここで、なんちゃってファスティングの概要をチェックしておきましょう。
なんちゃってファスティングは、1ヶ月間(30日)のうち、連続5日間だけファスティングを行い、残りの25日間はいつも通りの食事をするというのを3回繰り返す(3ヶ月行う)ダイエット法のことを言うそうです。
連続5日間のファスティング時は、ビタミンやミネラルなどの栄養素を最小限に摂れるよう設計された野菜ベースの食事メニューだったとのこと。
具体的には、
- オリジナルの野菜スープ
- エナジーバー
- エナジードリンク
- チップスナック
- カモミールフラワーティー
- 野菜のサプリ
を食べてもらったみたい。
因みに1日のカロリー摂取量についてはこんな感じ。
- 1日目:約1,090kcalを摂取する(タンパク質10%、脂肪56%、炭水化物34%)
- 2〜5日目:約725kcalを摂取する(タンパク質9%、脂肪44%、炭水化物47%)
個人的にはエナジーバーやエナジードリンク、チップスナックをメニューに加えており、カロリーの質が低そうなのが気になるところ…。
実験期間は3ヶ月だったそうで、身長や体重、二重X線吸収法(DXA)、採血なんかで体組成をチェックしたみたい。
結果、
- 糖尿病のリスクがダウンした…!
- 心血管疾患のリスクがダウンした…!
- ガンのリスクがダウンした…!
- 内臓脂肪が減った…!
- 免疫系が活性化した…!
- 炎症マーカーが改善した…!
- 認知機能(記憶力)が改善した…!
とのこと。
1ヶ月のうち、連続5日間だけファスティングをしても同じような効果が得られるんですねー。
但し、今回の実験はBMIが18.5以上の健康な方を対象としているので、あんまりやせすぎの人が行うと反って危なそうな感じ。健康でない方(例えば糖尿病の方など)も、ファスティング時のダメージに耐え切れず、反って不健康になる可能性がございますので、その辺を注意しつつお試しいただくとよろしいかと思います。
1日1食の断食を続けると標準体型の人でも痩せられる…!
2007年の米国農務省のRCT・クロスオーバーデザインによると、先進国では1日3食が普通だけど食事回数を減らしたら、どのような効果があるのか調べてみたそうです。
今回実験に参加したのは21人(女性14人、男性7人)で、完走できたのは15人(女性10人、男性5人)だったとのこと。因みに平均年齢は45.0±0.7歳でBMI23.4±0.5だったそうで普通体重の中年だったみたい。
参加者は実験期間中、体重維持に必要なカロリー摂取を以下の2パターンのどちらかを用いて摂取したそうです。
- 1日3食(朝食、昼食、夕食)で摂取する。
- 1日1食で摂取する。
実験期間は8週間で、ウォッシュアウト期間は11週間にしたみたい。
因みに1日1食の方は17:00~21:00の間に食べてもらい、最低20時間は断食してもらったそうな。また断食中は基本的に、水やブラックコーヒーといったもののみ摂取を許可されたらしい。
因みに1日1食の方は17:00~21:00の間に食べてもらい、最低20時間は断食してもらったそうな。また断食中は基本的に、水やブラックコーヒーといったもののみ摂取を許可されたらしい。
最後に集まったデータを統計処理した結果、
- 標準体重の方の場合、1日1食生活を続けることができた…!
- 1日1食生活を続けると、カロリー消費量がほとんど変わらずに体重と体脂肪が落ちていた…!
- 1日1食生活は空腹感を大幅にアップさせていた…!
- 1日1食生活で、血圧・HDLコレステロール・LDLコレステロールがアップしていた…!
- 1日1食生活で、コルチゾールが大幅に低下していた…!
となったそうです。
1日1食の断食はきつそうですが、標準体型の人が痩せるのには使えそうですね。
まぁ、標準体型の人が無理して痩せる必要はないかと思いますが、ダイエットにとっての鬼門イベント(クリスマスとか忘年会とか正月とか)が多い時とかだけ、1日1食生活を試すのはありかもしれませんね~。
プチ断食は特に優れたダイエット法ではないという悲しい研究結果のお話
2023年のブリストル大学の研究によると、プチ断食が食欲に与える影響について系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
そもそもプチ断食にはいくつか方法がありまして、2015年のベイラー大学の研究によれば、多くは以下の3種類に分けることが出来るんだとか。
- 日替わり断食:2022年のイリノイ大学シカゴ校の研究によると、日替わり断食とは、完全に断食する日と自由に食べて良い日を交互に繰り返す断食方法のことを言う。
- 5:2ダイエット:2013年の書籍によれば、5:2ダイエットとは、週2日連続しない日に女性は500kcal、男性は600kcalにカロリー摂取量を制限する。残りの週5日は自由に食べて良い日という断食方法のことを言う。
- 時間制限断食:2023年の青島大学の研究によると、時間制限断食とは、毎日特定の時間内でのみ食事をし、残りの時間では食事をしない断食方法のことを言う。例えば、2013年の書籍に載っている16:8ダイエット(=リーンゲインズ)が該当しており、これは毎日8時間のみ食事がOKで、それ以外の時間(16時間)は食事をしないという方法となっている
しかし、これらが食欲に及ぼす影響は謎だったんだとか。
そこで今回研究者たちは、初の系統的レビューとメタ分析を行ってみることにしたらしい。
この研究は、2021年2月19日と2022年2月18日の2回に分けて該当研究がないか検索したと言うもので、使われたデータベースはMEDLINE、PsycINFO、EMBASE、ISI Web of Science、Scopusだったそうな。また未発表の研究を連絡して探したり、参考文献もチェックして探したみたい。その結果、4,390件の研究が見つかったんだとか。
次にこの中で重複している物を除外しつつ、更に質の低い研究も除いていったそうです。最終的に基準を満たした研究は17件のランダム化比較試験(RCT)だったそうで、その特徴は以下な感じだったとのこと。
- RCTの比較グループ:少なくとも2つのグループ(プチ断食グループとカロリー制限グループ)の介入からなるものだった。
- 使われていたプチ断食の種類:6件は日替わり断食、6件は5:2ダイエット、4件は時間制限断食、1件は3つ(日替わり断食と時間制限断食とカロリー制限ダイエット)が使われていた。
- 期間:2週間から12か月の間だった。最も多かった期間は12週間だった。
- 総サンプル数:1,111人だった。但しサンプルサイズは18人~271人と広範囲だった。
- 対象者:全ての研究で成人を対象にしていた。また17件中14件はBMIが24以上の人を対象にしていた。
- バイアスリスク:4件が中程度、13件が高かった(つまり質が低い研究ばかりだった)
- その他:日本の研究はなかった。
プチ断食って最近ようやく浸透してきたし、研究もまぁまぁ出揃ってきている印象でしたが、質の高い研究はほとんどないんですね~。
それでは結果を見てみますかー。
プチ断食とカロリー制限ダイエットと比べてみたところ、
- 空腹感にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 満腹感にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 食欲にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- カロリー消費量にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 体重にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 食事行動についてはメタ分析が出来なかった…。
- 身体活動にプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
- 食事の遵守は同じか、カロリー制限ダイエットの方がプラスの影響があった…。
- ドロップアウトにプラスの影響を与える明確な証拠はなかった…。
とのこと。これはまさかな結果ですな…。
この結果を見て研究者曰く、
- 私たちのメタ分析では、プチ断食が、カロリー制限ダイエットとは異なる形で、空腹感、満腹感、食欲、カロリー消費量などに良い影響を与えるという明確な証拠は得られなかった
とのこと。
つまりプチ断食は特に優れたダイエット法ではないということですね。
但し、わずかばかりの希望も残っておりまして、
- エビデンスレベルが非常に低いことが明らかになり、効果量にほとんど信頼が置けないことがわかった
そうなんで、今後、質の高い研究の結果によっては覆る可能性もございました。
プチ断食と毎日のカロリー制限ダイエットの効果は同じぐらい…!
2011年のイリノイ大学シカゴ校の研究によると、プチ断食と毎日のカロリー制限ダイエットのどちらがダイエットに良いのか調べてみたそうです。そもそもダイエットの基本として、カロリー制限を行うことは減量に効果があります。そして一般的に行われているカロリー制限ダイエットは、毎日の推奨カロリー摂取量から15~60%のカロリーを減らして行う感じです。それに対して、プチ断食はカロリーを気にせず自由に食べていい日、ほぼ食べない日を交互に行い緩急をつけてカロリーを制限していきます。
どちらのダイエット法も減量に効果はあるんですが、じゃあ、優れているのはどっちだ…?ってことで、先行研究をレビューしてみたらしい。具体的にチェックした項目は、過体重・肥満の成人を対象にした、プチ断食と毎日のカロリー制限ダイエットの減量効果、体脂肪の減量効果、筋肉量の維持効果です。
様々な研究を見直した結果、
- プチ断食を3~12週間行うと、体重が4~8%、体脂肪が11~16%も減少していた…!
- 毎日のカロリー制限ダイエットを3~12週間行うと、体重が5~8%、体脂肪が10~20%も減少していた…!
- プチ断食は毎日のカロリー制限ダイエットに比べて、筋肉量の減少が少なかった…!
って感じ。
この結果に研究者曰く、
- プチ断食の方が筋肉量の維持に有効かもしれないが、どちらも体重と体脂肪の減少に同等に効果をもたらすだろう
としています。
ということで、毎日我慢するのが辛い…!って方は、プチ断食でのダイエットがよろしいかもしれませんね。
そもそもカロリー制限ダイエットには2つの種類がありまして、
- 毎日、一定時間カロリー摂取を制限しつつ、その後、気にせずカロリー摂取をする方法(つまり、リーンゲインズですな)
- 毎日、カロリー制限を行う方法(つまり、従来からあるカロリー制限ダイエットですな)
って感じ。
んで、太りすぎや肥満の成人のダイエットにこのリーンゲインズが有効なのか従来からあるカロリー制限ダイエットと比べてみたらしい。
ということでまず研究者たちは、該当する研究をCINAHL、Embase、Medline、PsycINFO、Cochrane、Scopusで検索、続いて質の高い研究を選んでいったみたい。最終的に要件を満たした研究は8件だったそうで、これらを用いて系統的レビューを行ってみたんだとか。
結果、
- リーンゲインズを調べた全ての研究で大幅な減量を報告していた…!
- 1週間で平均0.2~0.8kg減量していた…!
- リーンゲインズと従来からあるカロリー制限ダイエットのカロリー制限量を統一した場合、両方とも同じぐらいの減量効果があった…!
- 脂肪量や除脂肪量(≒筋肉量)、ウエストの長さについても同じぐらいの効果があった…!
とのこと。
やっぱりプチ断食は毎日のカロリー制限ダイエットに匹敵する減量効果があるみたいですね。
系統的レビューとメタ分析の結果でもプチ断食の効果はカロリー制限ダイエットに匹敵する…!
プチ断食には様々な方法がありまして、減量に効果がある…!と人気があるものの、それを裏付けるエビデンスは限られていたんですよね。そこで今回研究者たちは、プチ断食と通常のダイエット(カロリー制限ダイエット)又は対照群と比較してみることにしたらしい。
因みにこの研究におけるそれぞれのダイエットの定義はこんな感じ。
- プチ断食:少なくとも週1日、最高週6日を超えない範囲で1日のカロリー摂取量を800kcal以下にする。
- 通常のダイエット(カロリー制限ダイエット):1日の推奨カロリー摂取量からマイナス25%までの範囲でカロリー制限をする。
- 対照群:自由に食べてもらう。
では研究方法を見ていきましょう。
まず研究者たちは、2015年11月までに発表された該当研究をMEDLINE、Embase、CINAHL、Cochrane Library、ClinicalTrials.gov、ISRCTN registry、anzctr.org.auというデータベースを用いて検索してみたそうな。次に検索にヒットしたものの中から基準を満たす質の高い研究をピックアップ、最終的に6件の研究を選ぶことが出来たんだとか。
この6件の研究の特徴は、
- プチ断食の種類:日替わり断食、5:2ダイエット、週3日断食、週4日断食
- 実験期間:3か月~12か月の間
- 比較対象:4件の研究では比較対象として通常のダイエットが選ばれ、2件の研究では比較対象として対照群が選ばれていた
となっておりました。
これらをメタ分析にかけてみた結果、
- プチ断食は対照群よりも減量効果があった(-4.14kg、-6.30kg~-1.99kgの範囲)…!
- プチ断食と通常のダイエット(カロリー制限ダイエット)は、同じぐらいの減量効果があった(約7kg)…!
- プチ断食と通常のダイエット(カロリー制限ダイエット)を比較してみると減量効果に有意差はなかった(-1.03kg、-2.46kg~0.40kgの範囲)…!
とのこと。
系統的レビューとメタ分析の結果でもプチ断食の効果はカロリー制限ダイエットに匹敵するみたいですな。
少なくとも週1回のプチ断食とカロリー制限ダイエットの減量効果は同じと出た…!
2018年のフェデリコ2世・ナポリ大学の研究によると、プチ断食とカロリー制限ダイエットの減量効果と健康効果をRCTの系統的レビューとメタ分析で調べてみたそうです。
具体的には、体重減少や体組成、血圧、その他の健康リスクについてチェックしてみたとのこと。因みにプチ断食は週1回から週6回断食を行っているものとしたそうな。
ということでまず研究者たちは、2018年5月31日までに発表されている該当研究をPubMed、TRIP database、コクラン、EMBASE、CINAHLで検索してみたそうです。またこの際、RCT(ランダム化比較試験)のみの研究をチェックしたんだとか。
すると8,577件の研究がヒットしたらしい。続いてこの中で重複している研究を除き、その後、各研究の質をチェックしたそうです。
最終的に選ばれた研究は11件のRCTでして、特徴は、
- 総サンプル数:630名(うちドロップアウト102名)
- 男女:女性の方が多かった。例外として男女比が均等だった研究が3件、男性のみの研究が1件あった
- 体型:過体重・肥満の方
- 期間:8~24週間
となっておりました。
それでは系統的レビューとメタ分析の結果を見てみましょう。
- 少なくとも週1回のプチ断食とカロリー制限ダイエットは同じぐらいの減量効果があった…!
- 週2日のプチ断食をした場合、カロリー制限ダイエットよりも空腹時のインスリン濃度がわずかに低下していた…!
どちらの方法でも体重減少、代謝の改善が促進されるみたいですね。
プチ断食はダイエット効果がある…!その効果はカロリー制限ダイエットと同じぐらい…!
2020年のノーザンオンタリオ医科大学の研究によると、プチ断食の減量効果について系統的レビューを行ってみたそうです。
肥満は世界中で問題視されておりまして、なんでも2018年の調査でカナダの成人の63.1%が過体重又は肥満だったそうな。そこでダイエットが大事になるんですが、なかなかうまくいかないのは皆さんご存知の通り。一方でプチ断食はその解決策に使えそうな感じとのこと。そこで今回プチ断食の減量効果について既存の研究結果をまとめてみることにしたらしい。
ということでまず研究者たちは、2000年1月1日~2019年7月1日までに発表された該当研究をEMBASEとMEDLINEで検索してみたそうな。すると1,200件の研究がヒットしたとのこと。続いてこの中で質の低い研究を除外していったそうで、最終的には41件の研究、27の実験に絞る事が出来たんだとか。
これらの特徴は、
- 27件中18件はサンプル数が60人未満で実験期間は12週間以下だった
- 実験期間が最も長い研究は1年でサンプル範囲は137人~244人だった
- いくつかの研究のみ追跡期間が2週間~1年の間だった
って感じ。
やっぱ小規模実験や期間の短い実験が多い感じですね。
では結果を見てみましょう。
- 27の実験全てでプチ断食はスタート時の体重から0.8%~13.0%の範囲で減量していた…!
- BMIを測定した2週間~12週間の16の実験ではBMIが平均4.3%減少し、BMIの中央値が33.2kg/m2になっていた…!
- ウエストを測定した4週間以上の研究ではウエストが3cm~8cmも減少していた…!
- プチ断食とカロリー制限ダイエットを比較した12件の研究では、両方とも同じぐらいの減量効果が見られた…!
- プチ断食による減量のほとんどは脂肪だった…!
- 2型糖尿病患者を対象とした5件の研究では、プチ断食で血糖コントロールが改善していた…!
- 27の実験全てで重大な健康被害は報告されていなかった…!
これまで同様、プチ断食はダイエット効果があるし、その効果はカロリー制限ダイエットと同じぐらいみたいですね。
心血管疾患におけるプチ断食の健康効果についてレビューしてみた…!
2019年のニコラウス・コペルニクス大学のレビュー論文によると、心血管疾患におけるプチ断食の健康効果について見直ししてみたそうです。
ということでレビューのポイントは以下な感じでした。
- プチ断食は心血管疾患の発症にかかわるリスクを低下させる。
- 具体的には減量効果、総コレステロールの減少、中性脂肪の減少、悪玉コレステロールの減少効果がある。
- 炎症マーカー(インターロイキン6、ホモシステイン、C反応性タンパク)を減少させ、慢性炎症を防ぐ。これにより動脈硬化の発症リスクを低下させる。
- プチ断食はアディポネクチン(抗炎症ホルモン)を上昇、レプチンを低下、レジスチン(インスリン抵抗性をアップさせる)を低下させる。
- プチ断食と行うとBDNFが増加、BDNFは迷走神経からアセチルコリンを放出させ、心臓の収縮頻度を減らす。結果、副交感神経が活性化し、収縮期血圧と拡張期血圧が低下、これが高血圧の予防効果になりそうだった。
- 他にもグルコースの代謝が改善され、インスリン感受性がアップ、結果、肥満や糖尿病予防にもなりそうだった。
- 高血圧予防から心肥大(心臓肥大)の予防にも効果がありそうだった。
- 但し、これらのメリットはプチ断食によるものなのか、プチ断食の減量効果によるものなのかは不明だった。
- プチ断食にはデメリットもあった。ホルモンバランスが崩れている人、妊娠中や授乳中の女性、糖尿病患者、摂食障害のある人、BMIが18.5未満の人、低体重の人はプチ断食を行わない方が良かった。
かなり良い感じである一方、プチ断食の効果なのか減量による効果なのか分からないんで、もしかしたら他の方法でも減量できたのであれば、同様のメリットが受けられる可能性があるみたい。またデメリットについても注意しておきたいですね。
プチ断食はBMIと糖代謝にどのような影響をもたらすのか系統的レビューとメタ分析を行ってみた…!
2019年の仁荷大学校の研究によると、プチ断食はBMIと糖代謝にどのような影響をもたらすのか系統的レビューとメタ分析を行ってみたそうです。
そもそもカロリー制限を行うことは、減量効果や糖代謝にプラスの影響をもたらすことが知られております。そのメカニズムについては完全には分かっていないものの、どうやら体脂肪の減少とインスリン抵抗性の改善が大きいみたい。
んがしかし問題なのがカロリー制限を毎日続けると言うことがなかなか続かないということ。その代替案として登場したのがプチ断食です。ただプチ断食の先行研究を見てみると糖代謝への影響は矛盾した結果が出ておりまして、その理由は、対照群の食事内容が決められていない、そもそも決められた食事を守っているのかあやしい、サンプル数が少ない、実験期間が短い、対照群の設定が難しいなどがあるそうな。またメタ分析も行っているもののそれらも矛盾した結果が出ていてよく分からないみたい。
ということで今回、糖尿病のない方を対象に系統的レビューとメタ分析を行い、答えを出して見ようとなったそうです。
まず研究者たちは、2018年11月15日までに発表された該当研究をCochrane、PubMed、Embaseで検索してみたそうな。すると2,814件の研究がヒットしたらしい。続いてこの中で被っている物、質の低い物を除外したそうで、最終的にピックアップできたのは12件の研究だったそうです。
この12件の総サンプル数は545人(男性210人(38.5%)、女性335人(61.5%))でして、
- プチ断食グループの総サンプル数:261人
- コントロールグループの総サンプル数:284人
って感じでした。
では気になる結果を見てみましょう。
プチ断食はコントロールグループと比較して、
とのこと。
この結果に研究者曰く、
- プチ断食は一般集団において、BMIの低下、レプチンの低下、アディポネクチンの上昇をもたらし、それらが血糖コントロールやインスリン抵抗性を大幅に改善させるみたいだ
としています。
プチ断食は糖代謝の改善に役立つみたいですねー。
2020年時点でプチ断食の研究をレビューしてみた…!
2020年のアデレード大学の研究によると、プチ断食の研究についてレビューしてみたそうです。
今まで見てきたようにプチ断食は毎日のカロリー制限ダイエットに替わるダイエット法として注目されておりますが、どっちの方が良いのか謎な分が多かったりするんですよね。そこで今回先行研究を見直ししてみることにしたそうな。
ということで早速ポイントを見ていきましょう。
- ほとんどの研究で、プチ断食のダイエット効果は毎日のカロリー制限ダイエットと同じぐらい…!
- プチ断食を1年間実践した研究では副作用は特になかった。但し長期研究3件のみしかない。他の研究によれば、空腹感、カロリー不足、頭痛、ふらつきが出たという報告があった。
- プチ断食の時間には様々なパターンがあった。18時間の断食や20時間断食、24時間断食などがあり、いずれの研究を見てもベストな断食スタート時間、断食時間は分かっていない。
- 毎日のカロリー制限ダイエットは細かなカロリー計算を必要としてメンドイ。プチ断食は、そのような細かい計算が必要ない為、継続しやすく減量を達成しやすい可能性がある。
こうみるとまだまだ分かっていない事ばかりですねー。
但し、毎日のカロリー制限が辛い、カロリー計算がメンドイって方は行ってみても良いかもと思いました。
ということで自分に合ったダイエット法を選ぶ際の一つの選択肢として押さえておくのが良さそうな感じです。
女性がプチ断食を行う場合の注意点
因みにプチ断食を行う場合、女性は特に注意が必要だったりします。
というのも気を付けることが多いんですよ。代表的な事としては、キスペプチンってホルモンが減っちゃうことです。このホルモンは、生殖機能に関わっておりまして、女性の生理に深く関わっております。そのため、プチ断食で生理周期の乱れやそれに伴う代謝、食欲の乱れが起きる可能性がございます。しかもこのキスペプチンは女性の方が男性よりも多く、敏感さも強いんですよ。なんで、プチ断食のせいで反って食欲が暴走するパターンも有り得るんですな。
まぁ、この辺は女性のダイエット全般にも言えるんですが、以下の症状が出た時は、ちょっと一旦中止をして様子を見た方がよろしいかと。
- PMS(月経前症候群)が起きた
- 生理周期が乱れた
- 冷え性になった
- 気分の波が出てきた(激しくなった)
- お肌のトラブルが出てきた(乾燥肌やニキビ、肌荒れなど)
- 不眠が起きた
- 抜け毛が起きた
- お腹の調子が悪くなった(消化不良など)
プチ断食を含め、ダイエットは用法用量を正しく使うことが大事という感じです。
そのため、もしその辺を含め上手くダイエットされたい方は「女性らしいまま(女性ホルモンを乱さず)ダイエットを成功させるためにはどうすべきか?」の記事を併せてお読みいただくとよろしいかと思います。
個人的考察
自分に合った方法でお試しするのがよろしいかと思います。
参考文献
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0306987706000892
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19135806/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19135806/
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