先週の続きです。
今回は2016年にコロラド大学ボルダー校が発表した、週末に2晩ガッツリ寝れば、日ごろの睡眠不足はカバーできるのかの研究を見てみます。



週末に2晩ガッツリ寝れば、日ごろの睡眠不足はカバーできるのか…?

2016年のコロラド大学ボルダー校の研究によると、週末に2晩ガッツリ寝れば、日ごろの睡眠不足はカバーできるのか調べてみたそうです。
今回の研究では、睡眠不足はインスリン抵抗性と2型糖尿病リスクの増加と関連していることを踏まえて、そのダメージを回復できるのか見てみたとのこと。
この研究は健康でスリムな男性19人を対象に行ったもので、普通に寝る→睡眠制限で寝る→ガッツリ寝るの順序で寝てもらったそうな。もうちょい具体的に言うと以下な流れだったみたい。

  • 1夜目:8.5時間寝た(23:00~7:00)※何故か8時間じゃないけどそこは謎。間違い…?
  • 2夜目:8.5時間寝た(23:00~7:00)
  • 3夜目:8.5時間寝た(23:00~7:00)
  • 4夜目:8.5時間寝た(23:00~7:00)
  • 5夜目:4.5時間寝た(1:00~5:30)
  • 6夜目:4.5時間寝た(1:00~5:30)
  • 7夜目:4.5時間寝た(1:00~5:30)
  • 8夜目:4.5時間寝た(1:00~5:30)
  • 9夜目:12時間寝た(22:00~10:00)
  • 10夜目:10時間寝た(22:00~8:00)

つまり、通常睡眠4日間、睡眠制限4日間、回復睡眠4日間ですね。4日寝不足で週末にガッツリ寝て疲れを取り戻すような形なんで、実生活と近いと言えるんじゃないでしょうか。
それと併せて、インスリン抵抗性や2型糖尿病リスクに関係あるデータを取ってみたらしい。最後にデータを統計処理した結果、以下の傾向が見られたそうです。
んでまず参加者の平均睡眠時間なんですが、

  • 通常睡眠時:7.8±0.1時間
  • 睡眠制限時:4.3±0.02時間
  • 回復睡眠時:9.7±0.2時間

だったんだとか。
多く寝る方が苦戦している印象ですね~。
続いて本題の結果なんですが、

  • インスリン感受性:通常睡眠と比較して睡眠制限は23%低下していた。但し、回復睡眠で改善した…!
  • 糖尿病リスク:通常睡眠と比較して睡眠制限時に悪化した。但し、回復睡眠で正常レベルにまで戻った…!

とのこと。
つまり週末に2日間寝だめをすることでそれまでの睡眠不足をカバーできたみたいなんですな。



個人的考察

但し、これは短期的な場合の睡眠不足であり、慢性的な睡眠不足の場合は違う話となります。また、健康でスリムな(BMIに問題のない)方が参加しておりますんで、その辺も踏まえると、安易に楽観しない方がいいのは間違いなさげ。
ということで、普段はしっかり睡眠を確保した方がいいのは間違いなく、健康な人がたまに夜更かししたら、その後ガッツリ寝れば回復できるよ~ぐらいの話として受け取るとよろしいかと。



参考文献