私、ほぼ毎日のようにジムに通っているのですが、その際、疑問に思うのが、筋トレはマシンで行うべきか…?フリーウェイトで行うべきか…?ってこと。いや~筋トレの疑問は尽きないもんですな(笑)
ってことで今回はその辺について調べた研究を見てみましょう…!



筋トレはマシンで行う方法とフリーウェイトで行う方法の2つがある…!

そもそも筋トレは大きく分けて2つの方法がございます。
それが

  1. マシンで行う筋トレ
  2. フリーウェイトで行う筋トレ

の2つです。
まずマシンで行う筋トレってのは、ピンにウェイトを装着した器具を指しまして、多くの場合、決まった動きの運動を行うんですよね。つまり、フォームが固定・誘導されるって感じです。そのため、筋肉への負荷が軽減されると言われております。
一方でフリーウェイトで行う筋トレってのは、ダンベルやバーベルを用いたものが一般的です。マシンと違い、柔軟な動きが可能となるため、可動範囲が広がるって特徴があるんですな。
そんな2つの方法の違いでよく言われるのがケガ率についてです。例えば2009年のアメリカスポーツ医学会(ACSM)レビュー論文を見てみると、

  • マシンはフリーウェイトよりも安全に筋トレができる可能性がある…!

って主張しているんですな。
また2010年のネイションワイド小児病院の研究でも、フリーウェイトでのケガ率が高いと報告しているとのこと。一方でこの研究では、ケガのほとんどはウェイトが人に落ちたことによるものだったらしく、筋トレ方法そのものではないとも報告しているみたい(そういや私が足の指を3本骨折したときもプレート(ウェイト)を落としたのが原因だったな(笑)
…ってことでまとめると、マシンとフリーウェイトのケガ率は良く分からん感じみたいです。

同じように良く言われるのが負荷の違いについてです。同じ動きの筋トレをする場合、マシンの方がフリーウェイトよりもより高い最大負荷を持ち上げられるみたいなんですな。
例えば、2009年のサスカチュワン大学の研究2005年のドレイク大学の研究を見てみると、スミスマシンによるスクワットはフリーウェイトのスクワットよりも、より高い負荷を持ち上げられたらしい。
ではなぜこういったことが起きるのかと言いますと、2005年のニューファンドランドメモリアル大学の研究2012年のニューファンドランドメモリアル大学の研究によれば、安定性やバーの動きの固定化の影響の可能性が高いみたい。
ただこれが良いことかっていうとこれまた微妙な感じでして、筋肉にとって望ましい方向へ動かせるってことは、つまり力を発揮するよりも安定性を重視している可能性があるんですな。そのため、マシンによる安定性の高さは筋力パフォーマンスに悪影響を及ぼすともいえるんですよ。
でもでも一方で2010年のニューヨーク市立大学リーマン・カレッジの研究(ブラッド・J・シェーンフェルド博士の研究)によると、マシンを使ったより高い負荷での筋トレは筋力増加にメリットがありそうとも言っているんですな。う~ん。悩ましい…。
んがしかし、2021年のニューヨーク市立大学リーマン・カレッジの研究(ブラッド・J・シェーンフェルド博士の研究)2017年のニューヨーク市立大学リーマン・カレッジの研究(ブラッド・J・シェーンフェルド博士の研究)を見てみると、オールアウトでなくても同じように筋肥大した…!って出ているんで、より多くの筋肉成長にはつながらない可能性もあるんですよ(この辺について更に詳しく知りたい方は「筋トレは限界まで追い込むべきか否か?オールアウトについて考える!」をご覧ください)
こんな感じで結局、マシンが良いのか、フリーウェイトが良いのかは今も議論が続いているところなんですよね。



マシン・フリーウェイトの筋トレを比較し、筋肥大、筋力、筋爆発力の変化を系統的レビュー・メタ分析で見てみた…!

2021年のローワン大学系統的レビュー・メタ分析によると、マシン・フリーウェイトの筋トレを比較し、筋肥大、筋力、筋爆発力の変化を見てみたそうです。
まず研究者たちは、2020年9月15日までに発表された該当研究をPubmed、Scopus、Web of Scienceで検索してみたそうな。続いて検索にヒットした研究を適格基準と除外基準に照らし合わせていったらしい。最後にそれらのデータをまとめてメタ分析を行ってみたそうです。
結果、

  • フリーウェイトで測定すると、フリーウェイトはマシンよりも筋力がアップしていた(効果量0.655)
  • マシンで測定すると、マシンはフリーウェイトよりも筋力がアップしていた(効果量-0.784)
  • 中立的な方法で測定すると、マシンとフリーウェイトは同じぐらい筋力がアップしていた(効果量0.128)
  • 筋爆発力(効果量-0.049)と筋肥大(効果量-0.01)に差はなかった

とのこと。
つまり、自分の好きな方・続けやすい方を選ぶと良い…!ってことですね。



フリーウェイトとマシンでの筋トレが、最大筋力、筋肥大、ジャンプ力にどのような影響を及ぼすのか系統的レビュー・メタ分析を行ってみた…!

2023年のノード大学の研究によると、フリーウェイトとマシンでの筋トレが、最大筋力、筋肥大、ジャンプ力にどのような影響を及ぼすのか系統的レビュー・メタ分析を行ってみたそうです。
まず研究者たちは、2023年1月1日までに発表された該当研究をOvid経由でMEDLINEとEmbase、EBSCOhost経由でSPORTDiscusで検索してみたそうな。すると全部で783件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で重複している研究や質の低い研究を除いていったらしい。
最終的に残った研究は13件でして、以下のような特徴があったそうです。

  • 13件中6件は筋トレ経験者が対象だった。13件中7件は筋トレ未経験者が対象だった。競技スポーツ選手を対象にした研究はなかった。
  • 総サンプル数は1,016人で、男性789人、女性219人だった。平均サンプル数は72.6±111.7人で、範囲は19人~429人の間だった。
  • 平均実験期間は8.9±1.9週間だった。範囲は6週間~12週間の間だった。
  • 筋トレ頻度は週2回~週4回だった。
  • フリーウェイトグループでよく行われていた筋トレは、バックスクワットベンチプレス、バーベルを使った筋トレだった。
  • マシングループでよく行われていた筋トレは、レッグプレスチェストプレススミスマシンだった。

それでは結果を見てみましょう…!

  • フリーウェイトで測定すると、フリーウェイトはマシンよりも筋力がアップしていた(SMD-0.210)
  • マシンで測定すると、マシンはフリーウェイトよりも筋力がアップしていた(SMD0.291)
  • 動的筋力(動かす筋力:SMD0.084)、静的筋力(維持する筋力:SMD-0.079)、ジャンプ力(SMD-0.209)、筋肥大(SMD-0.055)に差はなかった。

つまりこちらの研究でも、自分の好きな方・続けやすい方を選ぶと良い…!ってことですな。



個人的考察

ということで、一言でまとめると、

  • 筋トレはマシンでもフリーウェイトでも自分の好きな方・続けやすい方を選ぶと良い…!

って感じです。
因みに私はジムで空いている物をやっています(待つのが嫌なので)



参考文献