【加筆内容】うつ病の再発ってクセになるよーって話と治療を中止すると再発しやすいよーって話
前にうつ病の再発率についての研究を見ました。
うつ病や双極性障害の再発はクセになる…!
2004年のコペンハーゲン大学の研究によると、うつ病と双極性障害における再発リスクとうつ病エピソード数の関係について調べてみたそうです。
そもそもうつ病と双極性障害における再発の最も重要な予測因子の一つとして、過去のうつ病エピソード数が挙げられます。ただ、うつ病エピソード数がその後の再発リスクに及ぼす影響まではあんまり研究が進んでいなかったらしい。そこで今回チェックしてみることにしたんだとか。
この研究は、1959年~1963年の間にチューリッヒ大学精神病院に入院し、1997年まで追跡調査された406名の患者さんを対象にしたもので、406名のうち、186名がうつ病患者さん、220名が双極性障害の患者さんだったとのこと。
んで、追跡調査のデータを見てみたところ、
- うつ病エピソードを1回経験した後の再発リスクは50%…!
- うつ病エピソードを2回経験した後の再発リスクは70%…!
- うつ病エピソードを3回経験した後の再発リスクは90%…!
- つまり、うつ病エピソード数が増加すると、再発リスクも増加していた…!
- 新たなうつ病エピソードが発生するたびに、病状が悪化するリスクも高まっていた…!
- 上記は、うつ病・双極性障害、男性・女性に関係なく起こっていた…!
そうです。
つまり、鬱な状態の回数が増えるほど、うつ病や双極性障害を再発したり、症状が悪化する事も多くなると。クセになって負のループが続くみたいな感じですね。
抗うつ薬を26週間続けると再発リスクを13%減らせる…!抗うつ薬を26週間やめると約33~50%の割合で再発する…!
2017年のイェール大学の研究によると、抗うつ薬の治療を中止したときの再発リスクについて調べてみたそうです。この研究は、2012年以前に実施された、大うつ病患者さんを対象とした抗うつ薬(デュロキセチン又はフルオキセチン)の治療とプラセボを比較した4件の二重盲検の研究データを使ったものでサンプル数は1,462人となっております。
んで、治療中の26週目までの再発についてデータをモデル化し、サンプル数全体と抗うつ薬の中止グループに分けて統計処理してみたんだとか。
結果
- 抗うつ薬もプラセボも再発の流れは似ていた
- 抗うつ薬は再発リスクを有意に低下させていた(OR0.47)
- 女性であることは再発リスクを有意に増加させていた(OR1.56)
- 治療の反応期間が1週間短いと再発リスクを有意に増加させていた(OR1.10)
- 実験開始時の臨床全般印象スコアが高いと再発リスクを有意に増加させていた(OR1.28)
- 全体として、抗うつ薬とプラセボを比較した場合の再発リスクに対する保護効果は約13%(33%vs46%)だった
とのこと。
つまり、抗うつ薬を26週間続けると再発リスクを13%減らせる、抗うつ薬を26週間やめると約33~50%の割合で再発するって感じですね。
個人的考察
これらを見ても、うつ病は如何に再発を防ぐかがポイントだと言えましょう。
