ということで今回も2005年のコロラド州立大学レビュー論文の続きを見てみます。



精製植物油

アメリカでは、1909年から1999年の90年間で植物油の使用が著しく増えているそうです。具体的には、一人当たりの消費量がサラダ油と調理油は130%、ショートニングは136%、マーガリンは410%も増えているんだとか。そしてこの傾向は世界中で見られており、油糧種子を作る上での工業化と機械化によって可能となったとのこと。
そもそもクルミ、アーモンド、オリーブ、ゴマ、亜麻仁の種子から作られる油は、5000~6000年前に初めて生産されたと考えられるそうです。但し、オリーブオイルを除いて、油の初期の使用のほとんどは、照明、潤滑油、薬などの非食用目的であったらしい。それが工業化と機械化によって世界中で植物油の生産性が向上し、従来消費されていなかった油の利用も可能になったそうな。そして1897年に初めて開発された水素化処理によって植物油を固体化・半固体化させることで製造されるマーガリンやショートニングが登場します。水素化処理によって、従来の人間の食品にはほとんど含まれていない新しいトランス脂肪酸異性体が生成されたということです。
その結果、産業革命後に精製植物油​​が大量に世界の食糧供給に加わり、脂肪摂取の量・質の両面が大きく変化したそうです。


アルコール(お酒)

栽培ブドウから造られたワインについて、最古の証拠はイラン北部のザグロス山脈で発見された7400~7100年前の陶器の壺とのこと。またビールについての最古の証拠はイラン南部クルディスタンのゴディン遺跡で発見された紀元前4千年紀後半のものなんだとか。そして蒸留酒が登場するのはずっと後らしく、西暦800年頃から1300年頃にかけて、ヨーロッパ、西アジア、中国の様々な地域で開発されたみたい。
因みにブドウが発酵してワインになる過程は、人類が知るずーっと前から繰り返されてきたのは間違いないとのこと。秋にブドウが熟しきると、果実が大きく膨らんで破裂、果汁の糖分が皮の上の酵母と接触し増殖して二酸化炭素とエタノールを生成という流れですね。但し、果物は季節によって供給変動が起きますし、狩猟採集民は限られた液体貯蔵容量しかなかったと思われるため、ワインなどの発酵果実飲料は、新石器時代以前の人類の食生活にはほとんど、あるいは全く登場しなかったと考えられているそうです。



個人的考察

ということで今回はここまで。
次回も引き続き各食品について深掘りしていきます。



参考文献

後でご紹介します。