筋トレのセット間の休憩時間って何分が良いのか?」シリーズの続きです。
今回は色々な大学の研究をバーッと見ていきます。



オールアウトにおける筋トレの筋持久力に与えるセット間の休憩時間の違いについて調べてみた…!

2007年のミゲル・デ・セルバンテス・ヨーロッパ大学RCTによると、オールアウトにおける筋トレの筋持久力に与えるセット間の休憩時間の違いについて調べてみたそうです。
因みにオールアウトってのは、筋トレ時、限界まで追い込むことを言います。
この研究は、筋トレ未経験者21人が参加したもので、以下の3グループにランダムに振り分けたというもの。

  1. 短いセット間の休憩グループ:セット間の休憩時間を1分に設定。
  2. 長いセット間の休憩グループ:セット間の休憩時間を4分に設定。
  3. コントロールグループ:何もしない。

短いセット間の休憩グループと長いセット間の休憩グループは、


とのこと。
これを5週間続けてもらい、違いがあるのか見てみたそうです。
結果、

  • セット間の休憩時間4分は、セット間の休憩時間1分よりも、有意に多い総トレーニング量を達成した…!
  • セット間の休憩時間が1分だとレップ数の平均速度が有意にアップしていた…!
  • セット間の休憩時間が4分だとレップ数の平均速度に有意差はなかった…。
  • その他はどちらも有意な変化はなかった…。

って感じ。
つまりこれで何が言えるのかというと、

  • セット間の休憩時間が1分でも4分でも筋持久力は同じようにアップする…!
  • 但しセット間の休憩時間が1分だと、レップ数の平均スピードの低下率が軽減する…!

となりましょう。
この結果に研究者曰く、筋持久力+高い反復スピードを求めるスポーツだと休憩時間は短い方が良い可能性があるってことでした。
う~ん。正直普通の筋トレ好きならどっちでも良いのかな~って思いますね。ボリュームを考えたら4分かしら…。



セット間の休憩時間の違いにおける様々な上半身筋トレの反復回数への影響について調べてみた…!

2007年のリオデジャネイロのカステロ・ブランコ大学の研究によると、セット間の休憩時間の違いにおける様々な上半身筋トレの反復回数への影響について調べてみたそうです。
この研究は筋トレ経験のある男性14人が参加したもので、全ての参加者に以下の6つの上半身の筋トレを行ってもらったらしい。


各筋トレを8RMで8レップ3セット行ってもらったとのこと。
また上記メニューを2回行ってもらったんですが、その際、セット間の休憩時間を

  1. 1分間
  2. 3分間

の2パターンで行ってもらったそうな。
最後に集まったデータを見てみたところ、

  • 全ての筋トレで、セット間の休憩時間1分は、3分よりも総反復回数が有意に減少していた…!
  • 3分間と1分間の両方の休憩時間において、6つの筋トレのうち4つで1セット目から3セット目にかけて総反復回数が有意に減少していた…!
  • 1分間の休憩時間のみ、6つの筋トレのうち2つで1セット目から2セット目にかけて総反復回数が有意に減少していた…!

とのこと。
つまり、上半身の筋トレは方法に限らず、1分よりも3分の方が良い…!ってことになりますね。



セット間の休憩時間の長さが上半身の筋トレに与える影響について調べてみた…!

2009年のヴァーレ・ド・パライーバ大学の研究によると、セット間の休憩時間の長さが上半身の筋トレに与える影響について調べてみたそうです。
この研究は筋トレ経験のある男性12人が参加したもので、8RMの負荷で3セットずつ、以下の5つの上半身筋トレを行ってもらったんだとか。


上記を2回やってもらったんですが、その際セット間の休憩時間を変えたそうで、

  • 1回目:1分間
  • 2回目:3分間

の2パターンで行ってもらったみたい。
結果、

  • セット間の休憩時間を3分間にすると、筋トレ量が有意に多くなった…!

とのこと。
やっぱり3分が良さげですね~。



筋トレにおけるセット間の休憩時間についてレビューしてみた…!

2009年のリオデジャネイロ州立大学の研究によると、筋トレにおけるセット間の休憩時間についてレビューしてみたそうです。
筋トレは筋力・筋持久力・筋肥大などの為に役立ちますが、効率的に、安全に、効果的にやるためには、強度、セット数、セット間の休憩時間、筋トレ方法、筋トレスピードなどの変数を理解することが必要とのこと。今回はその中のセット間の休憩時間について先行研究を見直ししてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、Scielo、Science Citation Index、National Library of Medicine、MEDLINE、Scopus、Sport Discus、CINAHLで該当する先行研究を検索してみたそうな。次に基準に従い精査していったらしい。
最終的にピックアップされた研究は35件とのことで、レビューのポイントは以下な感じ。

  • 1RMの50~90%の筋トレの場合は、セット間の休憩時間を3~5分にすると、たくさんレップ数をこなせられる…!
  • また、セット間の休憩時間を3~5分取ることで、筋トレの強度と量が高くなり、筋力アップが見込められた…!
  • 更にセット間の休憩時間が1分よりも、3~5分の方が、複数のセットでより高い筋力を発揮できた…!
  • 最大筋力テストではセット間の休憩時間が1分で十分かも…?って結果もあったけど、3~5分の休憩を挟む方がより安全で信頼性が高い可能性がある…!
  • 筋肥大目的の筋トレなら、中強度筋トレ+30~60秒のセット間の休憩を組み合わせると良さそう…!
  • セット間の休憩時間と筋持久力の関係は良く分からなかった。
  • 20秒~1分のような短いセット間の休憩はHIITのようなものに向いている…!

ざっくりまとめると、筋トレのセット間の休憩は3~5分が良さそう…!って感じでした。