先週先々週の続きです。
これまで筋トレのセット間の休憩時間研究について、イースタンイリノイ大学とリオデジャネイロ連邦大学の物をいくつか見てきました。
今回はニュージャージー大学の研究を見てみたいと思います。



セット間の休憩時間の長さがベンチプレスのパフォーマンスにどう影響するのか、性別・筋力の違いも考慮して調べてみた…!

2012年のニュージャージー大学の研究によると、セット間の休憩時間の長さがベンチプレスのパフォーマンスにどう影響するのか、性別・筋力の違いも考慮して調べてみたそうです。
この研究は、2つの実験を行っておりまして、最初の実験では男女22名を対象に性別の影響を調べてみたとのこと。
流れは、

  1. 1RMの75%で最大10レップのベンチプレスを行う
  2. これを3セット行う
  3. セット間の休憩時間は1分、2分、3分とする

って感じ。
次の実験では男性23名を対象に筋力の影響を調べてみたとのこと。
流れは、

  1. 参加者の1RMをチェックする
  2. 低1RMグループ(平均80.7±7.5kg)と高1RMグループ(平均140.6±11.9kg)に分ける
  3. 最大10レップのベンチプレスを行う
  4. これを3セット行う
  5. セット間の休憩時間は1分、2分、3分とする

って感じ。
これでセット間の休憩時間の違いによって、性別・最大筋力への影響の違いが分かる訳ですな。
ではセット間の休憩時間の違いと男女の違いから見てみましょう。

【女性】
  • 1分間の休憩におけるレップ数:26.9±4.4回
  • 2分間の休憩におけるレップ数:29.0±2.0回
  • 3分間の休憩におけるレップ数:29.7±1.8回

【男性】
  • 1分間の休憩におけるレップ数:21.1±3.5回
  • 2分間の休憩におけるレップ数:24.0±4.5回
  • 3分間の休憩におけるレップ数:25.8±5.1回

ここから言えることは、

  • 男女に関係なく、セット間の休憩時間は長い方がいい…!
  • 女性は男性よりも、有意に多くのレップ数を行っていた…!

って感じでしょうか。
因みに男性は女性よりも、平均速度とパワーの低下幅が有意に大きかった…!って結果も出ております。

続いて、セット間の休憩時間の違いと最大筋力の違いから見てみましょう。

【低1RMグループ】
  • 1分間の休憩におけるレップ数:21.6±5.0回
  • 2分間の休憩におけるレップ数:24.2±5.4回
  • 3分間の休憩におけるレップ数:25.1±5.1回

【高1RMグループ】
  • 1分間の休憩におけるレップ数:18.1±2.0回
  • 2分間の休憩におけるレップ数:21.3±2.8回
  • 3分間の休憩におけるレップ数:23.4±3.2回

ここから言えることは、

  • 1RM(最大筋力)に関係なく、セット間の休憩時間は長い方がいい…!
  • 低1RMグループは高1RMグループよりも、1分・2分休憩では、有意に多くのレップ数を行っていた…!

って感じでしょうか。
因みにこちらでは平均速度とパワーの低下に有意差はなかったそうです。
これらを見ると、女性又は筋力の低い人程、セット間の休憩時間の回復効果を受けやすい…!ってなる感じ。



男女における上半身の筋トレの最初の休憩時間の長さが、その後のパフォーマンスに及ぼす影響について調べてみた…!

2012年のニュージャージー大学の研究によると、男女における上半身の筋トレの最初の休憩時間の長さが、その後のパフォーマンスに及ぼす影響について調べてみたそうです。
この研究は最低1年以上の筋トレ経験を持つ男女22名が参加したもので、以下の筋トレメニューを3回、ランダムな順序で行ったとのこと。


その際の1RMは75%でして、最大10レップを3セット行ってもらったらしい。
また、ベンチプレスのセット間の休憩時間は1分、2分、3分とし、それ以外の筋トレ時のセット間の休憩は標準的な2分間としたんだとか。
んで結果を見てみますと、

  • バーベルベンチプレスとバーベルインクラインベンチプレスの3セットにおけるスピード・パワーの低下は、男性の方が女性よりも有意に大きかった…!
  • 男性におけるベンチプレスのセット間の休憩時間の違いは、残りの筋トレパフォーマンスに影響を与えなかった…!
  • 女性におけるバーベルインクラインベンチプレスの最初のセットでは、1分間の休憩よりも3分間の休憩の方が有意に多くのレップ数を行えた…!
  • 男女ともに、バーベルインクラインベンチプレス・バーベルショルダープレスのパフォーマンスはスタート時よりも低下していた…!
  • 女性では、最初の筋トレのセット間の休憩時間の違いが、後の筋トレ1つの最初のセットのパフォーマンスにのみ影響を与えた…!

とのこと。
上記の研究でもそうでしたが、セット間の休憩時間の効果って男性よりも女性の方が影響を受けやすいみたいですね。



セット間の休憩時間とVO2max・筋トレパフォーマンスの関係について調べてみた…!

2014年のニュージャージー大学RCTによると、セット間の休憩時間とVO2max・筋トレパフォーマンスの関係について調べてみたそうです。
この研究は筋トレ経験のある男性17名が参加したもので、まずは全員のVO2maxと1RMをチェックしたそうな。続いて以下の2グループにランダムに分かれてもらい、運動をしてもらったとのこと。

  1. スクワット→ベンチプレス:8名
  2. ベンチプレス→スクワット:9名

各運動は1RMの75%で最大10レップを5セット行ってもらったらしい。
併せてセット間の休憩時間を1分、2分、3分で取ってもらったとのこと。
結果、

  • レップ数は、セット間の休憩が3分間の時最も多く、1分間の時最も少なかった…!
  • VO2maxは、セット間の休憩が1分間の時有意に高く、3分間の時最も低かった…!
  • 1分・2分休憩のスクワット後にベンチプレスを行うと、VO2maxが高くなる傾向があった…!
  • VO2maxは、ベンチプレスとスクワットの1RMと有意な負の相関関係にあり、スクワットのレップ数と有意な相関関係にあったが、ベンチプレスのパフォーマンスとは関係なかった…!

そうです。面白い結果ですね~。
短いセット間の休憩時間はスクワット(下半身の筋トレ)やVO2maxと相性が良さげっぽいですね。



個人的考察

ということで性差の違いを中心に分かったことがありましたね。
次回は、他の大学の研究をチェックしてこれらの内容を補完していきます。



参考文献