「筋トレのセット間の休憩時間って何分が良いのか?」その1その2その3その4の続きです。
今回もいくつか研究を見ていきましょう…!



セット間の休憩時間と筋トレによる筋肥大への影響についてレビューしてみた…!

2014年のMennoHenselmansの研究によると、セット間の休憩時間と筋トレによる筋肥大への影響についてレビューしてみたそうです。
ということで先行研究を見直ししてみると以下のことが言えたんだとか。

  • セット間の休憩時間と筋トレによる長期的な筋肥大をチェックした研究では、短い休憩時間は長い休憩時間よりも良いという結果は得られず、1つの研究ではその逆の結果も出ていた。
  • セット間の休憩時間が1分未満だと、成長ホルモンが急激に増加する可能性がある。一方でテストステロンコルチゾール比が低下する。但し長期的に行うと運動後の内分泌反応を弱める可能性があり(つまり慣れちゃう)、ホルモン産生の一時的な変化と慢性的な筋肥大との関連性は非常に議論の的となっている。ただ、その関連性は弱い様子。
  • セット間の休憩時間の違いが、免疫反応、筋損傷、代謝ストレス、エネルギー産生能力にどのような影響を与えるのか…?、筋肥大との関係は…?ってのは依然として良く分かっていない。

…ってことで、ざっくりまとめると、従来言われてきた事ってあやしいよ~って感じですね。
この結果から研究者曰く、

  • 結論として、筋肥大のための筋トレはセット間の休憩時間が短いと良い説を支持しない

ってことでした。



セット間の休憩時間の違いがもたらす筋トレの筋力と筋肥大への影響について調べてみた…!

2016年のニューヨーク市立大学リーマン・カレッジRCTによると、セット間の休憩時間の違いがもたらす筋トレの筋力と筋肥大への影響について調べてみたそうです。
この研究は、筋トレ研究で超有名なブラッド・J・シェーンフェルド博士が行ったもので、参加者は筋トレ経験のある若い男性21名とのこと。まずは参加者全員を以下の2グループにランダムに振り分けたそうな。

  1. セット間の休憩時間が1分間のグループ
  2. セット間の休憩時間が3分間のグループ

続いて8週間、以下の流れで筋トレ・測定を行ってもらったみたい。

  1. 1週間に7種類の筋トレ種目を行った。
  2. 8~12レップで限界が来るよう設定しつつ、3セット行ってもらった。
  3. 全身の筋トレを3回行った。
  4. 最後にベンチプレスバックスクワット最大筋力(1RM)を測定、1RM50%のベンチプレスで筋持久力を測定、超音波画像診断装置(エコー検査)で上腕筋(腕)・大腿四頭筋(太もも)の厚み(筋肥大)を測定して、実験開始終了前後のデータを比較した。

では気になる結果を見てみましょう。

  • 最大筋力:セット間の休憩時間が3分間の方が1分間よりも有意にアップ…!
  • 筋持久力:両グループとも上半身の筋持久力が有意にアップしていたがグループ間の有意差はなし…!
  • 筋肥大:セット間の休憩時間が3分間の方が1分間よりも有意にアップ…!

つまり、セット間の休憩時間は長い方(3分間)が筋力と筋肥大がよりアップする…!ってことですね。



最大負荷に近い強度で単関節運動と多関節運動の筋トレを行い、セット間の休憩時間を変えて効果を調べてみた…!

2016年のリオデジャネイロ州立大学の研究によると、最大負荷に近い強度で単関節運動と多関節運動の筋トレを行い、セット間の休憩時間を変えて効果を調べてみたそうです。
軽く復習しておきますと、単関節運動と多関節運動ってのは以下のことを言います。

  • 単関節運動:1つの関節を動かす運動のこと(例:ダンベルカール
  • 多関節運動:2つ以上の関節を動かす運動のこと(例:スクワット

これらの運動の違いとセット間の休憩時間の違いを組み合わせてチェックしてみたってことですね。では見ていきますかー。
この研究は、男性15人が参加したもので、平均年齢26.40±4.94歳、平均体重79.00±7.10kg、平均身長176.6±6.06cm、平均体脂肪率11.80±2.47%と、なかなか良い体格をした人たちとなっております。んで参加者には、以下の方法で筋トレをしてもらったんだとか。


それでは結果を見てみましょう。

【単関節運動(マシンペックフライ)とセット間の休憩時間の違い】
  • セット間の休憩時間1分:10.33±2.60レップ
  • セット間の休憩時間2分:12.60±2.35レップ
  • セット間の休憩時間3分:13.66±1.84レップ
  • セット間の休憩時間5分:12.93±2.25レップ

【多関節運動(バーベルベンチプレス)とセット間の休憩時間の違い】
  • セット間の休憩時間1分:7.60±3.52レップ
  • セット間の休憩時間2分:9.53±3.11レップ
  • セット間の休憩時間3分:11.66±2.79レップ
  • セット間の休憩時間5分:12.93±2.25レップ

ここから研究者は、

  • 単関節運動(マシンペックフライ)のセット間の休憩時間は2分で十分…!
  • 多関節運動(バーベルベンチプレス)のセット間の休憩時間は3~5分で十分…!

とおっしゃっております。
多関節運動のように複数の関節を使うと疲労度も多くなるんで休憩時間も多めに設定した方が良さげですね。まぁ、個人的には単関節運動とか多関節運動とかでいちいちセット間の休憩時間を変えるのが面倒なんで、3分で良いのかな~と思いますが…。
因みにどちらの筋トレもセット数が増えるにつれてパフォーマンスが落ちていったそうです。特に1分休憩だと2セット目から低下が見られたそうなんで、やっぱある程度の休憩時間は必要だと言えましょう。



個人的考察

色々見ていますが大体似たような結果が出ていますね。
ということで続きは来週です。



参考文献