旧石器時代(狩猟採集民)の食事をマネる「パレオダイエット」の効果を見てみよう! その2
「旧石器時代(狩猟採集民)の食事をマネる「パレオダイエット」の効果を見てみよう!」シリーズの続きです。
前回の研究では、狩猟採集民は肉メインの食事だよーって話を見てみました。今回は、でもそんなに肉ばっか食って心臓とか血管とか大丈夫なんか…?ってのを調べた研究になります。それでは早速見てみましょう。
そもそも20世紀の狩猟採集民研究によって、狩猟採集民は心血管疾患(CVD)とは無縁な生活を送っていることが示されているそうな。そのため狩猟採集民の食生活を知ることは、西洋化社会における心血管疾患リスクを下げる食事法を知るのに役立つとのこと。
そこで今回、先行研究13件を見直ししてみたんだとか。
まず動物性食品と植物性食品の割合なんですが、
- 動物性食品:65%
- 植物性食品:35%
って感じで、およそ3分の2が動物性食品、3分の1が植物性食品だったらしい。
この傾向は229人の狩猟採集民をチェックした他の研究とも一致しているらしく、そちらでは、動物性食品が68%、植物性食品が32%だったとのこと。また、旧石器時代の研究を見ても、人類において肉メインの食事は長い歴史を持っていると予想されているそうな。
一方で、西洋化社会での食事に於いて、肉の消費量の増加は心血管疾患の死亡リスクの上昇としばしば関連があると出ております。ちょっと矛盾している感じですよね。
つまり、動物性食品を食べることイコール心血管疾患リスクのアップではないということが言えるんですな。
じゃあ、何が原因なのかってことで先行研究を見てみると、狩猟採集民は、
- 高タンパク質食だった(1日の摂取カロリーのうちタンパク質は19~35%)
- 比較的低い炭水化物(マイルドな糖質制限ダイエット)だった(1日の摂取カロリーのうち炭水化物は22~40%)
- 脂質は西洋スタイルの食事と同等かそれ以上だった(1日の摂取カロリーのうち脂肪は28~58%)
- 但し、脂肪のカロリーの質が高い、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率が低いといった特徴があり、これが心血管疾患リスクを上げない要素となっている可能性が高い
- また抗酸化物質の摂取量が多い、食物繊維の摂取量が多い、ビタミンやミネラルの摂取量が多い、塩分の摂取量の少ないなども関係していそうだった
- 更に運動量が多い、ストレスが少ない、タバコを吸わないといった生活習慣も相乗的に作用して心血管疾患リスクを下げていると思われた
とのこと。
つまり、これらが心血管疾患を下げているポイントってことですね。
個人的考察
次回は、狩猟採集民の食事ってどのぐらいから食べられていたのか、今の食事、つまり西洋スタイルの食事はいつから始まったのかなどについて見ていきます。