【加筆内容】ゲーム化・ゲーミフィケーションを学ぶ!その5「糖尿病とゲーミフィケーションの研究の特徴を見てみよう!」
糖尿病とゲーミフィケーションの研究の特徴をまとめてみた…!
2020年のイラン医科大学の研究によると、糖尿病とゲーミフィケーションの研究について系統的レビューを行ってみたそうです。
ゲーミフィケーションは、学習やトレーニングの質を高め、モチベをアップし、他者と競い合うために使用される効果的なツールですが、これが、糖尿病分野で用いられることがあったんですよね。
そこで今回これらの先行研究をピックアップし、特徴をまとめてみることにしたんだとか。
まず研究者たちは、2018年10月14日から16日にかけて該当する研究をPubMedやOvid、Cochrane、Scopus、Web of Science、ProQuest、Springer、Embase、Science Directといったデータベースで検索してみたそうな。
その結果、
- PubMed→184件
- Ovid→200件
- Cochrane→257件
- Scopus→527件
- Web of Science→60件
- ProQuest→408件
- Springer→0件
- Embase→129件
- Science Direct→29件
の合計1,794件の研究がヒットしたらしい。
続いてこの中から重複しているものや質の低い物を除いていったそうで、最終的には35件の研究が選ばれたみたい。
因みにこの35件の研究のうちで、最も古い糖尿病とゲーミフィケーションの研究は1987年の研究だったとのこと。そんな昔から研究があったんですね。すごい…。
更に35件を見てみますと日本人の方がされた研究が2件ピックアップされておりました。どちらも同じ研究者が行ったものでして、2005年の研究と2004年の研究になります。余談ですが、どんなゲームか試しにやってみようと思ったんですが、研究が古くて残念ながら見つけることが出来ませんでした(どうやら1型糖尿病の子ども向けに開発したオリジナルゲームっぽい)
また、糖尿病とゲーミフィケーションに使われたゲームはオリジナルゲームとメーカーから販売されたものの2種類に分かれておりまして、中でも任天堂のWii Fit Plusが人気でしたね。他では、何故かマリオブラザーズをチョイスしていたり、ダンレボ(ダンスダンスレボリューション)が使われているものもありました。
但し、全体的にみてほとんどのゲーミフィケーションで使われたゲームはアメリカで制作されておりまして、日本人向けの物はなさそうな感じです。これは残念。
んで、まずゲームの特徴の大枠なんですが、
- 全てのゲームは糖尿病の患者さんを学習させ、スキルが身に付けられるようになっており、また行動を改善することを目的としていた
- そのため、医療従事者や健康な方を目的としていなかった
とのこと。
また、ほとんどのゲームが携帯ゲームだったそうでこれも納得の結果ですね。
次に細かく糖尿病のゲーミフィケーションの特徴を見てみますと、
- デジタルゲーム、フィットネスゲーム、ボードゲームが多かった
- ゲーミフィケーションにおけるタスクとゴールの方法を使用していた
- 自然と学習できるようになっており、ミッションやタスク、クリア、失敗を通して糖尿病を学ぶのを手助けしてくれる感じだった
- フィットネスゲームを除いて、ゲームは質問に選択式で答えていくものが多かった
- ゲームの中身は身体活動と栄養についての物が多かった
そうです。なるほど、これは確かに長期戦になる治療には向いてそうですね。
そしてゲーミフィケーションにより、糖尿病の知識やスキルを反復して覚えることやフィードバックすることも楽しみながら出来るんだとか。
個人的考察
今回は糖尿病とゲーミフィケーションの研究の特徴をまとめたものを見てみましたが、他の分野でも共通していそうな感じでした。特に長期的な目標を達成したい時にゲーミフィケーションは威力を発揮しそうですね。