【加筆内容】運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える その14「カロリー摂取量の評価に問題があるんじゃないか説編」
「運動してもランニングしても痩せない!むしろ太った!の原因は何なのか?運動によるダイエットについて考える」シリーズの続きです。
軽く復習しておきますと、運動しても痩せられるかについて個人差がかなりあったり、運動した油断からカロリー摂取量が多くなってしまい良くて維持、悪いと体重が逆に増えてしまう現象が起きてしまうことがわかりました。
ではなぜこのような現象が起こるのか…?ってことでその可能性について、
んで今回は三つ目の可能性の話です。
三つ目の可能性は、
自己申告による食事記録は、二重標識水法(DLW法)と比べて、20~30%もカロリー摂取量を少なく見積もっている…!
1998年のカリフォルニア大学ロサンゼルス校のRCTによると、運動と食事の摂取量について調べてみたそうです。
この研究は15~17歳の男女88人(女性44人、男性44人。ドロップアウト者を含む)を対象にしたもので、男女別に以下の4グループにランダムに振り分けたそうな。
- 女性の有酸素運動グループ17人
- 女性のコントロールグループ15人
- 男性の有酸素運動グループ20人
- 男性のコントロールグループ19人
続いて、以下の流れにより実験を行ったらしい。
- 実験開始前に、全員3日間、自己申告による食事記録を取った。
- 有酸素運動グループは5週間、エアロバイクを漕いでもらった。
- コントロールグループは5週間、いつも通り過ごしてもらった。
- 4~5週間目に、女性12人(有酸素運動グループ6人、コントロールグループ6人)、男性20人(有酸素運動グループ10人、コントロールグループ10人)の食事記録を二重標識水法(DLW法)で取った。
- 実験終了後に、再度、全員3日間、自己申告による食事記録を取った。
今回の実験のポイントは男女の違いや運動の有無もそうなんですが、食事データを自己申告による食事記録と二重標識水法(DLW法)の2つから取ってみたということです。
んで結果は、
- 男性の場合、有酸素運動と自己報告による食事記録(カロリー摂取量)は相関していた…!
- 女性の場合、有酸素運動と自己報告による食事記録(カロリー摂取量)は相関していなかった…!
- 女性の有酸素運動グループは、脂肪の摂取量が19.8±9%も増加していた…!
- 女性の有酸素運動グループは、炭水化物の摂取量が-9.8±4%も減少していた…!
- 女性のコントロールグループに上記のような変化はなかった。
- 女性の有酸素運動グループも女性のコントロールグループも体重の変化はなかった…!
- 男性の有酸素運動グループも男性のコントロールグループも三大栄養素の変化はなかった…!
- 男性の有酸素運動グループも男性のコントロールグループも体重の変化はなかった…!
以前に紹介した研究と同様の結果が出ていますが、一番のポイントであった自己申告による食事記録(主観的なカロリー摂取量)と二重標識水法(DLW法)の食事記録(客観的なカロリー摂取量)のズレが分かりますよね。だって運動していてもしていなくても体重が変わっていないんですから。
つまり、
- 運動している人は、自己申告によるカロリー摂取量を過小報告する傾向がある…!
ってことです。
それが今回、二重標識水法(DLW法)の食事記録(客観的なカロリー摂取量)でしっかり分かったのが大きいかと。
そして今回更に分かったのがこのズレが結構大きいということです。
というのも、
- 自己申告による食事記録(主観的なカロリー摂取量)は、二重標識水法(DLW法)の食事記録(客観的なカロリー摂取量)と比べて、20~30%もカロリー摂取量を過小評価していた…!
んですよ。
20~30%はデカいな~。
20~30%はデカいな~。
個人的考察
ということで、運動するとその油断からカロリー摂取量が20~30%もズレが出る…!というお話でした。