【加筆内容】知的障がいと平均寿命の関係を見てみる!その5「系統的レビュー編」
「知的障がいと平均寿命の関係を見てみる!」シリーズの続きです。
これまで、
と見てきました。
んで今回は、知的障がいと平均寿命の関係を調べた系統的レビューをチェックしたいと思います。
知的障がいの方の寿命について系統的レビューを行ってみた…!
2018年のグラスゴー大学の研究によると、知的障がいの方の寿命について系統的レビューを行ってみたそうです。
そもそも知的障がいの方の寿命は一般人口よりも短いと言われておりまして、これまでいくつもの研究で本当かどうか調べられておりました。今回はそれらの先行研究のデータをまとめて大きな結論を出して見ようとなったそうです。
ということでまず研究者たちは、知的障害と寿命にまつわる先行研究をデータベースで検索してみたそうな。すると、19,111件もの研究がヒットしたとのこと。続いてこの中から、基準を満たす質の高い研究をピックアップしていったらしい。
最終的に基準を満たしたのは27件の研究だったそうで、これらのデータを基に系統的レビューを行ってみたんだとか。
では、結果を見てみましょう。
- 知的障がいの方は一般人口と比較して、寿命が20年短かった。
- 但しここ数十年で改善傾向にあった。
- 重度知的障がいや他にも疾患を持っている方は、より寿命が短かった。
- 死亡率は、男性よりも女性の方がばらつきが大きかった。
- 主な死因は、呼吸器疾患、循環器疾患(先天性の疾患が多く、虚血性心疾患が少ない)だった。
- ガンの発症率は低かった。
- 一部の死因については回避可能だった可能性があった(もっと手厚い医療・福祉サービスがあれば回避できた)
- 全ての研究は高所得国で行われたものであり、死因は全然調べていなかった。
う~ん。今まで見てきた研究結果とほぼほぼ同じ結果ですねー。
それと今回個人的に注目したいのはこういった研究が高所得国、つまり先進国ばかりで行われているってこと。つまり、低所得国や低中所得国、高中所得国なんかも混ざるとまた違った結果が出てきそうですし、そもそも高所得の国を対象にしていても医療や福祉サービスが行き届かず結果、寿命が短くなっている可能性があるんですな。
それらを踏まえると、まだまだ全体像をとらえきれていないとも言えますし、その中でも寿命は延びつつある、更に延ばせる可能性もあるとも言えますね。