運動は不安対策になるのか?の続きです。
前回までの復習を軽くしておきますと、


って感じ。
何もしない場合やプラセボよりは運動をした方が良いのは間違いないものの、その効果が不安障害の患者さんの場合や他の治療法(認知行動療法など)よりも優れているのかはよく分からない感じでした。
では、その後の研究ではどっち派が優勢になったのか見ていきます。



高レベルの不安又は不安障害を持つ成人が運動を行うと何もしないよりも明らかに症状が改善していた…!

2015年のデューク大学医療センターの研究によると、高レベルの不安又は不安障害を持つ成人に運動が効果的なのか系統的レビューを行ってみたそうです。
まず研究者たちは、該当する先行研究であり、且つ、研究デザインがRCTのものを検索してみたそうな。併せて、先行研究のメタ分析もピックアップし、一緒にレビューしてみたとのこと。
結果、

  • 12件のRCTにより、高レベルの不安又は不安障害を持つ成人が運動を行うと何もしないよりも明らかに症状が改善していた…!

とのこと。
やっぱプラセボよりも良い結果だったんですね~。
但し注意点もございまして、ほとんどの研究が小規模だったり、他の治療法+運動で試していたりしていたこと。なんで、はっきりと結論を出せたわけではないということでした。



不安障害やストレス障害の方に対して、運動は通常の治療やプラセボよりも抗不安効果がある…!しかも効果量が中程度もある…!

2017年のキングス・カレッジ・ロンドンの研究によると、不安症やストレス障害を持つ人に運動が効果的なのかRCTの系統的レビュー・メタ分析を用いて調べてみたそうです。
ということでまず研究者たちは、2015年12月までに発表された、不安障害やストレス障害を持つ人々を対象に通常の治療やプラセボと比較した運動の効果の研究をデータベースで検索してみたそうな。次のその中から質の高い研究をピックアップしていったとのこと。
最終的に基準を満たした研究は6件のランダム化比較試験(RCT)だったそうで、

  • 合計サンプル数:成人262人
  • 総運動グループ数と年齢:132人、34.74歳
  • 総対照グループ数と年齢:130人、37.34歳

って感じだったみたい。
良い感じのRCTが6件なので小規模のメタ分析になってしまいますが、仕方ないでしょう。
んで、結果が、

  • 運動は対照グループよりも不安症状を有意に改善していた…!
  • その効果量は中程度(SMD=-0.582)だった…!

とのこと。
不安障害やストレス障害の方に対して、運動は通常の治療やプラセボよりも抗不安効果がある…!ってのはすごいですな。しかも効果量が中程度もあるなんて…。



個人的考察

ということでその後の研究では、やはり運動は診断を受けた患者さんにも効果がありそうって感じでした。



参考文献