前回、自己申告によるカロリー摂取量は20~30%もズレが生じるぞ…!ってのを見てきました。
今回はその対策法をご紹介します。



食べたものを写真に撮る+食事記録を付けると、誤差を3%程に抑えられる…!

2002年のカンザス大学の研究によると、食べた量を少なく見積もってしまう対策法について調べてみたそうです。
この研究は、BMIが30ぐらいの健康な男女54人(女性32人、男性22人)が参加したもので、以下の流れに沿って実験を行ってみたんだとか。

  1. 最初に全員の体重を測定する。
  2. カンザス大学のカフェで自由に食事を取ってもらう。
  3. その時、食べる前と食べた後の写真を撮る。
  4. その写真を基に食事記録を付ける。
  5. カフェ以外で食べた食事についても食べる前と食べた後の写真を撮る。
  6. それもその写真を基に食事記録を付ける。
  7. 併せて二重標識水法(DLW法)を用いてカロリーをチェックする。
  8. これを2週間続ける。
  9. 最後にもう一度全員の体重を測定する。

つまり、自己申告の食事報告を写真に撮って報告するというものにして、実際のカロリーとのズレを見てみたってことですね。
では結果をチェックしましょうか。

  • 女性の写真を使った自己申告によるカロリー摂取量:1日平均10.40±1.94MJ…!
  • 男性の写真を使った自己申告によるカロリー摂取量:1日平均14.37±3.21MJ…!
  • 女性の二重標識水法を使ったカロリー摂取量:1日平均10.86±1.76MJ…!
  • 男性の二重標識水法を使ったカロリー摂取量:1日平均14.14±2.83MJ…!
  • 女性の写真と二重標識水法におけるカロリー摂取量のズレは、96.9±17.0%…!
  • 男性の写真と二重標識水法におけるカロリー摂取量のズレは、103±18.9%…!
  • この実験で、男性は平均0.23±1.58kg痩せていた…!
  • この実験で、女性は平均0.25±1.09kg痩せていた…!
  • グループ間や性別による体重の大きな変化は見受けられなかった…!

食べたものを写真に撮る+食事記録を付けるってので、誤差を3%程に抑えられるのは素晴らしいですな。だって普通にダイエットを行うのに二重標識水法なんて使えませんからね(笑)
しかも過体重や肥満の方を対象にしているとはいえ、わずか2週間で男女とも痩せているのも素晴らしいですよね。



個人的考察

因みに食べたものを写真に撮る+食事記録を付けるって方法は2012年のカンザス大学の研究でも採用されておりまして、この研究では10ヶ月間にわたって使われております。そのため、短期間だけでなく長期間のダイエットのカロリー管理にも有効な手段ではないかと。
ということで、スマホで食べたものを写真に撮りつつ、食事記録を付けていくのは手軽でよろしいのではないでしょうか。