ゲーム化・ゲーミフィケーションを学ぶ!シリーズの続きです。
ここまで勉強仕事にゲーミフィケーションは使えるのか見てきました。
今回は運動にゲーミフィケーションは役立つのか見ていきます。しかも東京大学が行った日本の研究です。それでは早速チェックしていきましょう…!


パ・リーグウォークで身体活動が増えるのか…?

2022年の東京大学準実験によると、パ・リーグウォークで身体活動が増えるのか調べてみたそうです。
パ・リーグウォークってのは、2016年3月にリリースした日本プロ野球のパ・リーグ6球団公式アプリでして、ゲーミフィケーションを活用した歩数計スマホアプリとなっております。んでこいつの面白い所が、好きな球団を1つ選択し、歩いた歩数に応じてそのチームを応援できるところなんですな。また、同じチームを応援するファン同士の歩数で試合を応援したり、1日1万歩達成で選手図鑑がもらえたりする(2016年10月実装)んですよ。
まぁ詳しくは、以下のGoogle Play又はApp Storeをご覧くださいませ。


話しを戻しまして、日本では野球ファンが多いんで、今回、このアプリを使って身体活動が増えるのか、長期的な影響を調査してみたんだとか。
はじめにスマホの加速度計についてチェックしたそうなんですが、Androidスマホは歩数測定の精度がイマイチだったみたいで今回は、iPhoneユーザーのみで分析することにしたそうな。またデータは2016~2017年の18歳以上のユーザーのものを使ったそうで、サンプル数は47都道府県のアプリ使用者20,052名(女性42%、平均年齢33.6歳)とのこと。この方々の歩数をチェックしつつ、更にコントロール群も用意し歩数をチェックしたということでした。
最後に集まったデータを統計処理した結果、

  • 1日1万歩達成で選手図鑑がもらえるようになってから、毎日の歩数が1万歩ぐらいになることが明確に多くなっていた…!
  • 選手図鑑実装前で1日1万歩を達成した日が24.4%だったが、実装後は27.5%に増えていた…!
  • しかも選手図鑑実装は2016年10月のため、これから冬のオフシーズンに入るのに増えていた…!
  • アプリインストール後、1日の平均歩数が2ヶ月で506歩(25~986歩の間)、3ヶ月で574歩(83~1064の間)も増えていた…!
  • 1日の平均歩数の増加は、アプリインストール後4ヶ月でピークを迎え、559歩(72~1047歩の間)も増えていた…!
  • 1日の平均歩数の増加は、9ヶ月後(559歩(99~1018歩の間))まで維持されていた…!
  • 歩数が増える人の共通点は、40〜68歳、学歴や年収が低い、スタジアムに足しげく通うファンだった…!

とのこと。
パ・リーグウォークで身体活動量は増えるし、季節やオフシーズンは関係ないし、9ヶ月後まで効果は続いたしで、なかなかよろしい結果ではないでしょうか…?