昨日の続きです
今回は、地中海式ダイエットが変形性関節症に効果的なのか調べた研究を見ていきます。



変形性関節症の発症リスクの低下や生活の質の改善、痛みの低下があった…!

2018年のベルヴィッジ大学病院の研究によると、地中海式ダイエットと変形性関節症の関係について系統的レビューを行ってみたそうです。
そもそも変形性関節症(OA)とは、関節の痛みや朝のみに起こるこわばりなどでして、2017年のノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究によれば、世界中で2億4,000万人の方が罹患しているんだそうな。そして、男性の約10%、女性の約18%が症状に苦しんでいるらしい。
そんな変形性関節症ですが、地中海式ダイエットで症状の予防・改善を行う事が出来る可能性があるみたい。
というのも、地中海式ダイエットは抗酸化・抗炎症作用のあるポリフェノールを多く含む食材をメインに食べるんで、軟骨の破壊や筋骨格系の炎症を防ぐ可能性があるんですな。
でも、その辺の事はあんまりよくわかっていなかったんで、この度、系統的レビューとしてまとめてみることにしたそうです。
ということでまず研究者たちは、2017年12月までに発表された地中海式ダイエットと変形性関節症の研究をEMBASEで検索してみたそうな。すると8件の研究がヒットしたとの事。
続いてこの中から、基準を満たす研究を選んでいったそうで、最終的には3件の研究がピックアップされたんだとか。因みにこの3件の研究の内訳は、


って感じでして、横断研究のサンプル数は4000人以上、ランダム化比較試験のサンプル数は124人だったみたい。
これらのデータを用いて大きな結論を出したそうです。
結果、地中海式ダイエットを実践していた人は、

  • 膝の変形性関節症の発症リスクが有意に(OR0.83)低かった…!
  • 特にシリアルの摂取量の増加が膝の変形性関節症の発症リスクの低下と関係していた(OR0.76)
  • 変形性関節症による生活の質の低下が有意に低かった…!
  • 両膝の痛みが有意に低かった…!
  • 膝の動きと股関節の可動域が対照グループよりも優れていた…!

とのこと。
つまり地中海式ダイエットの実践により、変形性関節症の発症リスクの低下や生活の質の改善、痛みの低下があったってことですね。これは良いですな~。
但し、この系統的レビューはわずか3件のみをまとめたものなんで、その辺は注意っすね。



個人的考察

とはいえ、変形性関節症の予防に使える可能性があるというのは大きいですな。



参考文献