【加筆内容】2023~2024年のドイツ栄養学会のアンブレラレビューを見てみよう! その6「タンパク質の摂取とがんリスク」
これまで、
とみてきました。
ドイツ栄養学会がタンパク質の摂取とがんリスクの関係についてアンブレラレビューしてみた…!
2024年のドイツ栄養学会の研究によると、タンパク質の摂取とがんリスクの関係についてアンブレラレビューで調べてみたそうです。
そもそも赤身肉や加工肉を筆頭に、定期的なタンパク質の摂取量が多いと、がんリスクが増えてしまう可能性があったんですな。ただこれが本当なのかイマイチはっきりしていなかったんですよ。そこで今回タンパク質摂取といろんな種類のがんリスクの関係性について調べてみることにしたんだとか。
そもそも赤身肉や加工肉を筆頭に、定期的なタンパク質の摂取量が多いと、がんリスクが増えてしまう可能性があったんですな。ただこれが本当なのかイマイチはっきりしていなかったんですよ。そこで今回タンパク質摂取といろんな種類のがんリスクの関係性について調べてみることにしたんだとか。
最初に研究者たちは、2009年7月1日から2024年1月22日までに発表された該当する系統的レビューをPubMed、Embase、コクランで検索してみたそうな。すると合計18,785件の系統的レビューがヒットしたらしい。続いてこの中で重複している物を除外、その後、基準を満たしているかどうかチェックして精査したそうです。
最終的に選ばれた系統的レビューは10件でして、特徴は以下な感じだったそうな。
- 10件中7件はコホート研究のみの系統的レビューだった。
- 10件中3件はコホート研究とケース・コントロール研究の系統的レビューだった。
- 10件中2件はメタ分析なしの系統的レビューだった。
- 10件中8件はメタ分析ありの系統的レビューだった。
- 主に、前立腺がんリスク、卵巣がんリスク、大腸がんリスク、乳がんリスク、膵臓がんリスク、全てのがんの発症リスクを調べていた。
- コホート研究の追跡期間は3.5年から18年の間だった。
- 大腸がんリスク、膵臓がんリスク、全てのがんの発症リスクは男女を対象にしていた。
- 前立腺がんリスクは男性のみを対象にしていた。
- 卵巣がんリスク、乳がんリスクは女性のみを対象にしていた。
- 参加者の年齢は18歳から92歳の間だった。
- 実験開始時の参加者はガンを発症していなかった。
次にタンパク質の摂取量と種類についてもチェックしておきましょう。
- 10件中5件の系統的レビューでは、タンパク質の摂取量と種類について触れていなかった。
- 残りの5件の系統的レビューを見てみると、総タンパク質摂取量は1日70~129gと0~84gで比較していた。
- 動物性タンパク質摂取量は1日41~80gと9~47gで比較していた。
- 植物性タンパク質摂取量は1日28~47gと13~29gで比較していた。
- 系統的レビューに含まれるオリジナル研究のほとんどで、タンパク質摂取量を推定するためFFQを使用していた。
ちょっとこの辺は曖昧な感じですね~。
では結果を見てみましょう…!
- 総タンパク質摂取量が多いことと、前立腺がんリスク、卵巣がんリスク、大腸がんリスク、乳がんリスク、膵臓がんリスクは統計的な有意差はなく、関係なかった…!
- タンパク質摂取量が最も多いグループと最も少ないグループを比較してみても、リスクは変わらなかった…!
- 特に大腸がんリスクと乳がんリスクは関係がない可能性が高そうだった…!
- 唯一の例外は、ホエイタンパク質の摂取量と前立腺がんリスクの間に、統計的に有意な正の相関関係がみられたことだった。但し、これを含む、他のガンリスクについてはエビデンスが不十分でよく分からなかった。
ということで、タンパク質の摂取とがんリスクは関係なさそうな感じですね。
但し、がんの種類によってはまだまだ分からない部分も多そうなんで今後の研究に期待と言った感じです。
個人的考察
ということでドイツ栄養学会のタンパク質のアンブレラレビューはいかがだったでしょうか…?
私が見た雑感としては、まだまだよく分からないことが多いんだな~という印象でしたねー。