2023~2024年のドイツ栄養学会のアンブレラレビューを見てみよう!その1その2の続きです。
今回は、タンパク質の摂取と2型糖尿病リスクの関係を調べたものを見ていきます。



ドイツ栄養学会がタンパク質の摂取と2型糖尿病リスクの関係についてアンブレラレビューしてみた…!

2023年のドイツ栄養学会の研究によると、タンパク質の摂取と2型糖尿病リスクの関係についてアンブレラレビューで調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2009年7月1日~2022年5月22日の間に発表されたタンパク質摂取量(総タンパク質・動物性タンパク質・植物性タンパク質)と2型糖尿病リスクの系統的レビューをPubMed、Embase、コクランで検索してみたそうな。すると合計7,211件の系統的レビューがヒットしたらしい。続いて事前に定めておいた該当基準・除外基準に照らし合わせていったみたい。
その結果、最終的に8件の系統的レビュー(うち6件はメタ分析を含む)をピックアップできたそうです。この8件の系統的レビューの概要は、

  • 年齢範囲:20~80歳
  • 性別:男女
  • 平均追跡期間:4.6~24年
  • タンパク質の平均摂取量:ほとんど書いていなかった。但し1件の系統的レビューでは、高タンパク質グループが三大栄養素の約21%、低タンパク質グループが約15%だった

とのこと。
では結果を見てみましょうか…。

  • 8件の系統的レビューのうち6件で、総タンパク質摂取量と動物性タンパク質摂取量が多いと2型糖尿病リスクがアップすると出ていた…。
  • 相対リスク(RR)を見てみると、総タンパク質は1.09~1.11、動物性タンパク質は1.13~1.19の範囲だった…。
  • 但し、HbA1cインスリンなどを調べたRCTの系統的レビューでは、2型糖尿病リスクとの明確な関係はなかった…!
  • 植物性タンパク質については、2型糖尿病リスクが低下しそうな感じもあったがよく分からなかった…。

…っということで高タンパク質不利な結果ですね。残念。



個人的考察

但し良く見てみると、そこまで過度に気にするレベルでもなさそうな感じ。なんで、個々の状況に合わせて摂取していただくのがよろしいかと思います。



参考文献