今回は久しぶりに瞑想の研究を見てみます。



瞑想方法によっては創造力がアップするのかも…!

2012年のライデン大学の研究によると、瞑想により拡散的思考と収束的思考が変わるのか調べてみたそうです。
この研究は、サマタ瞑想(フォーカストアテンション)ヴィパッサナー瞑想(オープンモニタリング)の両方を実践している、30~56歳の健康な成人男女19人(女性13人、男性6人)が参加したと言うもの。
参加者には、

  1. サマタ瞑想を35分間行う→拡散的思考のテスト(5分)と収束的思考のテスト(5分)を10分間を行う。
  2. ヴィパッサナー瞑想を35分間行う→拡散的思考のテスト(5分)と収束的思考のテスト(5分)を10分間を行う。
  3. ベースラインセッショントレーニング(コントロールグループ)を35分間行う→拡散的思考のテスト(5分)と収束的思考のテスト(5分)を10分間を行う。

の3パターンを全て試してもらったらしい。
つまり45分間のセッションを3回行ったってことですな。因みにそれぞれのセッションは10日間の間隔を空けたそうです。
また拡散的思考のテストと収束的思考のテストについては、

  • 拡散的思考のテスト:代替用途テスト(AUT)を使った。これはある物(ペンやクリップなど)の別な使い方を可能な限り考え多く挙げるテスト
  • 収束的思考のテスト:遠隔連想課題(RAT)を使った。これは3つの無関係な単語(例えば「時間」、「髪」、「ストレッチ」など)から、共通する言葉(「長い」など)を考えるテスト

を使ったとのこと。どちらも定番のテストですね。
最後に集まったデータを統計処理した結果、

  • ヴィパッサナー瞑想を行った後は、拡散的思考がアップした…!
  • サマタ瞑想を行った後は、収束的思考が良くも悪くもならなかった…!

とのこと。
瞑想方法によって結果に違いが出たのは面白いですねー。
ではなぜ違いが出たのかと申しますと、研究者によれば、

  • 瞑想によってポジティブな気分がアップする
  • この効果によって、拡散的思考だと効果を高めた
  • 収束的思考だと効果を打ち消した

と考えられるそうです。確かにありそうですねー。



個人的考察

もちろんこれはサンプル数19人という超小規模実験なんでそこは注意が必要です。但し、もしかしたら瞑想方法によって効果に違いはあるのかもしれませんし、特定の瞑想方法によって創造力がアップするのかもしれませんな。



参考文献