【加筆内容】野菜や果物で認知症は予防できるのか?日本人を対象にした研究を見てみよう!
んがしかし、ここには弱点がございまして、というのも日本人を対象にした研究ってのが全然ないんですな。
日本人の高齢者を対象に野菜と果物の摂取量と認知症リスクの関係について調べてみた…!
2022年の九州大学の研究によると、日本人の高齢者を対象に野菜と果物の摂取量と認知症リスクの関係について調べてみたそうです。これまで見てきたように野菜や果物の摂取は認知症リスクの低下と関係がありそうなんですが、アジア人を対象にした研究はほとんどなかったんですよね。そこで今回、日本の高齢者を対象に前向きコホート研究を行ってみたんだとか。
この研究は、久山町研究っていうデータセットを用いたもので、福岡県の久山町で行われているもの。始まりは1961年でして、脳心血管疾患と認知症の有病率・発症率やそれらの危険因子を調べるのにスタートしたそうな。そして1961年以降、40歳以上の住民の健康状態なんかを1~2年ごとに繰り返しチェックしているそうです。
んで、このデータセットの中でスタート時、認知症でなかった60歳以上の参加者1,071人(男性452人、女性619人)をピックアップし、1988年12月から2012年11月までの24年間にわたって追いかけたみたい。因みに期間中、健康診断は毎年実施されたとのことで、健康診断を受けていない参加者や引っ越してしまった参加者については、手紙や電話で毎年健康情報を確認したらしい。また、野菜や果物、栄養素の摂取量については70項目からなる質問票を使用して評価したそうな。
最後にデータを統計処理した結果、以下の傾向がみられたそうです。
- 24年間で合計464人(男性151人、女性313人)の方が認知症を発症した。
- そのうちの286人はアルツハイマー型認知症で、144人は血管性認知症だった。
- 年齢や性別を調整後、全認知症発症リスクは、野菜の摂取量の増加に伴って有意に減少していた…!
- 全認知症発症リスクと果物の摂取量に有意な関係性は見つからなかった。
- 最も野菜を食べていた人たちは、最も野菜を食べていなかった人たちに比べて、全認知症発症リスクが27%(HR0.73)も有意に低かった…!
- 最も野菜を食べていた人たちは、最も野菜を食べていなかった人たちに比べて、アルツハイマー病リスクが31%(HR0.69)も有意に低かった…!
- 野菜と果物の合わせた摂取量が多いと全認知症発症リスクと血管性認知症リスクが有意に低かった…!
- 食物繊維の総摂取量が多いと全認知症発症リスクが低下していた…!
- 認知症リスクは、ビタミンA、リボフラビン(ビタミンB2)、ビタミンC、マグネシウム、カルシウム、カリウムの摂取量が多いほど有意に減少していた…!
やっぱり野菜を積極的に食べている人は認知症リスクが低くなる傾向があったみたいですねー。逆に以外なのが果物が基本関係なさげだったことですかね。
個人的考察
因みに農林水産省などによれば、野菜の推奨摂取量は1日5~6サービング(350g)以上、果物の推奨摂取量は1日2サービング(200g)以上となっております。そのためこの研究では、野菜の摂取量が1日350g以上の人とそうでない人、果物の摂取量が1日200g以上の人とそうでない人をそれぞれ比較もしているんですよね。
結果は、
- 野菜の場合は、全認知症発症リスクが24%(HR0.76)も有意に低かった…!
- 果物の場合は、全認知症発症リスクが17%(HR0.83)と有意ではないが低かった…!
そうです。
ということで日本人もやっぱり野菜で認知症リスクが下げられそうな感じ。となると、やっぱり地中海式ダイエットはおすすめとなりましょう。