【加筆内容】地中海式ダイエットの質の高い研究を見ていく!46「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に有効なのか?」
地中海式ダイエットは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に有効なのか…?
2023年のミラノ大学の研究によると、地中海式ダイエットは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に有効なのかRCTの系統的レビュー・メタ分析を行ってみたそうです。
そもそも肝臓に脂肪がつくことを脂肪肝なんて言いますが、脂肪肝は大きく2つに分けることが出来まして、
- アルコール性肝障害(ALD):過度なアルコールの摂取が原因で脂肪肝が起こるパターン
- 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):太りすぎや肥満が原因で脂肪肝が起こるパターン
って感じです。
因みに、慢性肝炎の患者さんのうち81.8%はアルコール性肝障害で、45.8%が非アルコール性脂肪性肝疾患なんだとか。また、世界人口の約25%が発症しているという報告もあるそうです。
アルコール性肝障害の対策はもちろん禁酒でして、これは説明は入らないでしょう。ポイントなのは非アルコール性脂肪性肝疾患の方で、こちらは色々な要因があるので、これをやれば良い…!ってのがなかなかないんですな。そんな中で食事の改善は治療方法の1つとしてよく挙げられます。
そして非アルコール性脂肪性肝疾患の患者さんを対象にした地中海式ダイエットの研究も結構行われておりまして、なかなか良さげなんですよね。そこで今回研究者たちは、過去10年間に発表された該当研究のうち、ランダム化比較試験(RCT)に的を絞って、効果の程をチェックしてみることにしたそうです。
ということで最初に2013年から2023年にかけて発表された該当するRCTをGoogle Scholar、PubMed、Scopusで検索してみたそうな。すると107件の研究が見つかったらしい。更に以前に行われた系統的レビューの参考文献により追加で2件の研究も見つけられたんだとか。
そのため合計109件の研究を集められたとのこと。次にこの中で重複しているものや質の低い研究を除外していったそうで、最終的に基準を満たしていたものは10件のRCTだったそうな。因みに10件のRCTの特徴は以下な感じ。
- 全て二重盲検を採用していた。
- 介入期間は1か月から12か月の間だった。
- 年齢は18歳から80歳の間だった。
- 総サンプル数は737人で、男女の両方が含まれていた。
なかなか質の高い研究でよろしいのではないでしょうか。
それでは結果を見てみましょう。地中海式ダイエットを実践している人は、
- 肝臓の硬さが-0.42kPaも有意に減少していた…!
- 総コレステロールが-0.46mg/dlも有意に減少していた…!
- ウエスト周りは-0.56cmと有意ではないが減少していた…!
そうです。
地中海式ダイエットは脂肪肝にも良いんですね…!