不眠症について定期的に記事を書いている当ブログ。
ってことで今回は東大の方が慢性不眠症に良い治療法ってなに…?ってのを比較してくれていましたんで一緒にチェックしておきましょう。



成人における慢性不眠症の治療について系統的レビューとネットワークメタ分析を行ってみた…!

2024年の東京大学の研究によると、成人における慢性不眠症の治療について系統的レビューとネットワークメタ分析を行ってみたそうです。
因みに研究者曰く、初の系統的レビューとネットワークメタ分析とのこと。これは是非チェックしておきたいですな。
んで本題の前に軽く復習しておきますと、不眠症や慢性不眠症の治療の基本は薬物療法となっております。ただ、近年、不眠症用の認知行動療法(CBT-I)も結構良いんじゃない…?ってなっているんですよ。
じゃあ、薬物療法のみ、認知行動療法のみ、薬物療法+認知行動療法のどれが良いんだ…?ってことで今回、ネットワークメタ分析を使って調べてみることにしたんだとか。
ということでまず研究者たちは、2023年12月27日までに発表された該当研究をPubMed、CENTRAL、PsycINFOで検索してみたそうな。すると全部で560件の研究がヒットしたとのこと。次にこの中で被っている研究や質の低い研究を除外していったそうです。
最終的に残った研究は13件でして、平均年齢47.8歳、823人中510人(62%)が女性ってことでした。
それでは気になる結果を見てみましょう…!

  • 介入法:長期の寛解率(中央値24週間)・長期のドロップアウト率:短期の寛解率(中央値8週間):短期のドロップアウト率
  • 認知行動療法のみ:41%21%:38%・8%
  • 薬物療法+認知行動療法:40%・29%:42%・11%
  • 薬物療法のみ:28%・39%:28%・16%

ご覧の通り、長期の寛解率は認知行動療法のみと薬物療法+認知行動療法がほぼ同じ、短期の寛解率は若干、薬物療法+認知行動療法の方が良さそうだけど認知行動療法のみもなかなか良い感じです。
そしてポイントなのはドロップアウト率でしょう。長期・短期に関わらず、一番ドロップアウト率が低いのは認知行動療法のみだったんですな。
ということでこの結果を踏まえて研究者曰く、

  • 慢性不眠症の治療は、認知行動療法から始めると良いだろう

とのこと。



個人的考察

ということで、やっぱ不眠症にも認知行動療法は良さそうな感じ。
因みに具体的に何をやればいいのか知りたい方は、


あたりの記事をご覧いただくとよろしいかと思います。



参考文献

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pcn.13730
https://www.sleepfoundation.org/insomnia/treatment/cognitive-behavioral-therapy-insomnia