今週の月曜日も引き続き見ていきます。



自閉症スペクトラム障害(ASD)+強迫性障害(OCD)の方への行動療法・認知行動療法の効果を調べてみたけど…。

2021年のコクランの研究によると、自閉症スペクトラム障害(ASD)+強迫性障害(OCD)の方への行動療法・認知行動療法の効果を調べてみたそうです。
まず研究者たちは、2020年8月24日までに発表されている該当研究をコクラン、MEDLINE、Embase、PsycINFOなどで検索してみたそうな。また、参考文献リストや専門家に連絡なども行い研究を集めたらしい。すると4,636件と更に2件の研究が見つかったとのこと。
次にこの中で被っている研究や質の低い研究を除いていったみたい。最終的に選ばれた研究はRCT1件のみという悲しい結果でして、これをしっかり見てみたんだとか(1件のみの為メタ分析が出来なかった)。しかもサンプル数が46名という小規模実験なのも悲しいところ…。
ということで、ASD+OCDに認知行動療法が有効なのかはまだまだ研究不足で分からないのが実情です。
一応この研究によれば、

  • 認知行動療法グループも不安管理グループも同じ効果が見られた
  • 治療終了時の症状は認知行動療法グループの方が良かったけどエビデンスレベルは低かった

って感じ。
因みにASDの方は高機能自閉症の方だったそうです。



個人的考察

今回はあえてこんな感じの研究を取り上げてみました。
2021年の研究ですら、まだこんな感じで分からないことが多いんだよ~ってのを知っていただけたかと…。
また、こういったあんま成果がなかった的な研究は発表されることが少なく、貴重だったりします。
その当たりを踏まえてもやっぱりコクランさんは非常に素晴らしいと思う次第です。



参考文献